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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

面白すぎる! 戸隠地質化石博物館。豊かな信州の里山の初夏 その1(妻女山里山通信)

2019-05-03 | 歴史・地理・雑学
 3日が空いていたので前から行きたかった戸隠地質化石博物館(長野市立博物館分館)へ。昨年の夏は息子たちと糸魚川のフォッサマグナ博物館、一昨年は大鹿村の中央構造線博物館へ行きはまりました。想像以上に素晴らしい博物館でした。いい意味で雑多でカオスです(笑)。おすすめです。

 その前に、ネットで見つけた気になるパン屋さんへ。そのパン屋さんの近くから見る戸隠の西岳の雄姿。手前には長閑な里山の風景。ピンク色はオオヤマザクラでしょうか。

(左)信州鬼無里 野生酵母パン+イートインカフェ ソノマノです。(右)名刺を渡して撮影とブログにアップをさせていただきます。買い求めたのは。いちじくとクルミ(大)920円とマスカットレーズン460円。野生酵母は桑の実だそうです。帰ってBLTサンドにしようと思ったのですが、つまみ食いしたら旨すぎて止まらなく半分ぐらい食べてしまいました。結局BLTとアンチョビのスクランブルエッグをサイドメニューに食べたのでした。
ソノマノ

 406号線を戻って土合の分岐を北上します。戸隠篠ノ井線から標識に従って左折して登ると戸隠地質化石博物館。途中には標識がいくつもあるので迷わずに行けます。柵小学校の元校舎が博物館です。受付で名刺代わりのURLカードと拙書を見せて撮影とブログへの掲載の許可をいただきました。小さな子を連れた家族連れがたくさん訪れていました。

(左)ミンククジラの骨格標本。(中・右)地質化石博物館なのに、昔の小学校の品がたくさん展示されています。これは楽しい。2017年の夏に訪れた遠山郷の旧木沢小学校の展示も良かったですよ。
遠山郷の旧木沢小学校、大鹿村中央構造線博物館、鹿塩温泉山塩館、小渋ダム。大町エネルギー博物館、大町ダム、鬼無里の東京!?(妻女山里山通信)

(左)数字だけなので、これは計算機でしょうか。なんかもの凄く大袈裟な作りがいいですね。(右)ミシン。我が家にも昔足踏みミシンがあって母や祖母が色々作ってくれました。

(左)骨格標本室。その床においてある唐草模様の風呂敷が気になりますよね(笑)。(中)剥製もあります。(右)昔、小中学校の理科準備室にありました。人体模型。無造作に床に置かれた何かの毛皮(笑)。

(左)シロサイの頭蓋骨。笑っています。(中)透明標本。美しい。(右)生き物の体の中。もう本当にそのまんまです。食べ物になるとモツって言いますけどね。

(左)生き物もいます。スッポン。昔、父が千曲川でスッポンを捕まえてきてしばらく飼っていたことがありました。最後は旅館に売ったみたいです。美味です。(中)キイロスズメバチの巨大な巣。(右)蝶の標本。カブトムシの標本も。

(左)水晶。子供の頃、近くの山に水晶を採取に行きました。あれはどこにいったのでしょうか。(中)なんですかねこれは。(右)B型標準携帯音聲(せい)増幅器。いやはや、この様な珍しい機械がたくさん展示されています。

 戸隠に見られる植物の数々。初めて知るものもありました。

 松代藩の御用絵師、青木雪卿(せっけい)重明(1803享和3〜1903明治36/1804〜1901の説も)が松代城内の茶室から見える風景を描いた「知身貴亭眺望西北之図」(真田宝物館蔵)。彼は我が家の斜め裏に住み、名主を務めた我が家の祖先、林逸作と幼馴染で彼が描いた祖先の掛け軸があり、友の為にと書かれています。
斎場山から天狗山へ。上杉謙信斎場山布陣想像図。古書の虫干しで大発見(妻女山里山通信):青木雪卿と我が家の祖先の関係

 非常に写実的に描かれているのが分かります。御用絵師、青木雪卿は、今でいうと記録を主とするカメラマンの様な仕事をしていたのでしょう。描写は極めて写実的で正確です。川中島は犀川の氾濫原で、大きな集落はなかったことが分かります。人々は山際や自然堤防の上に住んでいました。絵では、茶臼山や陣場平山には樹木がありません。人工の増大で薪が不足し、里山のあちこちは禿山だったのです。明治の埴科郡誌や更級郡誌には、かなりの里山の記述に樹木なしと書かれています。それはプロパンガスの普及まで続きました。逆にプロパンガスが普及し、林業や養蚕が廃れるに至って、里山は急速に荒廃していきました。里山は人の手が入って初めて豊かな自然が保たれるのです。妻女山里山デザイン・プロジェクトは、微力ですがそういう活動をしています。

 その2に続きます。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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