ルビーの森

京都三条と銀座並木通りにある、ミャンマー産無処理で美しいルビー専門店。鉱山から一貫したトレーサビリティーを実現。

特別なモノ

2010年04月17日 15時45分21秒 | 宝物
昨日、モリスミャンマーから鉱山担当者である

モリスのミヨテ部長が帰ってきました。


ミヨテさんの専門は、採掘された原石をどの様に

カット研磨するかを判断する大切な仕事ですが、

ある原石をカットしている時、職人の

ゾーミンチョ―君が

「ハートが出てきたぁ~」と作業を止めてくれ

ました。

カットの一番初期の作業中にハートマークが

浮かんできました。

それを見て感動したミヨテさんが、半分まで

カットした原石を持って帰ってきてくれました。

写真はその原石です。

ルチルの針状結晶が密集した、通称「シルク」と

呼ばれる内包物で、ミャンマー産無処理で

美しいるびーの特徴の一つです。


私が嬉しかったのは、作業を止めて見せてくれた

ことです。この原石は、反対側の部分が

キューレット(宝石の尖った部分)になり、その

部分をカットすると、個のシルクインクルージョン

は見えなくなってしまいます。

鉱山での採掘からカット研磨まですべての担当者が

持つ方の気持ちを考えて、幸せを願って仕事をして

くれているのが感じられて、とても誇りに思いました。


カット研磨しても美しい原石ですが、このままが

魅力的なルビーなので、このままにしておくことに

決定しました。

今も大切にされている理由?

2010年04月17日 06時48分33秒 | 宝物
奈良にある国の宝が納められている「正倉院」。

その中にある金細荘太刀という刀の装飾に

ルビー色(この時代は加工しやすいカーネリアン

が多い)や青色の宝石が使われていますが、その

装飾のデザインに、今も古く感じない不変の美しさ

を感じます。

遣隋使、つづく遣唐使の時代に中国から持ち帰った

仏教、それにまつわる仏像、仏具、その他の装飾品

は、遠くはペルシャから伝わったものが多いといわ

れています。

仏教関係の文様なのか?

インド、ペルシャ固有の文様なのか?

は分かりませんが、今でいう中国のウイグル地区を

通って西アジアの文様が奈良まで伝わって来たこと

には驚きます。

その時代は、あの唐招提寺を建立された鑑真さんが

日本からのお願いで海を渡るのに5回も遭難した

ぐらい日本に渡るのが難しかった時代です。

それを考えると今なら、月に行くぐらい難しい

ことだったかも。。。

そう考えると、正倉院に保管されているお宝は、

どれだけ大切にされたでしょうか。。。

中国の方が日本に来て感動されるのは、古来の

デザイン、お宝が普通に残っている事ですが、

ひょっとすると、日本海のお陰で伝わるのが

難しかった事も影響しているのかも?

画像は、「日本の古典装飾」青幻舎 より

拝借しました。