日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in信越 2016秋 - 魚仙

2016-10-22 21:07:01 | 居酒屋
長岡に投宿し、一風呂浴びて九時前に「魚仙」へ向かうという流れもすっかり定着した感があります。本日もそのようにして店へ向かうと、例によって踏切が鳴っており、まず上りの「しらゆき」が通過し、次いで湘南色の115系を先頭にした回送列車が引き上げていきました。それを見届けてから暖簾をくぐるという流れは、見事なまでに筋書き通りです。

そこまではよいのですが、今日は着くなり異変を察知しました。ガラス戸の目から腰の高さが磨り硝子になっており、足下の部分だけ見通せるのがここの玄関の造りですが、カウンターに椅子がないのがその部分から見えたのです。よく見ると椅子は玄関の脇に積み上がっています。まさかの早仕舞いかと一瞬焦った後、一呼吸置いて事情が飲み込めてきました。
実は今回「バル街」なる催しに重なったのです。ただしそのこと自体は告知により知っていました。様々な飲食店が均一料金で酒一杯と肴を出し、参加者が目当ての店を次々はしごしていく催しだということについても。しかし想定外だったのは、それが立ち飲みで行われることと、カウンターの全部がそのために使われていることです。カウンターが使えない以上小上がりに通されるのか、それとも一人客は今日に限ってお断りかと、一抹の不安を抱えつつ暖簾をくぐると、接客の青年から催しの参加者かどうかをまず聞かれました。しかしそれに答えるまでもなく、椅子を置けとの指示が店主からすぐさま飛び、片隅に一つだけ置かれた椅子に案内されるという展開です。L字カウンターの角を切り取った、斜めの部分がここでの指定席だと常々申してきましたが、本日は末席に甘んじる結果となりました。
貸切列車と終焉迫る115系が活動の主題であることはもちろんです。しかし、この店で呑むこともそれらと並ぶ主題の一つでした。しかるに催し物と重なって、カウンターの片隅に取り残されるかのような結果となったわけで、形の上では空振りといえなくもありません。しかしこれもまた一興と割り切れるのは、直近の二月で実に四度目という事情によります。115系にかこつけて散々足を運んだ以上、今回は趣向を変えて、バル街なるものを一目見ておくのもよかろうと思い至ったわけです。

催しの内容を聞いて勝手に想像していたのは、店は普通に営業していて、催しの参加者が時折やってくるというものでした。しかし上記の通り、カウンターは実質貸切状態となって、参加者が次から次へとやってきます。このことからしても、地元ではかなり定着している催しなのでしょう。カウンターには参加者用の品書きが張り出されていて、最初に出る酒と肴で足りない場合は、そこから追加で注文する形のようです。500円均一で十数種、しかも作り置きができるものだけではなく、当店自慢の油揚げなど、その都度調理するものも含まれています。それらの注文を次々捌いていかなければならないということは、相応の布陣が要るということでもあり、店主と手伝いのお姉さん、青年だけだった前回から一転、今日は総出に近い人数です。暇と見たときには最小限の布陣で、書き入れ時には万全の布陣で臨み、常に滞りなく注文を捌いていく柔軟さは、横綱相撲と形容するにふさわしいものがあります。
どの品にも十分な量があるのは当店の特徴ですが、いわゆるちょい飲みを目当てにした参加者向けの品であってもその流儀は貫かれます。一般客も注文できると聞いて、参加者用の品書きから選んだ源三郎の唐揚げは、一尾を気前よく使ったものでした。鰤を主役にした豪華九点の刺身はもちろんのこと、見たこともないような肉厚の焼穴子にも物量感があり、今回はお通しを含む四品で完結と相成りました。

魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2230PM(LO)
日曜定休

夢・松乃井・弥彦愛国・雪椿
お通し(梅貝)
お刺身おまかせ盛り合わせ
焼穴子
源三郎唐揚あんかけ
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汽車旅in信越 2016秋 - 冷房車

2016-10-22 20:23:08 | 甲信越
長岡で列車を降り、定宿のホテルニューグリーンプラザに入りました。気温は12度とあるものの体感はそれより高く、短時間なら半袖でもやり過ごせそうです。
朝方は名実ともに晩秋だと申しました。実際、軽井沢で列車を降りたときはかなり肌寒く、小諸から乗った列車には暖房が入っていました。しかし、長野に着いてから長袖に着替えると一転温かくなり、ついには汗をかきだして、午後は再び半袖に戻りました。先ほど乗った快速の車内では冷房が入っており、朝と晩とで気候が完全に逆転しました。信州の寒冷地はともかく、新潟でもまだこの有様です。次回はいよいよ西日本への遠征ですが、長袖を持って行く必要はないかもしれません。
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汽車旅in信越 2016秋 - 新井快速

2016-10-22 18:38:36 | 甲信越
安普請の車両にすっかり興ざめさせられました。あのような屈辱を甘受してまで強行突破してきたのは、偏に本活動の主題である115系のためでした。通称新井快速で長岡へ下ります。運用につくのは新・新潟色の3連です。
明日は終日115系の惜別乗車を予定しており、最後はまたもこの列車で締めくくる可能性が濃厚です。ただし、出発前の構想を見直して、新潟まで乗り通す方向へ傾きつつあります。
長岡で一献傾けてから帰るのが出発前の予定でした。長岡で降り、列車が赤い尾灯を残して走り去るのを見届けるのが、有終の美としては最もふさわしいように思われたからです。しかしよくよく考えれば、終点まで乗り通すのも有終の美には違いありません。そうすれば乗車時間もさらに一時間延びます。最後に一杯やるという選択肢は放棄せざるを得ないものの、新潟の115系に乗れるのもこれが最後になりかねないという事情を考えると、今は酒より乗車だろうという考えが次第に強くなってきました。

★新井1807/3375M/1951長岡
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汽車旅in信越 2016秋 - 究極の選択

2016-10-22 18:18:34 | 甲信越
今回旅程を組むにあたって悩ましかったのは、長岡までの移動手段をどうするかでした。以前ならば信越本線をそのまま下っていくということで何ら迷いはなかったのです。ところが、新幹線の開業により在来線が分離・分断され、新潟県側は安普請のロングシート車に置き換えられてしまいました。そこで前回はこれを避けるために飯山線経由で長岡へ向かったわけなのですが、この手も一度しか使えませんでした。越後川口で乗り継ぐ上越線が、同じく安普請の新車に置き換えられてしまったからですorz
その結果、現状では旧信越本線と飯山線のいずれを経由しても、どこかで安普請の車両に乗らざるを得ません。乗車時間も30分弱とほぼ同じです。それなら115系に乗れた方がよかろうと考え、今回は旧信越本線を強行突破するに至ったのでした。いわば究極の選択だったわけです。しかし、この選択を後悔しかけるほど、乗った車両はお粗末きわまりないものでした。
ロングシート云々という以前に車体の骨格自体が安っぽく、騒音と振動がひどいのは分かっています。普段は電動車にしか乗らない自分も、今回だけは制御車を選びました。しかしこれが見事なまでの裏目でした。というのも、電動機がない分だけ、かえって台車周りの騒音が響いてしまうのです。何よりひどかったのが圧縮機の騒音で、床がベニヤかトタンなのかと呆れるしかありませんでした。妙高山の車窓も二本木のスイッチバックも、車両がこれでは台無しです。

★妙高高原1707/2365M/1731新井
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汽車旅in信越 2016秋 - 禾多重力再開

2016-10-22 16:48:14 | 甲信越
持ち時間を余すことなく使い切り、黒姫駅を後にします。古い洋風駅舎と転車台が残り、駅前には酒屋とそば屋があって、待合室には直売所もできました。何回足を運んでも、しばし滞在したくなる居心地のよさがこの駅にはあり、二時間近い滞在も全く退屈しませんでした。次は雪が積もる頃に再訪できればと考えています。

★黒姫1647/339M/1655妙高高原
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汽車旅in信越 2016秋 - 信濃屋

2016-10-22 16:25:50 | B級グルメ
駅を撮ったり酒屋へ寄ったりするうちに、二時間近くあった滞在時間を半分以上消費しました。あとはそば屋に寄れば持ち時間を過不足なく使い切る状況です。ただし、ここで一杯やれば間違いなく夜の部に響きます。ご飯物も量が多くて同様の結果をもたらすでしょう。その結果選択肢は必然的に絞られ、そば一杯にとどめました。

信濃屋
上水内郡信濃町大字柏原2711-6
026-255-2058
1100AM- (売切御免)
水曜定休(祝日の場合翌日休業)
冷やしおろしそば780円
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汽車旅in信越 2016秋 - 萬屋酒店

2016-10-22 16:06:29 | 酒屋
毎度おなじみ萬屋酒店に立ち寄ります。ここで酒を買うなら何といっても松尾、この時期ならばひやおろしですが、驚いたのはそのひやおろしが三種類もあることです。戸隠、上水内、荒瀬原の三種で、それぞれ処暑、重陽の節句、日本酒の日に合わせて蔵出しされたとあります。一本には絞りがたい、さりとて三本持ち運ぶのはさすがに厳しいという状況の中、上水内と荒瀬原の二本を選びました。

萬屋酒店
上水内郡信濃町柏原2711-23
026-255-2078
900AM-2000PM
元日他不定休
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汽車旅in信越 2016秋 - 黒姫駅

2016-10-22 15:28:25 | 甲信越
黒姫に着きました。正月以来の再訪ですが、今回歓迎すべきことが一つあります。かつてのキヨスクの跡に直売所ができたことです。場所が場所だけにささやかなものではありますが、これによりそば屋も売店も復活を遂げたことになります。沿線にささやかながらも還元すべく、ハツカダイコンと万願寺を買い求めました。小布施でも栗を買っています。帰ってからの晩酌が楽しみです。
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汽車旅in信越 2016秋 - 北しなの線

2016-10-22 14:25:13 | 甲信越
長野からは北しなの線に乗り継ぎ、再び旧信越本線を下ります。車庫見学の時間が30分ほど繰り上がったため、本来の予定よりも一本早い列車となりました。しかし早ければ早いほどよいというわけでもありません。北陸新幹線の開業後、路線は県境で分断され、新潟県側は安普請のロングシート車に置き換えられてしまったからです。新井から先は回避する選択肢がわずかとはいえ残されており、本日強行突破を試みるのもそのためですが、このまま行くと新井発の快速まで二時間近い間が空きます。元々の想定では、黒姫で一旦下りて時間調整すればちょうどよいはずだったところが、一本早まったことにより滞在時間が倍近くに延びるわけです。しかるに時間の使い道としては、駅前の酒屋に寄り、そば屋で一献傾けるという代わり映えのしないものしか思いつきません。浮いた滞在時間をどう使うかが思案のしどころです。

★長野1422/335M/1457黒姫
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汽車旅in信越 2016秋 - 貸切列車

2016-10-22 13:48:39 | 甲信越
その後長野から湯田中まで往復し、さらに折り返して須坂まで乗った後、記念撮影と車庫見学を終えて解散となりました。一人旅に復帰して長野へ戻るところです。
特急車両の貸切はさすがに無理だったか、元営団3000系改め3500系2連による運転でしたが、結果としてはこれでよかったのかもしれません。長野から湯田中までの所要時間は一時間弱、つまり交換待ちを除けば特急とほぼ同じダイヤにもかかわらず、半世紀超の車齢を重ねたとは思えない力走は見事でした。各自が座席で駅弁を広げられる程度の、多からず少なからず適度な人数も貸切列車にはちょうどよく、車掌による名調子の車内放送も楽しいものがありました。
最初に案内があったのは先月でしたが、若い世代が中心となり、それ以前からかなりの時間をかけて準備を重ねたようです。部員が隔年に一人という冬の時代を知る者にとって隔世の感はありますが、鉄道趣味がここまで復権している現状は素直に歓迎すべきでしょう。この伝統が末永く受け継がれることを願っています。

★須坂1347/スノーモンキー(10A)/1404長野
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汽車旅in信越 2016秋 - 115系

2016-10-22 08:56:06 | 甲信越
115系の2連から3連に乗り継いで長野へ向かいます。その先も妙高高原までは115系が健在であり、新井か直江津まで安普請のロングシート車を耐え抜けば、再び115系で新潟へ行けるわけです。とはいえ新潟県側についていえば、遅かれ早かれ新車に置き換えられることが決まっています。そうなれば信越を股に掛けた汽車旅は事実上の終焉を迎えるでしょう。今一度乗車の機会を得られたのは幸いです。

★小諸815/627M/917長野
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汽車旅in信越 2016秋 - 晩秋

2016-10-22 08:00:54 | 甲信越
高崎を出て峠のトンネルを抜けると、窓の外は朝霧に包まれていました。始発の新幹線から小諸行の普通列車に乗り継ぐのは、過去何度となく繰り返された信越の汽車旅の定跡です。
浅間山にまだ雪はないものの、列車を降りた瞬間の凛とした空気は関東とは全くの別物でした。木々は早くも紅葉し始めています。はさ掛けが並んだ田圃を含め、信州は名実ともに晩秋の趣です。

★軽井沢741/753M/805小諸
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汽車旅in信越 2016秋 - はくたか551号

2016-10-22 06:31:39 | 関東
集合は長野駅に九時半、しかし新幹線で直行しても面白くありません。始発の「はくたか」で旅立ちます。この列車に軽井沢まで乗り、そこから普通列車を二本乗り継ぐと、頃合いの時刻に長野へ着くという寸法です。

★東京628/はくたか551(551E)/734軽井沢
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