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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の春蘭が開花。貝母はつぼみが下向きに。ヒナスミレとタネツケバナ、カンスゲの花。紅梅と白梅(妻女山里山通信)

2024-04-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母はつぼみが下向きになりはじめました。今回は山仕事をしないので歩いて登りましたが、スギ花粉が飛んでいてまいりました。メガネとマスクをしましたが、マスクが息苦しくてあえぎました。スギ花粉はほとんど飛んだ後でしたが、風があったので舞い上がったのでしょう。目が痒いどころか痛くなり片頭痛もしてきました。やれやれ。
 貝母の開花情報は当ブログやX(旧ツイッター)、インスタグラムで紹介していきます。

 たった一輪咲き始めたシュンラン。シュンラン(春蘭)は、単子葉植物ラン科シュンラン属の蘭です。洋蘭として人気のシンビジウムの仲間。

 ほかに二ヶ所ほどあるのですが、まだ咲いていません。

 貝母(ばいも・バイモユリ・編笠百合)のつぼみ。花柄が伸びてつぼみが下を向き始めました。まもなく咲く合図です。次の週末にはかなり咲き始めるでしょう。

 最高気温は20度。かなり草丈も伸びてきました。

 大きな株の間に種がこぼれて出てきた小さな実生あります。株間にシロヤブケマンの若葉がたくさん芽生えています。ウスバシロチョウの食草です。氷河期の生き残りといわれる透き通った白い翅のウスバシロチョウは、5月中旬ごろから舞い始めます。

 陣場平のセリバオウレン。雄花。

 ヒナスミレ(雛菫)でしょうか。スミレもカタクリやニリンソウなどと同じアリ散布植物です。種につくエライオソームを求めてアリが巣に運び、不要な種を巣の外に捨てることで増えます。

 タネツケバナ(種漬花・種付花)。あちこちに咲いていますがあまりにも小さいので目に入らないかも。

 堂平大塚古墳の紅梅は満開です。

 白梅もかなり開きました。

 陣場平の下の立ち枯れの山桑が倒れて林道を塞ぎました。これは近々処理します。

 ニワトコ(庭床・接骨木)レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木。若芽は山菜。接骨木という不思議な名前は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれます。ニワトコの杖は「宿命の杖」といい、魔法の杖といわれ、『ハリー・ポッターと死の秘宝』に登場します。

 長坂峠から見る斎場山。森林組合の人が赤松の伐採をしていました。左に見えるゴミは次の作業時に回収します。

 カンスゲ(寒菅)カヤツリグサ科スゲ属。妻女山では、林道ののり面や日当たりの良い尾根筋で見られます。

 妻女山展望台裏手の四阿から見る茶臼山と白馬三山。ソメイヨシノの花も来週には開花するでしょう。

 妻女山入り口のホトケノザ。奥にそびえるのは斎場山(512.8m)。森のあんずも満開になったそうです。杉花粉の飛散がもの凄いので(これでも多摩地域よりはるかにましなんですが)いつ撮影に行こうか思案中です。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
  インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山陣場平の貝母はつぼみ。紅梅とダンコウバイは満開。あんずも開花しました。貝母を食べるニホンカモシカに邂逅(妻女山里山通信)

2024-04-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母の様子を観に登りました。曇りがちでしたが、前日のように黄砂は飛んでいなくて花粉も舞っていませんでした。芽吹きは例年通りだったのですが、3月が冷え込んだので成長は遅れ気味です。それでも男性が一人、女性が一人見学に来ました。開花は今週末ごろで、見頃はその次の週末からになると思います。開花情報は当ブログやX(旧ツイッター)、インスタグラムで紹介していきます。

 貝母(ばいも・バイモユリ・編笠百合)のつぼみ。花柄が伸びてつぼみが下を向くと咲く合図です。奈良時代に入った薬草ですが、これだけの群生地は日本でここだけです。その希少性を味わってください。

 入り口から見る貝母の群生地。草丈は30〜40センチぐらい。この二倍ぐらいに成長します。樫の木のベンチを二箇所に作ったのでゆっくり鑑賞してください。

 入り口と反対側のもっとも密集している場所から。落枝が多いので来るたびに片付けています。

 葉は成長してくると先が丸まってきます。これらが絡み合ってこの季節に来る爆弾低気圧の強風から身を守るのです。

 クヌギの林下にも群生地が。ここは半日陰になるので開花が少し遅れます。その分長く楽しめます。

 入り口の貝母がニホンカモシカによってかなり食べられています。ここはニホンカモシカの通り道なので毎年食べられるのですが、こんなにたくさん食べられたのは初めてです。薬草ですが毒草なので大丈夫かなと。デトックスになるのでしょうか。決して真似をしないでください。

 球根でかなり強い薬草なのであえてロープや柵は設置していません。踏まないように気をつけて間近で鑑賞してください。毒草ですが、ヤマトリカブトの様に触るのも危険な植物ではありません。

 陣場平のセリバオウレン。両性花。

 これも両性花。なかなか増えないので、種を採取して育ててみようかなと思っています。

 これは雄花。真ん中の赤紫は退化した雄しべです。

 山蕗もあちこちで出始めました。この上の林道脇の斜面にはずっと群生地が続いていますが採りに来る人はいなくなりました。

 妻女山山系のあちこちでダンコウバイが満開です。

 ダンコウバイは株立が旺盛なので適宜伐採しないと森が真っ暗になってしまいます。

 ダンコウバイ。もう少し標高が高くなると、同じ黄花のアブラチャン(油瀝青)が咲き始めます。

 堂平大塚古墳の紅梅も満開です。白梅も咲き始めました。

 妻女山展望台から北に飯綱山。手前右に旭山、中央に富士ノ塔山。

 東に奇妙山。奥に根子岳とうっすらと四阿山。中央は東条の集落であんずの里です。今週末は見頃でしょう。

 展望台のソメイヨシノのつぼみ。開花は週末頃か。これが咲く頃に貝母も咲き始めます。

 翌日の午前中だけ陣場平へノイバラの除去にヤマグワを積んで登りました。出始めたノイバラを根切りしていると、誰かに見られている様な視線を感じました。どこだと探すといましたニホンカモシカ。座ってずっと私の作業を見ていた様です。貝母を食べた犯人です。

 陣場平はこのニホンカモシカの通り道なのです。この個体はメスです。以前小便をする姿勢から分かりました。オスは立ったままですが、メスは半分しゃがんでするので判別できます。しかもお腹が大きいので妊娠している様です。7月頃に出産するでしょう。ニホンカモシカは、貝母のつぼみを食べるのですが花を食べた痕跡は見たことがないので開花したら大丈夫でしょう。

「山蕗と牡蠣のパスタ」。味付けは、マジックソルトとケイジャンスパイス、シュリンプチリソルト。バカウマです。オリーブ油で炒めたらちゃんと乳化させるのがポイント。
 千曲市森のあんずも開花しました。4日から10日頃が見頃です。近所のあんずは既に満開です。あんずの花期は短いので撮影も大変です。

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髻山のセリバオウレン 2024。なごり雪と激しい春雨に耐えて咲く春の妖精。なんと持ち主に邂逅(妻女山里山通信)

2024-03-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平のセリバオウレンが咲いたのが3月16日。髻山へ撮影に行きたかったのですが、度重なるなごり雪に菜種梅雨。そうこうする内に月末になってしまいました。今年は髻山は諦めようと思っていました。しかし、3月は寒かったのでまだ咲いているかも知れないとでかけました。咲いていました。しかも、このセリバオウレンの持ち主と邂逅。色々お話を聞くことができました。私は妻女山陣場平の貝母の様に、昔薬草畑で打ち捨てられたものと思っていましたが、そうではなくて、10年ほど前にわざわざ植えたものだそうです。当時は販売するつもりだったそうですが、売っても安いのでそのままにしているとか。特に肥料とかもやらないけれど、毎年増えていくねと。土壌やコナラの林がセリバオウレンに合っているのでしょう。マムシが出るとこだから気をつけてと言われました。

 セリバオウレン(芹葉黄蓮)の雄花。セリバオウレンは、キンポウゲ科オウレン属の多年草。葉はすべて根生し、2回3出複葉。雄花と両性花があります。これは雄花。花びらのように見えるのは5枚の萼片で,その内側の淡い黄色の9〜12枚が花弁なのですが、遠目に肉眼で見るとほぼ純白です。中央の赤紫のものは、退化した雌しべ。

 両性花。外側に雄しべ,内側に雌しべ。ほとんどの両性花は萼片(がくへん)が白なのですが、稀にこの様に赤紫色のものがあります。

 この群生地はほとんどが両性花です。雄花は土壌の栄養が少ないと出現するそうですが、同じ株から雄花と両性花が出ていることもあるので実はよく分かりません。

 ほとんど雄花ばかりの株。退化した雌しべがまったく無いものもあります。

 花は1センチもないので、撮影ターゲットを探すのが大変です。セリバオウレンは薬草で消炎、止血、精神不安などの薬です。健胃(けんい)、健胃、整腸薬として消化不良や下痢止めにも用います。有効成分は、アルカロイド(ベルベリン)、パルマチン、コプチシンなどです。

 もの凄い数のセイヨウミツバチが舞っていてブンブン羽音がしています。後ろ脚には大きな花粉団子が。ミツバチと比べて花がいかに小さいか分かると思います。

 雄しべの数は20〜40本ほど。雄花の方が雄しべの数は多い様です。

 芹葉黄連という名前の由来ですが、古代にはカクマグサ、ヤマクサと呼んでいたそうですが、中国名の黄連と、同じ植物と間違って、黄連の名をあてたといいます。「本草和名」や「和名妙」に記述があります。また、江戸時代の貝原益軒は「大和本草(1708)」で、「日本の黄連性よし。故に中華、朝鮮にも日本より多く渡る。中華の書に日本産黄連を良とす」と記されています。

 群生地は年々広がっており見ごたえがあります。ただここに通じる登山道や林道がありません。長い藪こぎを強いられます。非常に目立たない場所にあるので探すのは困難でした。発見するのに髻山中を探し回り2年かかりました。

 萼片が純白の両性花。清楚で可憐です。

 雄花だけの株。雄花の方が華奢な感じがします。

 両性花だけの株かなと思ったら、数輪雄花が混じっていました。

 撮影は2時間ほど。背が低くしゃがんだり腰を曲げたりで疲れます。そんな時は休憩。ボーッとこの花園を観ていると帰りたくなくなってしまいます。樹上ではシジュウカラが鳴いています。

 退化した雌しべは赤紫だけでなく、こんな色のものも。

 退化した雌しべも見られない雄花。

 雄花と両性花。昼近くになって風が強くなってきたので帰ることにしました。周囲の山々は黄砂で霞んでいました。山上は12度でしたが麓は19度。車内が暑くて参りました。森の杏も開花するでしょう。
なごり雪の後のセリバオウレン、バイモ、セツブンソウ。杉山古墳群の積石塚古墳(妻女山里山通信)

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満開の節分草を撮影に千曲市倉科の群生地へ。可憐なスプリング・エフェメラル(春の妖精、春の儚い命)のひとつ(妻女山里山通信)

2024-03-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 千曲市から2月26日に千曲市戸倉と倉科の節分草が開花したとの一報がありました。暖冬だったのでこれは満開も早いかなと思ったら3月は異常な寒さ。おまけに中旬から何度もなごり雪が降って開花は止まってしまいました。その後は菜種梅雨に突入。3月25日に満開と出ましたがかなりの春雨が。27日にやっと撮影に行くことができました。そのため髻山(もとどりやま)のセリバオウレンは撮影できませんでした。やれやれ。

 セツブンソウ(節分草)は、キンポウゲ科セツブンソウ属で、本州の関東地方以西に分布する、高さ10センチほどの小さな多年生草本。花の直径は1から2センチ。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。千曲市が長野県の北限だそうです。前日かなり雨が降ったので濡れています。

 可憐な節分草。早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物で、日本には200種以上あります。

 アリ散布植物は、セツブンソウ属やカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属などがあり、自然界におけるアリの働きの重要さが分かります。

 日本には、アリが絶滅すると絶えてしまう植物が200種以上あるのです。たとえばカタクリの胡麻より小さな種にはエライオソームというアリの餌となる物質がついていて、アリは種ごと巣に運びます。そして、エライオソームを取った後、種を巣の外に捨てるのですが、それが種蒔きになるのです。自然界は弱肉強食といいますがそれは間違いです。非常に複雑に絡み合った共生関係にあるのです。

 石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です(絶滅危惧植物II類)。

 節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。花言葉は、気品・ほほえみ・光輝・人間嫌いだとか。高貴な花なんですね。やはり野に置け節分草。栽培ではなく山野で楽しみたいものです。

 節分草の後ろ姿。可憐です。発芽して1年目のものは小さな丸い葉1枚。

 今年は発見できませんでしたが、稀に八重のものがあります。また、もっと稀ですが、一つの茎から二輪の花が咲くものがあります。リンクの2022年3月22日の記事では紹介しています。その時は三本発見しました。
なごり雪の後のセリバオウレン、バイモ、セツブンソウ。杉山古墳群の積石塚古墳(妻女山里山通信)

 杉や落葉松の明るい林床。シダ植物や灌木が生えると絶滅してしまいます。

 満開ですが、しなびた花も散見されました。見頃は週末まででしょう。

 節分草もセリバオウレンも花期は例年なら1週間から10日ほどです。うっかりすると見過ごしてしまいます。

 花びら(萼)が6枚のものを見つけたのですが、目を一回逸したらどこかに行ってしまいました。

 林床の群生地はこんなです。1年目は小さな丸い葉1枚。2年目で放射状の菊葉に。3年目か4年目で開花します。

 群生地の入り口。昨年は戸倉のキティーパーク上の群生地に行きました。さて、妻女山陣場平の貝母(ばいも)の群生地も見に行かなければ。なごり雪でつぶされていないといいのですが。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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貝母の生育を観に妻女山の陣場平へ。里山の群生地は日本でここだけ。セリバオウレンも開花(妻女山里山通信)

2024-03-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(ばいも・編笠百合)は、2月18日に発芽を確認しましたが、その後頻繁に上雪が降ったために行けずにいました。ほぼ一ヶ月ぶりに晴れの日が続いたので登ってみました。生育状況は昨年の半分ぐらいです。昨年が異常に早かったので、これでも平年並みかやや早めなのです。見頃はこれからの気象状況で変わりますが、4月10日から25日頃になると思います。

 最も生育の早い陣場平入り口の貝母。10センチから20センチぐらい。最終的には60〜80センチになります。

 もう蕾(つぼみ)ができています。最初は上を向いていますが、花柄が伸びるとやがて下を向き開花します。花の内側は編笠模様。4月の茶花です。

 陣場平の群生地。第四次川中島の戦いで上杉謙信が本陣として七棟の陣小屋を建てたと伝わる場所です。以前紹介しましたが「甲陽軍鑑」の編者、小幡景憲がここに上杉軍が七棟の陣小屋を建てて布陣した絵図を描いています。

 群生地の中心部。梅雨明け頃に種が飛びますが、その頃にたいてい東風(こち)が吹くので貝母は西へと増えていきます。ただしここは昔から畑だったので周囲とは土質が異なります。周囲は粘土質でザレているので、そこには貝母は生えません。

 二株ほど茎に食べられた痕がありました。犯人はニホンカモシカです。薬草ですが毒草なので他のタヌキとかウサギなどは食べません。ニホンカモシカは、かなり色々な種類の植物を食べます。貝母も少量ならばデトックスになるのでしょうか。貝母は咳止めの薬で、筋肉弛緩剤の様な成分を含みます。

 蕾は一段ではなく成長するのに連れて次々と増えていきます。昨年は異常に早く3月30日に開花しましたが、今年は4月第一週だろうと思います。ソメイヨシノの開花とほぼ同時です。そして、ヤマザクラやカスミザクラが満開の頃に貝母も満開になります。

 群生地には落枝がたくさんあるので取り敢えず大きなものだけ片付けました。向こうに藪が見えますが枝が何本か折れているようです。次の妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業できれいにします。

 昨年、左にある菱形基線測点の手前に貝母の球根を30株ほど移植したのですが芽吹きました。やがてここも群生地になるでしょう。

 陣場平山の片隅にセリバオウレンがあり咲き出しました。花は1センチもないため、現地で出会った方には教えますが、ブログでは書きません。まず見つけられないでしょうし踏まれても困るので。

 髻山の群生地も今春は昨年より遅く月末になるかと思います。セリバオウレンも薬草で消炎、止血、精神不安などの薬です。健胃、整腸薬として消化不良や下痢止めにも用います。有効成分は、アルカロイド(ベルベリン)、パルマチン、コプチシンなどです。

 度々のなごり雪で山蕗もこの標高ではまだあまり出ていません。

 堂平大塚古墳へ。紅梅はひと月前とあまり変わっていません。日当たりの良い斜面ではダンコウバイも咲き始めたのですが。

 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、明治初期にヨーロッパから伝わった帰化植物です。オオバコ科クワガタソウ属の越年草。日が当たるときだけ花を咲かせる一日花で、別名は星の瞳です。
「犬ふぐり 星のまたたく 如くなり」高浜虚子

 福寿草はそろそろ終わりです。

 妻女山駐車場近くから松代方面。左に奇妙山。右奥に根子岳と四阿山。四阿山(2354m)は真田の修験の山で、山頂には麓の山家神社の奥宮が二つあります。麓の神社には、真田幸隆が奉納した奥宮の漆塗りの扉が現存します。拙書では四阿山と真田の関係を詳細に記しています。以前記事にしましたが、我が家の祖先のひとりは真田幸村の影武者のひとりでした。

 北にそびえる飯綱山(1917m)。山頂は右の頂きです。左の南峰には飯縄神社の奥宮があります。祭神の飯縄権現(飯綱大明神)は、管狐(くがきつね)を使って術を行う飯縄遣(いいづなつかい)の仏神。山岳信仰が発祥といわれる神仏習合の神です。その姿は白狐に乗った烏天狗で、大日如来の化身の不動明王のさらなる化身といわれています。上杉謙信が兜の前立てに使っていることでも有名です。

 その西奥にそびえる戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山(2,353m)。左奥には乙妻山。

 19日の貝母の生育状況。寒の戻りでほとんど成長していません。来週から暖かくなるので伸びるでしょう。開花は4月の第一週。見頃は10日頃からかと思います。開花状況はこのブログやツイッター、インスタグラムでお知らせします。

「ホタルイカと新芽ワカメのペペロンチーノ」旬のホタルイカと新芽ワカメ。フライパンでニンニクと鷹の爪をオリーブ油で香り付け。パスタは1.6mm。乳化に使うので茹で水はやや少なめ。茹で上がったら前のフライパンで乳化させ岩塩で味付け。茹でた生ワカメと茹でホタルイカをのせて、海鮮では普通しないパルミジャーノ・レッジャーノを少々。明太子を少しのせてでき上がり。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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節分草が開花しました。早春の妖精に会いに倉科の杉山の群生地へ向かったのですが…。満開は20日頃か(妻女山里山通信)

2024-03-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 2月26日に千曲市戸倉と倉科の節分草が開花したとの一報が入りました。しかしその後一日か二日ごとに雪が降ったためその後の開花が遅れています。とりあえず倉科の群生地に行ってみました。この日も1センチほどの積雪がありました。行ってみるとほとんど咲いていませんでした。12日にかなりの積雪があったため三分から五分咲きですが、満開は20日頃でしょう。

 セツブンソウ(節分草)は、キンポウゲ科セツブンソウ属で、本州の関東地方以西に分布する、高さ10センチほどの小さな多年生草本。花の直径は1から2センチ。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。千曲市が長野県の北限です。東京ではいつも1月に咲いていました。

 前夜の降雪のために林下は真っ白です。わずかに節分草が咲いていたのは、写真の入口の左側の雪のない部分だけです。見頃は来週でしょう。昨年は戸倉に行きましたが、8日には満開でした。

 可憐な節分草は早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物で、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物です。絶滅危惧種なので地元の方が大切に保護されています。

 石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です。

 アリ散布植物は、セツブンソウ属やカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属などがあり、自然界におけるアリの働きの重要さが分かります。日本には、アリが絶滅すると絶えてしまう植物が200種以上あるのです。

 一年目の節分草は葉が一枚で丸いのです。注意深く探すと必ず見つかります。一つの茎から二輪の花が咲くものもあります。今回は咲いている花の数が少なすぎて見られませんでした。

 節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。

 12日に雨が降れば雪は消えます。その後は気温が上がる予報なので節分草も来週末以降から見頃になるでしょう。戸倉の群生地の様子は昨年3月の記事をご覧ください。

 とぼとぼと歩き去る猫。実はこの直前に私の車の横で石垣の間から顔を出した白いネズミを捕らえたのです。口に加えて満足気に去っていく後ろ姿です。

 体が冷え切ってしまったので温泉へ。雪を冠った尾根の下の谷に節分草の群生地があります。これから紅梅、ロウバイ、ダンコウバイ、セリバオウレンなどが次々に咲き始めるので見過ごさないようにしないといけません。信州の春は始まったら駆け足で過ぎ去って行きます。今年は昨年同様に杏も桜も早そうです。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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堂平大塚古墳の紅梅が開花。妻女山陣場平の貝母はすくすくと成長中。松代藩建立、善光寺地震の罹災横死供養塔(妻女山里山通信)

2024-02-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 南岸低気圧が次々に訪れるため一日中晴れる日がありません。やっと午前中晴れたので、2月16日に発芽した貝母(ばいも:編笠百合)を見に妻女山陣場平へ登りました。林道はかなりの泥濘状態。週末の雨か雪でまた酷くなるでしょう。しばらくは車では登れなくなりそうです。途中の潅木に今年はウスタビガ(薄手火蛾)の黄緑色の繭がまったく見られません。昨年の猛暑とかの影響でしょう。千曲市戸倉と倉科の節分草も咲き始めたそうです。見頃は来週末ぐらいでしょう。3月中旬過ぎには例年より早く髻山や倉科の大峯山のセリバオウレンも見頃に。月末にはあんずの里・森の杏も満開に。4月に入ると貝母も咲き始めます。

 堂平大塚古墳の紅梅が開花しました。昨年と同じぐらいの早い開花です。桜折る馬鹿、梅折らぬ馬鹿といいますが、梅は剪定が必要です。紅梅の枝の断面は赤っぽく、白梅は白っぽいのが普通です。

 古墳の福寿草も次々に開花しています。今回はセイヨウミツバチはいませんでしたが、なにか小さな甲虫が訪れていました。フクジュソウ(福寿草、献歳菊、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。死亡例もある毒草です。同じ春の水仙とともに要注意の植物です。

 陣場平入り口の貝母。遠く北アルプスが見えます。最高気温は10度。午後から曇で夜には雪になりそうです。上雪(かみゆき)なので善光寺平より中南信の方が降るでしょう。貝母も薬草ですが、かなり強い毒草です。

 最低気温がまだマイナス3度とかなので、寒さから守るためにポリフェノールの一種アントシアニンのために赤くなっているものもあります。

 3月に入ると青々としてきてひと雨ごとにぐんぐん成長していきます。

 陣場平。樫の木で作ったベンチの周囲にもたくさん貝母が出ています。大きな落枝を5、6本片付けました。小さな落枝は無数にあります。開花までには片付けます。

 右奥に高句麗人の積石塚古墳。古墳の周りにもたくさん出ています。

 枯れ葉を持ち上げて、あるいは突き破ってたくさん発芽しています。左手前の緑はノビル(野蒜)です。

 見上げると飛行機雲。ユーミンの「飛行機雲」が脳内を流れます。右にクマノミズキ、左にはカスミザクラとヤマザクラ。貝母が満開の頃に同じく満開になります。

 山蕗はまだほとんど出ていません。出始めた山菜を目当てに8キロ先の鏡台山から子連れの熊が下りてくる頃です。山歩きには熊鈴を。

 仲間とやっている原木栽培の椎茸が三つ出ていました。酒蒸しか醤油バターソテーが美味です。

 妻女山松代招魂社に下りました。展望台から東の根子岳と四阿山(あずまやさん)。

 左手前には松代の東にそびえる奇妙山。山頂は左で、右に30mの崖があります。拙書ではここを登るコースを紹介しています。山頂の下に黒く見えるのは20m以上の崖が連なっていますが、右へ辿ると一ヶ所だけ尾根に登れる場所があります。そのコースも載せています。

 北には飯綱山。山頂は右ですが、左のピークには雪を冠った飯縄神社の建物が見えています。

 妻女山展望台から善光寺平。眼下の畑では春掘りの長芋の収穫が始まっています。冬越しの長芋は甘さが増してとても美味しいのです。とろろはもちろん、お好み焼きの生地に入れたり海老真丈や鰯のさつま揚げにすると最高です。

 妻女山(旧赤坂山)展望台後ろにある善光寺地震〔弘化4年(1847)〕の罹災横死供養塔で、善光寺平を見渡す場所にあります。ちょうど善光寺の御開帳で賑わっていたこともあり、死者総数は8600人余り。新潟の高田から長野、松本まで広範囲に甚大な被害をもたらしました。石碑は嘉永二年(1849)建立。文字は松代長国寺住職、圭白師。なぜ善光寺から遠くここに供養塔があるかというと、松代藩はここが古代からの神聖な斎場(いつきなるば)であったことを知っていたからと町史には記されています。能登半島地震以降、各地で地震が頻発しています。備えはしていないと。

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貝母が芽吹きました。妻女山陣場平と堂平大塚古墳へ。福寿草で花粉を集めるセイヨウミツバチ(妻女山里山通信)

2024-02-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 観察用に庭の雲龍杉の下に植えてある貝母(ばいも)が16日に発芽しました。、いつも2日後ぐらいに妻女山陣場平も出るので18日に登りました。芽吹いていました。昨年も18日。同じく今年も早い芽吹きです。見頃は4月になってから20日過ぎまでは続くと思います。陣場平までは下の駐車場から登って20分から40分ぐらいです。我々は保全のために車で登りますが、一般の方は止めてください。かなり酷い悪路なの最悪車が壊れます。SBCの「ずくだせテレビ」のロケの時も、ロケ車では到底無理なので私の車にスタッフや島田秀平さんを乗せて登りました。

 陣場平入り口の西面の貝母が毎年最初に芽吹きます。花も最初に咲きます。奈良時代に入ったといわれる薬草(毒草)で、万葉集にも一首詠われています。薬効は咳止めで、成分的には筋肉弛緩剤の様な物です。触れるのも危険なヤマトリカブトほどではないものの、誤食するとたいへん危険なので持ち帰りはご遠慮いただいています。

 向こうが林道で陣場平入り口の看板があります。枯れ葉に覆われていましたがどかしました。撮影用のためでもありますが、この時期芽吹きを見に来る方もいるので誤って踏まない様にどけておくのです。ただかなり強い植物なので、あえて柵とかロープを設置せず、なるべく自然な状態で見学していただいています。

 前の記事は14日ですが10センチの積雪がありました。15日夜からの大量の春雨で一気に消えたのです。前回は林道がアイスバーンだったので歩いて登りました。今日は重いレンズや山仕事の道具があるので車で登りました。一見貝母が芽吹いていない様に見えますが。枯れ葉の下に隠れています。

 枯れ葉が盛り上がっているところを探すと大量に芽吹いています。もやしの様に黄色いものもありますが、太陽が当たるとすぐに緑色になります。赤っぽいのは寒さでポリフェノールの一種、アントシアニンによるものです。

 陣場平の北東部にある菱形基線測点(りょうけいきせんそくてん)。昨年その向こうに貝母の球根をたくさん植えました。今年発芽して花を咲かせるでしょう。種から発芽した場合は、4、5年はかかります。

 落葉期のこの季節は樹間から北アルプスの山並みが見えます。鳥は多くはありませんが、朝起きたら庭の木にガビチョウが二羽来ていて喧しく鳴いていました。何年か前からここ妻女山山系でもガビチョウの鳴き声を聞くようになりました。中国の鳥ですが、飼われたものが逃げ出してあちこちで増えている様です。

 堂平大塚古墳の斜面に咲く福寿草。前回よりも花が増えています。

 セイヨウミツバチが数匹、花粉を集めに来ていました。脚に大きな花粉団子を付けています。

 古墳脇のログハウス。右手前に紅梅、奥に枝垂れ桜。貝母が満開の頃に見頃になります。

 紅梅も前回は固く閉じていましたが少し膨らみ始めました。

 妻女山松代招魂社に下りました。太い桜の枝が折れて落ちていました。幸い本殿には当たらなかった様です。

 妻女山展望台から北アルプス仁科三山の鹿島槍ヶ岳。手前は西山のゴルフ場と民家。この近くに白金にもお店があったバスクチーズケーキで有名なロンディネッラがあります。山の中ですが人気のお店です。

 五竜岳の武田菱もはっきりと見える様になりました。春の兆しです。手前の里山には林檎畑や水田が点在します。

 下って温泉へ行く途中で土口水門から見る北アルプス。手前の千曲川はさざ波が立っていますが、歩いて渡れるほど浅いのです。戦国時代の犬が歩いて渡れたという戌が瀬とはこの辺りのことだと思います。ちなみに松代PAのあたりには猫が瀬がありました。猫でも渡れる浅い瀬という意味です。実にキャッチーな可愛いネーミング。

昨年の4月5日の陣場平の貝母の開花状況です。八分咲きぐらいです。今年もこんな感じでしょう。昔は日本各地の里山に貝母の薬草畑があった様ですが、現在はここだけだと思います。非常に貴重です。

貝母の花。下から見上げると和名の編笠百合という名前の由来が分かると思います。毒草ですが、花芽をニホンカモシカが食べたのを確認しています。デトックスになるのでしょうか。

「ホタルイカと雪菜エノキのペペロンチーノ」旬のホタルイカにやはり旬の雪菜。甘さとほろ苦さが早春の滋味。エノキのシャキシャキ感。最後にピリッと舌をさすエキストラバージンのオリーブ油を回しかけて。雪菜は和洋中エスニックと応用が効く野菜です。

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最高気温が14.6度の晴天。妻女山陣場平と堂平大塚古墳へ。貝母の芽吹きはまだでした。福寿草が満開に。切り干し大根(妻女山里山通信)

2024-02-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が14.6度になった長野市。ピーカンの空の下久しぶりに妻女山陣場平へ登りました。暖かいので貝母(ばいも・編笠百合)は芽吹いたかなと少し期待しましたがまだでした。ただ昨年は2月18日に芽吹きを確認しているので、今年も20日前後には芽吹くだろうと予想しています。車で妻女山の駐車場まで登りましたが、轍(わだち)があるので登れるだろうとしてスタックしたりガードレールにぶつかる車が毎年の様にでます。イノシシ狩りのハンターや私の様な四駆で慣れている人なら大丈夫ですが、雪解けまでは無理と思ってください。

 招魂社奥の駐車場に車を置いて、トレッキングシューズにスパイクアタッチメントをはめて徒歩で登りました。陣場平はご覧の通り積雪が10センチぐらいあります。雪があると地面が凍結しないので貝母の芽吹きが早くなるのです。月末までには雪を押しのけて出てくると思います。

 陣場平入り口。左向こうの日が当たっている西向きの斜面が一番早く芽吹くのですが、まだでした。

 でも蕗の薹は出ているのではとあちこち探すとひとつだけ出ていました。

 ニホンカモシカかなと思ったら副蹄があるのでイノシシですね。先週末にイノシシ狩りのハンターが入った様で林道に轍がありました。この足跡は新しいので逃げ切ったのでしょう。

 貝母の群生地の中心部あたり。倒木はありませんが落枝があちこちにたくさんありました。貝母が咲く前に全部片付けようと思っています。

 陣場平の北東部にある菱形基線測点(りょうけいきせんそくてん)。ここは陣場平の中でも最も日当たりが良いので最初に雪解けします。ただこの周囲には貝母はありません。この手前に昨年球根をたくさん移植しました。今年は芽吹くでしょう。

 堂平大塚古墳へ下ります。右奥は天城山(てしろやま)。あそこから左へ尾根をたどると鞍骨山(鞍骨城跡)です。ここから約1時間です。歴史マニアやハイカーに大人気の里山でGWには一日20,30人ぐらい登ります。

 下る途中で見つけた種。センニンソウ(仙人草)。9月初めに咲く純白の花はブライダルブーケの様でいい香りがします。ただ毒草なので要注意。

 堂平大塚古墳の福寿草がたくさん咲きだしました。

 パラボラアンテナの様な花びらを太陽に向けて咲いています。蜜はありませんが大量の花粉を出すので3月になるとハナアブなど昆虫がたくさん集まります。これも強い毒草です。

 落葉松の倒木がありました。1月30日にはなかったものです。幸いログハウスには当たりませんでしたが、ヤマザクラの太い枝が折れました。

 オオイヌノフグリ(大犬之陰嚢)が咲きだしていないかとあちこち探すとたった一輪だけ咲いていました。

 爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳がくっきりと見えます。

 帰りに昔の峠の東風越(こちごえ)から現在の長坂峠と左奥の斎場山(旧妻女山)。第四次川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣とした山頂です。その後、本陣を陣場平に移しました。眼下に武田軍がいなくなったからです。東風越は松代藩の大名行列も洪水時には越えた峠です。

 林道を下ります。北面なので雪が残っています、解けて凍るのでガサガサで歩きにくい。スパイクをはめているので滑ることはありませんが疲れます。シジュウカラとなんでしょうルリビタキかな。鳴き声がします。

 妻女山展望台から北アルプスと茶臼山のある西山。右には神話の虫倉山や陣場平山。

 陣場平山、富士ノ塔山の向こうに歴史と伝説の戸隠連峰と飯縄山(飯綱山)。拙書ではその歴史についても記しています。上杉謙信や武田信玄はもちろん、古代に渡来したといわれるユダヤ民族や徐福伝説、製鉄や忍術とも関係があります。眼下は長芋畑ですが、春掘りが始まっています。冬を越した長芋は水分が適度に抜けて濃厚で甘いのです。松代PAでは名物のとろろ蕎麦が食べられます。

 信州地大根の切り干し大根。やや小振りの地大根を5本突いて昼夜干す。夜に凍り昼に乾くを繰り返して一週間。青首大根では駄目、美味しくない。濃厚な味の地大根。人参、椎茸、ヒジキなどと炒め煮に。貝柱とか海老を加えておやきの具にすると最高に美味い。祖母から母へ妻へと伝えられてきた信州郷土料理。大量の地大根を突いて干すのは父の仕事でした。ちなみに父は食道楽、母は着道楽でした。私はその両方を受け継いでいます。二人の息子はう〜ん・・・。似てるかな。

 15日夜の大量の春雨で里山の雪は消えました。そして16日、15年前に妻女山陣場平で発見した貝母(ばいも)を観察用に庭に植えたのですが芽吹きました。前日はなかったので今日出て5センチも成長したのです。現地も明後日には出るでしょう。昨年の花もアップします。猫の恋鳴きも聞こえました。信州の春も少しずつ 訪れ始めました。

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信州に春を告げる花。堂平大塚古墳の福寿草が開花しました。つれないルリビタキ(妻女山里山通信)

2024-01-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が9度とか。前日に続いて寒風もなく快晴の暖かな日です。温泉の帰りにもしやと妻女山奥の陣場平と堂平大塚古墳へ登ってみました。北側の林道の残雪も全部溶けました。そしてなんと福寿草が咲き始めていました。昨年も暖冬で2月4日に開花を確認していますが、今年はさらに5日も早く咲き始めました。ということで2日続けてのブログ更新となりました。前の記事の北アルプスの望遠ドアップもぜひご覧ください。

フクジュソウ(福寿草、献歳菊、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。現在4種に分類されていますが、死亡例もある毒草です。春の水仙とともに要注意の植物です。福寿草や水仙、タンポポ、ロウバイにダンコウバイと春の花には黄色が多い。啓蟄を過ぎても昆虫はまだ少なく、その虫たちは黄色い花に集まりやすいという習性があります。

 パラボラアンテナの様に熱を集めます。蜜はないのですが、多量の花粉で昆虫を集めます。花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」など。啓蟄もまだなので花粉を集めに来るハナアブやミツバチはいません。福寿草は3月上旬までと花期が長いので一面が満開になるのはまだまだ先です。

 堂平大塚古墳から見る北アルプスの爺ヶ岳。手前はヌルデ(白膠木)の木。10年前は眼下の集落や千曲川が見えたのですが。藪にすると野生動物の隠れ場所になるので伐採を考えています。紅梅の蕾はまだ固く閉じています。オオイヌノフグリの緑の葉があちこちに。

 陣場平入り口。下界は9度ですが、ここは4度。ただ無風なので寒くはありません。

 陣場平へ入っていくと目の前の灌木にルリビタキ。私の気配で飛び去ってしまいました。ただ木を切っていると寄って来ます。虫が出てくるかも知れないと分かっているのです。鳥は餌となる樹の実がほとんどないのであまり見られません。

 陣場平へ。さすがにまだ貝母(ばいも・編笠百合)は芽吹いていません。しかし、昨年は2月15日頃に芽吹いているので今春もその頃に芽吹くでしょう。昨年の満開は4月6日でしたが、今年は少し早まるかも知れません。開花情報はこのブログで逐一お知らせします。

 陣場平の南側から北を見たところ。この更に手前から向こうの端まで貝母の群生地です。かなり広いことが分かると思います。北の端の菱形基線測点のところまで球根を移植したので、今年は見ごたえがあると思います。4月の5日から20日頃までが見頃になるでしょう。周りにヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラも咲いてそれは見事です。

 陣場平の片隅にセリバオウレンの葉。3月下旬に小さな白い花を咲かせます。

 下る途中で。赤い矢印のクヌギは木材腐朽菌に侵されていてすでに立ち枯れています。倒れるかも知れないので春に伐倒しようと思います。

 樹間から善光寺平と飯縄山。明日は10度を超えそうです。

 樹冠に木の実はありません。低い灌木にも。この時期が里山の動物にとってもっとも餌が少ないのです。ニホンカモシカは緑のロゼットやシダ類、枯れ葉も食べます。3月上旬にはツキノワグマも活動を始めます。その頃に蕗の薹が出始めるのです。

 千曲川の水位がいまだかつてないほど低いのです。右の三角のさざ波の場所は底が見えています。歩いて渡れます。昨年は梅雨の豪雨も台風の洪水もありませんでした。雪も少ないので必ず水不足になります。流れ込む小川には水が流れていません。地下水が下がってあちこちの温泉で湯量が激減しています。
 スペインは1000年に一度の大旱魃。アマゾンとアンデスも渇水。なのにリビア、ブラジルや中国などで大洪水。アラスカは大雪。この激しい気象現象を世界のある気象学者は2022年1月のトンガの海底火山大噴火で大気中の水蒸気の5%(5000万トン)にあたる量が排出されたのが原因と言っています。その影響は、熱圏や電離圏といった大気圏の最上部まで及んでいたことがこれまでの観測データの解析で明らかになっています。数週間で記録的な寒さから記録的な暑さまで気温が乱高下する原因にもなるそうで、今後数年間は続くと専門家は警鐘を鳴らしています。この冬、北米やシベリアではマイナス40度以下とすでに影響は出ています。
 春が早く杏やリンゴの開花も早いため遅霜にやられてしまいます。昨年がそうでした。果樹農家の方は今年もかと心配しています。水不足で稲作も心配です。都会に住む人は今から食料備蓄を考えた方がいいかも知れません。「トンガ海底火山噴火 影響」で検索してください。

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快晴の善光寺平。ピーカンの北アルプス。仁科三山と白馬三山の雄姿。長野市民の山・飯縄山(妻女山里山通信)

2024-01-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 快晴の善光寺平。撮影機材を積んで茶臼山へ向かいました。冬晴れといっても北アルプスが完璧に見えるドピーカンの日はそうないのです。今年は里山や麓でも積雪が殆どないので、空気が酷く乾燥しています。積雪があれば60%前後ですが、このところは40%前後で、酷い時は30%まで下がります。肌がガサガサになるので五島列島の純正椿油を風呂上がりに塗っています。

 茶臼山の北アルプス展望台へ。ここはグーグルマップにも地形図にも載っていません。拙書の茶臼山のページの地形図には載っています。ここから見える北アルプスを南から撮影していきます。左に蓮華岳(2799m)、右奥に針ノ木岳(2821m)。蓮華岳と針ノ木岳の間にあるのが針ノ木峠(2536m)。非常に険しい山岳地帯ですが、古くは信濃国と越中国を結ぶルートの要衝だった歴史ある峠です。一番右の小さな頂きはスバリ岳(2752m)。

 ここから仁科三山。土豪の仁科氏に由来します。爺ヶ岳(2670m)。栂山・栂谷ノ峯・後立山・五六ヶ岳・爺岳・爺子岳とたくさんの別称があります。南峰と本峰の間の白沢の上部には、春に種蒔きをする老爺の雪形が見られ、山名の由来となりました。天然記念物の雷鳥も生息します。

 鹿島槍ヶ岳(2889m)。山頂の右手の陰になっている谷には、平家の落人が隠れたというかくね里があり、上部の雪渓は2018年に長野県初の氷河であると認定されました。かくね里の人々は、やがて大川沢を下り鹿島川の辺りに住み、それが今の鹿島集落とか。ただ、鹿島神社には807年(大同2年)には集落があった記述があるそうで、平家追討以前にすでに集落があったことになります。戦国時代の天文年間の大地震で鹿島槍が大崩壊し、麓が大被害を受けたため、地震の神様である鹿島神社を勧請したともいわれています。ここ茶臼山からの直線距離は、約33キロです。

 五竜岳(2814m)。春に武田菱の雪形が現れることで有名ですが、山頂の右下に見えています。旧字体では五龍嶽。名称は武田の領地であった御菱(ごりよう)から。右の小ピークは白岳。

 仁科三山の鹿島槍ヶ岳と五竜岳。手前は篠ノ井の山布施の集落。向こうの里山山脈との間には、犀川の深い谷があります。

 Wに切れ込んだ不帰ノ嶮(かえらずのけん)。右は天狗ノ頭。北アルプス縦走の厳しい場所。

 白馬三山の左から白馬鑓ヶ岳(2903.11m)、杓子岳(2812m)。

 白馬岳(2932.24m)。右へ長い尾根をたどると、朝日岳などを経て栂海新道は、親不知の日本海へと続いています。フォッサマグナの成り立ちと深い関係があります。糸魚川市のフォッサマグナミュージアムに行かれることをお勧めします。当ブログでも何度か紹介しています。

 白馬三山の雄姿。明治時代に帝国陸軍陸地測量部が地図を作るために白馬村に訪れた時、この山々には確固たる山名がありませんでした。岳山(たけやま)とか西山とか適当に呼んでいたそうです。そんな馬鹿な話があるかと役人に怒られて、長老が集まって必死に考えて命名。雪型の代かき馬からとって代馬岳、貝杓子に似ているので貝杓子岳、長いので貝を取って杓子岳、尖っているので槍ヶ岳、しかし槍ヶ岳、鹿島槍と既にあるので駄目だと言われて白馬鑓ヶ岳と命名。西山にいる山の主で天狗の尾根、身の程を知らぬ者が天狗に近づこうとして帰れなくなったので不帰ノ岳と命名して今に至ります。代馬岳は、実際の地図では白馬岳となっていましたが、村人達は長い間その事実を知らなかったそうです。(出典:『北アルプス白馬ものがたり』石沢 清著)

 右手前にある里山は拙書でも紹介の虫倉山(1378m)。そこで虫というのは古代は蛇(龍)のことであるとか、松代藩の領地で尊崇されていたということを記しています。旧中条村の方たちが「むしくら」という非常に詳しい研究書を出されていて、拙書の記述の際も参考にさせていただきました。本では不動滝に生息するハコネサンショウウオの写真も載せています。神城断層地震で山頂の4割が崩落してしまいました。

 眼下の山布施の集落。よく見ると耕作放棄地があちこちに。もの凄く山奥に見えますが、長野駅まで車で30〜40分。充分に通勤圏なのです。

 やはり雨の少ない地域なのであちこちにため池があります。春になり木々が芽吹き山桜が咲くと桃源郷。

 麓の最高気温は8度近くになった様ですが、茶臼山は氷点下2、3度でした。ただ無風なので寒くはありません。下ってくる時に下の茶臼山動物園からバオーンというライオン?の吠える声が聞こえてきました。買い物をして妻女山展望台へ。飯縄山(1917m)。山頂は右の頂きです。左の南峰には飯縄神社の奥宮があり、上のカットではその建物が見えます。祭神の飯縄権現(飯綱大明神)は、管狐(くがきつね)を使って術を行う飯縄遣(いいづなつかい)の仏神。山岳信仰が発祥といわれる神仏習合の神です。その姿は白狐に乗った烏天狗で、大日如来の化身の不動明王のさらなる化身といわれています。
 暖かいです。地球温暖化なのかしら? いえ違います。シベリアや北アメリカではマイナス40度以下の大寒波。ドイツもかつてない大雪でEV車が大変な事になっています。日本はこのまま暖かい春になりそうですが、信州は雪不足からの水不足に悩まされそうです。千曲川の水位も低く、温泉も地下水なので湯量が激減して困っています。

Chopin Nocturne╱Alice Sara Ott ショパンの遺作ノクターン(夜想曲)。アリス=紗良・オット。:完璧なタッチと美しさ。月光に映える青い北アルプスを想う。


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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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寒風が厳しい中を妻女山から陣場平へ登りました。暖冬ですが春はまだ遠い?いや早そうです(妻女山里山通信)

2024-01-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 8日に積雪5センチの妻女山に登って以来の堂平大塚古墳と陣場平です。この冬最大級の大寒波が襲来しました。関ケ原では高速道路で車が大雪に閉じ込められましたが、善光寺平は雪がちらつく程度で善光寺で5センチ、妻女山は1センチにもなりませんでした。戸隠連峰などが雪雲をブロックしてくれるのです。飯山は北の信越トレイルの山々が低いので豪雪地帯なのです。

 北側の林道は日陰なので少し雪がありましたが、ガチガチに凍結している感じではありません。まず堂平大塚古墳のログハウスへ。異常がないか見ました。日当たりの良い斜面に福寿草が出ていないか見ましたがまだでした。ちなみに昨年は2月4日に福寿草が咲いていました。今年も早いと思います。花粉の飛散も早いでしょう。抗アレルギー剤とナザールスプレーは必須です。ナザールスプレーはコロナウィルスにも効くそうです。

 横穴式の堂平大塚古墳。杉の落ち葉と落枝が多い。春に掃除したいですね。

 陣場平入り口に昨年設置したインセクト・ホテル。昆虫の越冬のための施設です。近づいたら羽虫が何匹か飛び立って行きました。中に甲虫がいるかは、いたら可哀想なので確認していません。

 川中島の戦いで上杉軍の陣地となった陣場平。積雪があればアニマルトラッキングができるのですが。何もいません。冬鳥も少ないですね。離れたところからヒヨドリの鳴き声がしただけです。飯山の方から寒風が吹いてくるので寒い。冬芽もまだ固く膨らみ始めてもいません。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトで保護活動をしている貝母(ばいも・編笠百合)の群生地の場所。雪がないので地面が凍結して霜柱ができています。貝母の芽吹きは3月上旬でしょう。昨年メンバーと多くの球根を植えたので開花が楽しみです。

 柏(カシワ)の落ち葉。他にはクヌギやゴヨウアケビなど。よく見ると緑色の葉も見えます。

 長坂峠に戻りました。斎場山(旧妻女山)。枯れ葉が落ちないで残っているのはヤマコウバシ。受験生のお守りです。

 長坂峠から北の眺め。眼下に千曲川。右向こうに飯縄山。雪がないのもあってか週末にイノシシ狩りのハンターも入らなかった様です。轍もハイカーの足跡もありません。積雪があるとファットバイクやマウンテンバイクの人やハイカーも訪れるのですが。

 妻女山展望台から西の茶臼山。右奥に虫倉山。晴れていれば左奥に北アルプスの白馬三山が見えるのですが。ピーカンになったら北アルプスの撮影に行くつもりですが、なかなかなりません。前回は8日でした。気温が上がると立ち昇る水蒸気で霞むので厳寒でないとだめなのです。

 北の飯縄山。雪は少ないですね。川向うに長野パルセイロのホームスタジアム。今年こそJ2に上がって欲しい。

 北東には高社山。あの山の向こうは木島平や飯山。豪雪地帯ですが今年は少ない様です。高社山の麓に広がる白い部分はブドウやリンゴの果樹園です。左手前にはホワイトリングとエムウェーブが見えます。緑の橋の左側の手前の堤防脇には武田典厩信繁の墓がある典厩寺があり、そこの博物館は歴史マニア必見です。武田信玄や信繁、上杉謙信の本物の遺物が展示されています。

グリーグ ピアノ協奏曲 第1楽章(アリス=紗良・オット) :こんな風景にはノルウェーの作曲家グリーグのピアノ協奏曲が似合います。現在、私が最も大好きなピアニスト。難病を乗り越えたからには、さらにグレードアップしてくれると信じています。彼女のショパンのノクターンは鳥肌が立つほど素晴らしい。



 東の松代方面。今日は根子岳や四阿山は見えません。積雪があると湿度が高いのですが、雪がないのでカラカラに乾燥していて寒風が身に堪えます。乾燥が凄いので口角炎になってしまいました。やれやれ。患部には熊の油を塗っています。

 松代方面の望遠カット。左には大きな奇妙山。麓の斜面は杏畑。4月はじめの満開時はそれは見事です。2014年の大豪雪のあと2018年が最後の冬らしい冬で、その後は暖冬続き。2020年の初積雪はなんと2月9日でした。そして数日後には最高気温が17度と4月並み。今年もかなり早い春になりそうです。

「野沢菜のおやき」暖冬で野沢菜漬けの乳酸発酵が進んで古漬けの様になりました。そこでおやき。一気に作れる挟みおやきです。野沢菜はある程度塩抜きして刻み、地大根、人参、えのき茸とごま油で炒めます。味付けは昆布鰹出汁顆粒、炒り粉、牡蠣ソース。生地は伊賀筑後オレゴンにとろろ、炒り粉、卵でややゆるめに溶きます。両面中弱火で6分づつ蓋をして焼いてできあがり。鶏ひき肉や海老、牡蠣などを入れるとさらに美味しくなります。
 具をたくさん作って常備菜に、チャーハンにも使えて便利です。あんかけにして海苔を加え卵を流すと福建風チャーハンに。

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善光寺平にこの冬の初積雪。妻女山から陣場平へ車で登りました。アニマルトラッキングも(妻女山里山通信)

2024-01-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 7日の夜から信州の善光寺平では雪がちらつき始めました。明けて8日の朝にはほぼ止んで8時すぎには晴れてきました。妻女山の麓では積雪5センチ程度でした。能登半島地震の被災地でも相当の降雪があった様で、二次災害が心配です。今回の大地震の前には群発地震が続き、2023年5月5日には震度6弱の地震がおき被害が出たのです。専門家はさらに大きな地震が来る可能性もあると警告していました。しかし、政府と石川県は備蓄や災害対策の増強を何もしてこなかったのです。救助や復旧が困難という地理的条件も分かっていたはず。五輪や万博には何百億も財源など言わずにさっと出すのに、災害対策費は削減したのです。なぜでしょう。自民党議員にお金が入らないからです。こんな利権まみれのカルト政権は一日も早く潰さないと次に犠牲になるのは私達、あなた方です。

 雪による倒木がないかなどを偵察に陣場平まで車で登りました。まず妻女山展望台で撮影。西の茶臼山方面。北アルプスは雲の向こう。暖冬で今回が初積雪でした。幹線道路はすでに溶けていますが、明朝は水溜りはアイスバーンになります。

 北方の川中島と長野市街地方面。積雪は18センチとか。南北でかなり違います。飯綱山と戸隠連峰は雲の中。豪雪地帯の信濃町は55センチの積雪とか。

 北東の中野、飯山方面。やはり豪雪地帯です。今日は高社山も信越トレイルの山並みも見えません。

 東方の松代方面。四阿山の山頂が見えます。雪不足だった菅平のスキー場は喜んでいるでしょう。

 望遠で茶臼山。成人の日で休日なので国道18号も上信越自動車道も車は少なめです。

 北方の富士ノ塔山方面。ほぼ山頂まで車で登れます。山頂は古い山城。

 松代方面には奇妙山。ここも山頂は古い山城。左手前は真田幸隆に攻略された東条氏の尼厳山。拙書でも載せていますが展望が素晴らしくハイキングで人気の里山です。

 陣場平。無風で静かです。時々シジュウカラのさえずりが聞こえるだけ。貝母の芽吹きが待ち遠しい。気温はマイナス2度か3度ぐらい。

 3月の重い雪と違ってまだ軽いので落枝もありませんでした。ほぼ無風です。

 アニマルトラッキングを。これは足跡が真っ直ぐに続いていたのでホンドキツネでしょう。

 こちらは、ニホンカモシカの足跡。彼らが通る獣道にありました。冬はもっとも餌になるものが少ない季節。シダ類や枯れ葉も食べます。春先に蕗の薹が出ればそれも食べます。他にはタヌキ、ホンドテン、ノウサギなどがいるのですが見られませんでした。

 陣場平入り口のインセクトホテル。昆虫の越冬のために設置したのですが、なにかいるでしょうか。

 長坂峠に戻ります。右のエノキ(榎)の樹下にはオオムラサキの幼虫が越冬しているはずです。それもあって昨年に伐採と除草を行いました。

 長坂峠から北の千曲川と川中島。手前には茶色の枯れ葉のヤマコウバシ。

 林道にはガードレールが無いので徐行スピードで慎重に下ります。これが一度溶けて凍結するとスタッドレスでは登れません。スパイクアタッチメントかチェーンが必要になります。

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今年最後の妻女山へ。陣場平へ。堂平大塚古墳へ。玄関に飾る松をとりに登る(妻女山里山通信)

2023-12-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 玄関に飾る松をとりに妻女山へ。御用納めも済んだので森林組合や獣害駆除のハンターも入らないでしょう。ついでに陣場平や堂平大塚古墳へ異常がないか見に行きました。それにしても暖かい。

 妻女山松代招魂社でびっくり。なんと拝殿がありません。前回瓦屋根を壊していたので屋根を葺き替えるのかなと思っていましたが建て替えるのですね。驚きました。どんな立派な社ができるのか楽しみです。

 妻女山展望台へ。西方の長め。右に丸い茶臼山。右奥に虫倉山。標高1000mぐらいの里山には雪がまったくありません。今日の最高気温は9度。無風なので日向は暖かく感じるほどです。

 茶臼山の左奥には白馬三山。手前の尾根にはJAの建物と左には信里小学校の校舎。あんな山の上に小学校!?と思うかもしれませんが、結構広い校庭もあります。手前には葡萄畑とワイナリーも。中腹を左へ行くとバスクチーズケーキで有名なロンディネッラがあります。森でないところは多くが林檎畑。

 東の松代方面。奥の根子岳や四阿山にも雪は少ないですね。菅平のスキー場はオープンした様ですが。昨年から世界中で豪雨や大干魃が続いていますが、気象学者は2022年1月16日に起きたトンガの海底火山の大噴火の影響を挙げてています。なんと大気中の水蒸気の10%にあたる膨大な量の水蒸気が大気中に放出されたのだそうです。リビアの大豪雨とかありました。豪雨の横では乾いた下降気流が起きるそうで、そのためアンデスやアマゾン川が干魃になっています。チチカカ湖は2メートル、アマゾン川は10数メートルも水位が下がっています。

 展望台から後方、南側。下に松代藩が建てた善光寺地震の慰霊碑があります。

 展望台の地図はあまりにひどくてでたらめなので載せません。松代城へ行くと近くの観光案内所で御城印が買えるそうです。

 長坂峠手前から北の眺め。千曲川の向こうに川中島。飯縄山と戸隠連峰は雲の中。

 長坂峠から見る斎場山(旧妻女山)。上杉謙信が最初に本陣とした山頂は古墳(円墳)です。左には榎(えのき)が何本かありおます。根本の落ち葉の下にはオオムラサキの幼虫がいるはずです。

 陣場平入り口のインセクトホテル。越冬のための昆虫のホテルです。鞍骨山へ向かうという二人が登ってきました。熊は大丈夫でしょうかと。普通なら冬眠する頃ですが今年は暖かいので。でも里に下っても食べ物はないので大丈夫でしょうと。

 冬枯れの陣場平。上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる場所。妻女山里山デザイン・プロジェクトが貝母(編笠百合)の群生地を保護しているところです。夏に球根を大量に移植したので来春が楽しみです。満開は4月の10〜20日頃です。開花情報はこのブログでお知らせします。満開の様子は左のアーカイブで4月をご覧ください。

 堂平大塚古墳へ。以前傷ついた子鹿が中に隠れていたことがあったそうです。今日はだれもいませんでした。

 その脇にあるログハウス。今月の納会で使わせてもらいました。一応掃除もして草も刈ったのですが、周りの藪や雑木は処理した方が良さそうです。

 下山の途中で森林組合が伐採した大きな赤松が。根本に木材腐朽菌の大きなキノコがあるので、いつ倒れてもおかしくないものでした。クヌギやヤマザクラも伐採されていました。春先に湿雪が大量に降ると倒木が出るのでそれも処理しないといけません。来春はどんな気候になるのでしょう。

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直木賞作家、山崎豊子の『沈まぬ太陽』のモデル小倉寛太郎さんの思い出『サバンナの風』。「自然の中の人類の位置を見直す」(妻女山里山通信)

2023-12-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
■2009年10月21日にアップした記事です。アクセスが結構あるのでリライトと追記して再アップします。私には人生で身内以外で生き方を揺さぶられた人が二人います。一人は作家になる前の村上春樹さん。もう一人が小倉寛太郎さんです。限られた人生は出会いが全てなのかなと思います。彼ら二人との出会いは私の人生をある意味決定づけたといえるかも知れません。


『サバンナの風』1993年3月30日刊   写真集『サバンナの光』1996年10月1日刊  サバンナクラブ編

 映画『沈まぬ太陽』(原作:山崎豊子)が10月24日(2009年)に公開されます。そのモデルが小倉寛太郎さんであることは有名です。作品は、「モデル小説」という事実を元にしたフィクションですが、巷やマスコミの関心は、各登場人物が実在の人物ではだれか、事実はどうだったのかというような点に集約され、報道も過熱しました。
 基本的に私は、『沈まぬ太陽』は、あくまでもフィクションだと思っています。真実に近づきたいならば、あらゆる立場の人に取材した緻密で公平なノンフィクションの本を作るべきでしょう。
 ここでは、氏の経歴とかではなく、私が二冊の本を通じて関わり、体験したことを綴ってみようと思います。

 私が小倉さんと出会ったのは、確か1991年の後半か92年の初めだったと思います。氏が主催していた「サバンナクラブー東アフリカ友の会」の本を作りたいということで、仕事をすることになりました。私はアートディレクター、デザイナー、エディトリアルディレクターとして参加しました。

 なんといっても(JALで)ナイロビ左遷の憂き目にあった小倉さんですが、「捨てる神あれば拾う神あり」。アフリカの水は氏にピッタリと合ったようです。もし、アフリカに出会わなければ氏の人生は、労働運動活動家としてだけの、実に味気ないものになっていたに相違ありません。「アフリカの水を飲んだものは必ずアフリカに帰る」という言葉があるように、氏もまたその幸せなひとりだったのです。

 本の名前は、『サバンナの風』。クラブの会員には、いわゆる有名人も多く掲載順や写真の選定、トリミングなどには非常に神経を使いました。既に高名なプロの写真家もいらして、そういう方の写真はギリギリまで寄って余計なものが全く写っていないので、基本的にノートリミングで使うしかないのですが、本の版形と写真の版形は違うため、版面いっぱいに断ち切りで使おうとすると、周り3ミリのどぶ(製本の際に断ち切られてしまう部分)でさえとるのが難しいという状況さえ出てきます。絶対に切れない一方に白場を設けてキャプションを入れることにしました。

 ある日小倉さんから、「岩合さんの所へ行って写真借りてきてください。」と言われました。「岩合さんといえばライオンですね。ぜひ、これといういい写真を借りてきてくださいね。」
 いい写真ねえ。ライオンなんて動物園でしか見たことがないし、どういう写真があるかも分からないし。ええいままよと岩合光昭さんの事務所に出かけたのでした。

 岩合さんの事務所では、ご自身が膨大なライオンのまだマウントもしていない撮りたてのリバーサルフィルムをゴソッと出してくれました。私はルーペを片手にライトボックスに次々にフィルムを乗せて膨大な量のカットを見ていきました。さすがです、『ナショナル・ジオグラフィック』にライオンの写真が特集された方ですから。どのカットもライオンの姿形の迫力が手に取るように伝わってきます。しかし、もうひとつピンッとくるものに出会えない…。共通の知人の話や、アフリカと私が行ったアマゾンの違いなどを話ながら、選定を進めましたが、どうにも出会えません。思わずひとりで唸ってしまいました。

 そんな時、赤ちゃんライオンのカットを見ていて、「赤ん坊のライオンて、親とは毛質がぜんぜん違うんですね。」と岩合さんに話しかけました。「ああ、そうなんだよ。分かる?」といって、奥から別のフィルムを持ってきてくれました。それは、4頭のライオンがやっと倒して仰向けになったバッファローに食いついているというものでした。しかも、天を向いたバッファローのアゴ先には、子供のライオンが必死の形相でかみついています。これだ!と思いました。連写の中から一番のカットを選び出し、「これお借りします。」と言って意気揚々と帰路に就きました。
 「よくこの写真借りられましたね。いい写真ですよ。」小倉さんの笑顔を見て、私は一気に苦労が吹き飛びました。


 困ったのは、会長をされていた作家の戸川幸夫さんに『サバンナの風』の題字を書いてもらってきてと言われた時でした。動物を主人公とした「動物文学」を確立させた方で、イリオモテヤマネコの学術的発見の手がかりを得た方でもあります。子供の頃に『少年サンデー』や『少年マガジン』の原作や学校の図書館にあった小説で、私にも非常に馴染みの深い方でした。それだけに、毛筆で題字を書いてもらうなんて、気むずかしい人だったらどうしようと思いながら出かけたのでした。

 ところが、氏は非常に物静かな方で、こちらの無理なお願いにも心易く書いてくださいました。ところが、ところが、なかなか題字にできそうな字があがってこないのです。特に風という字がしっくりこないんです。何度も何度もお願いして書いていただき、最後は風という文字だけたくさん書いてもらいました。書道ではないので、結局たくさん書いていただいた文字から「サバンナ」「の」「風」の文字のいいものを選び出して組み合わせることにしました。この件に関しては小倉さんも苦笑していたのを覚えています。

 小倉さんは、非常に緻密な方で、「写真もまず標本写真として通用すること」が基本です。まあ面白くもない写真にもなりがちですが、いわゆるイメージカット風はダメなんですね。また、私が全編写真ばかりなので奥付にはイラストを使いたいと思い、昔の欧州の画家が描いたアフリカの動物の木版画やエッチングを持参し、小倉さんに見せたのですが、全てボツになりました。理由は生物学的に間違っているからということでした。そして、ひとつひとつのイラストを指し示し、その生物学的な間違い箇所を説明してくれました。納得せざるを得ませんでしたが、私は困ってしまいました。すると見かねたのか、「私の絵を使ってください。」とのこと。「えっ! 絵も描かれるんですか?」と伺うと、「つたない絵ですけど。」といって後日何点かペン画を持ってきてくださいました。そして、その中から私が気に入った一点を使わせていただきました。


 仕事が一段落すると、小倉さんとはよく雑談をしました。アフリカや私が放浪したアマゾンの話、自然保護の話、ハンティングを銃からカメラに持ち替えた話、アフリカの動物はほとんど食べたという話、アフリカを撮る写真家は多いのに、なぜアマゾンを撮る写真家は少ないのかという話、アフリカンに嫁いだ日本女性の話、アフリカを訪れた日本人観光客の面白い話など話題は尽きませんでした。前者の女性は、東京でアフリカ人の男性に出会って恋に落ち結婚したのですが、アフリカの彼の家に行ってみると奥さんがすでに10人ぐらいいたとかいう話です。一夫多妻を知らなかったのですね。後者は、ある朝サバンナに行くと向こうから明らかに日本人旅行者と思われる男性が物凄い形相で駆けてきたそうです。車を降りるとパニックの形相で、昨日ツアーで来たが置いていかれた。岩陰に隠れたが、獣の唸り声が聞こえて一睡もできなかったと英語でまくし立てたそうです。私は日本人です大丈夫ですよと言ったが、彼はそんなことは頭に入らず英語でわめき続けたそうです。今でも人なつっこい小倉さんの笑顔と、アフリカを語るときの情熱的な眼差しは忘れることができません。

 70年代のアフリカの話ですが、「田舎の娘がナイロビのクラブにほとんど裸で出勤してくるんですよ。そして服を着て舞台に出る。踊りながら裸になって踊る。家に帰る時は、また裸になって帰るんです。」急速な近代化を迎えたアフリカのちょっと哀しい笑い話もしてくれました。
 ナイロビに住んでいても野生動物を見たことがない人もいるんです。実際、来日して上野動物園で始めて実物のライオンを見たというアフリカンもいるんですよ。」と。

 『サバンナの風』の氏の文章の一節に、好きな言葉として、こういう一文があります。
「ここ東アフリカの大地に立つと、夜空を仰いでは天文学者になればよかったなあと思い、大地の亀裂、大地溝帯の不思議さを見て、ああ地理学者でもよかったなあと思う。原野を走る動物を見て、そうだ、動物学者という手もあった。目を落として足元の花を見て、植物学者でもよかった…と。」
 こんな風に思わせるのが、東アフリカの自然なのです、と。

 アフリカを通じて、「自然の中の人類の位置を見直す。」ということを訴え続けた方でした。

*********************************************
 映画『沈まぬ太陽』は、2009年に主演・渡辺謙が主人公の恩地元を演じました。
「日本のナショナル・フラッグ・キャリアである大手航空会社「国民航空」社員で同社の労働組合委員長を務めた恩地元と彼を取り巻く人々の描写を通して、人の生命にかかわる航空会社の社会倫理を表現した作品である。日本航空とその元社員である小倉寛太郎、単独機の事故として史上最悪の死者を出した日本航空123便墜落事故などがモデルとされている。実在の複数の人物が登場人物のモデルとなったとの推測があるが、山崎豊子は公式には認めていない。しかし、山崎豊子は多くの日本航空関係者にインタビューを実施している。」Wikipedia
 ただ氏は事故原因や事故後の補償問題も含めて、JAL123便墜落事故には一切関わっていません。
「定年退職後は長い僻地勤務の経験からアフリカ研究家、動物写真家、随筆家として活躍。ケニア政府とウガンダ政府からは野生生物保全管理官(名誉ウォーデン)に任ぜられた。1976年には戸川幸夫、羽仁進、渥美清、田中光常、小原秀雄、増井光子、渡辺貞夫、岩合光昭ら東アフリカの自然と人を愛する同好の士を集めて「サバンナクラブ」を発足させ、事務局長を務めている。2002年(平成14年)10月、肺癌で死去(72歳)。 Wikipedia
 他にメンバーではいかりや長介、岡崎友紀、見城美枝子、久保田利伸など。個人的には『サバンナの風』の出版記念パーティーで岡崎友紀さんと少しお話できたことが最高の思い出でした。大ヒットした「おくさまは18歳」(最高視聴率33.1%)とか長野の田舎でテレビで見ていた国民的アイドルであこがれのスターでしたから。出版記念パーティーは、著名な方々やクラブの会員の方々が大勢集まり、掲載された写真が飾られ、それは賑やかなものでした。小倉さんから私も紹介され栄誉をあずかりました。『サバンナの風』には、上記の方々のアフリカの写真やアフリカへの熱い想いが載っています。ネットで中古本が買えます。

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 知り合って間もない頃、打ち合わせをしていて小倉さんが、「アフリカ行ったことないですよね。でも若いのになんでそんなに世界の事知っているんですか」と言われたことがありました。そこで、南米、アマゾンとアンデス200日の放浪のことを話しました。あーなるほどと頷かれ、それから仕事の話が一気にスムーズに運ぶようになったのです。
 ある時、本に載せる小倉さんの写真を選ぶためにご自宅にお邪魔したことがありました。アフリカや生物学、動物学などの膨大な書籍が収められた書架が並ぶ氏の書斎で膨大な量のリバーサルフィルムを観ながら選定を始めました。驚きましたその膨大な量に。そして氏の几帳面さを感じさせる図鑑に載せてもいいほどのクオリティ。私はそうではない遊びのある写真も好きなのでいやあ本当に生真面目な人なんだなあと思いました。アートディレクターの目線はもっと幅が広いのです。ただ、氏の写真は動物に対する愛があるので冷たくはないのです。それが本当に素晴らしいなと思いました。奥様も写真を撮られていて写真集に載っているのですが、タイトルがユーモアがあって好きでした。その後、だんだん打ち合わせ以外の話が増えていったのを懐かしく思い出します。それは楽しい充実した時間でした。彼が常々言っておられた「自然の中の人類の位置を見直す。」それは今にも通じる命題です。


 小倉さんの写真。

1999年駒場祭講演会・小倉寛太郎「私の歩んできた道」:ぜひ読んでほしい講演です

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