くじけずにお雑煮を。

2011-01-04 23:55:00 | うまいもの

愛する友人の皆様こんばんは。牛です。
今日はお雑煮を作ったんです。

ええ、今日は4日です。いいじゃないですか別に。

だって「今度のお正月にはちゃんと焼きハゼで出汁をとったお雑煮を作ろう!」と決めてから、年末にかけて焼きハゼをチェックしてたんですが、高くて。
そもそも手に入りにくいため高級品と化してしまってるんですよね。
カタのいいのは6尾程度が1連で2000円台だったりします。

ところが、今回手に入れた焼きハゼ、ちょっと小ぶりですが16尾2連で1800円。
「長面浦か松島湾のじゃなきゃホンモノじゃない!」とか言ってる場合じゃありません。
売っていた年配の女性とお話ししたら、どうやら石巻で作ってるけどハゼはちゃんと北上川河口でとれたものなんだって。

北上川河口が目に浮かびます。
あの美しい景色の中で育ったのだなぁ。
うっとり。

で、焼きハゼを買い求めたものの、牛母が年末に体調を崩して食事制限がついちゃいました。
牛兄も帰省しなかったので、作っても食べるのは牛のみ。

実に切なくて元日の朝はあるもので普通にゴハン食べちゃいましたorz

それでもせっかくの焼きハゼ。
気を取り直して作る事にします。

ハゼくん。ようこそ牛宅へ。

Haze1

良く考えたら丁度良い大きさかも。

さて、さっそく調理を始めます。
まず最初に、先日作ったキッシュの残りをチンして食べます。
…いえあの、すみませんでした。
今日のお昼はおそばだけだったので、おなか空いちゃって(汗)

焼きハゼを弱火で水から煮て、ゆっくりと出汁をとります。

Haze2_2

煮干や昆布もそうだけど、ぐつぐつ煮ちゃうと出汁がにごります。
鰹節で出汁をとるなら沸騰する前に火を止めます。
ハゼは特に。身が柔らかくなるまでゆっくりね。決してぐつぐつしない程度の弱火で。

その間に大根と人参を切って別に茹でておきます。本来は茹でた後外に出して凍らせたものを使うんですが、近年はそこまで気温も下がらないので省略。そういえば子供の頃は、正月に表の雪の中に食材を保管してたっけ。
丁寧に作るのなら冷凍庫に入れておくといいんでしょうね。

同時にお餅を焼いておきます。
牛は角餅を焼いてから入れる派です。

ハゼの出汁がとれたら、ハゼは別にあげておきます。
だし汁に先ほどの大根・人参を投入。
ここで薄口醤油と塩で味付けしますが、焼きハゼと一緒に購入したほや塩を使ってみました。

ほや塩、本当はほやを剥く時に出る汁を煮詰めて塩をとったものですが、このほや塩は岩塩にほやの粉末的なものを混ぜたっぽいです。
そりゃ確かに、本来のほや塩って商品化するの難しいだろうし。
でも風味があって美味。

かまぼこは入れません。かまぼこの甘みが出ちゃうのが好きじゃないからです。
代わりに凍豆腐とまいたけを入れました。大好きなので。
本当は銀杏を入れたかったんだけど今日は手に入りませんでした。
そしていもがら(ずいき)も牛母宅に忘れてきたので断念。

さて、盛り付けます。
お椀に大根、人参、凍豆腐を盛り付けて、形良くまいたけを乗せます。
とっておいた焼きハゼを乗せ、焼いたお餅を添えて。
セリが欲しいところですが、高かったので小口ネギで代用。
そこに汁をたっぷり注いで、お酒とお醤油につけておいたいくらをのせたらできあがり。

Haze3

うん、こんなモンでしょ。
もう少し大き目のお椀が欲しいなぁ。

Haze4

焼かれて干されてカチコチになってたハゼくんも、ふんわりやわらかな身になってます。
大きなハゼだとホネが硬いけど、この小ぶりなサイズだとそれほど気になりません。

以下、味わいつつ。

…さて、久しぶりに食事を晒してみたわけですが。
何の「料理できるアピール」なのかと。
年末年始にかけて、また3名から言われたからです。

「え?!牛さんって料理すんの?!」

このセリフ、昔から度々言われるのでモウすっかりスネちゃって慣れたフリしてますが。
1名じゃない所がミソです。
全然違う所で、違う場面にもかかわらず。
心当たりがあるヒト、手を上げてください。
そうですよ。アナタとアナタとアナタです。
(確実に見てないヒト含む。)
で、居合わせた串焼屋の親方に聞いてみた。

牛:「…って言われちゃうんだよ。牛、確かに特別な事が出来るわけじゃないけど普段の食事は普通に作れるつもりなんだけど。何で?モータースポーツ好きでアウトドア好きだって、料理できないとは限らないでしょ?」
親方:「だいたいオマエは生活感が無いんだ。出歩きすぎ。外食が多く見えるから作れなさそうに見えるんだ。」

ごもっとも。
確かにここ数年は外食多め。
だけど、毎日外食するほど贅沢ができる身でもない。
だいたいそんな余裕あるならその分インプレッサwのガソリン代にするってば。
(↑このへんがアレなんだな…)

牛:「じゃ、料理ができるっぽく思える料理って何?」
親方:「一般的によく言われるのは肉じゃがだな。」

へ?そんなんでいいの?
肉じゃがって基本じゃん。
そして牛はホロっと煮崩れた感じの肉じゃがが好きだけど、世の中にはキレイに煮た肉じゃがが好きなヒトがいるのも知ってる。
好みとかじゃなくてイメージなのか。

だいたい「料理ができる」って曖昧。
いい歳してこんな事言うのも言われるのも残念な感じだけど。

例えば「EXCELが使えます」って言っても、作表してデータを入力するだけなのか、基本的な関数が使えるだけなのか、数式組むのにエラー回避と検証まで考えるのか、オートマクロかVB使うのか、ACCESSで処理するのか、共有するヒトのスキルを考えて敢えて単純化したり、メンテナンスまで他人に引き継ぐ事を考えるのか。

それじゃ、牛がリスペクトする「料理ができるヒト」って誰?

それは昔むかし、仕事で関わりのあった数名の管理栄養士さん。
若い栄養士さんは経験値が少ないから、献立を考えつつ栄養価計算をして一人分の食材の分量を割り出すのは一苦労。
だけどベテランの管理栄養士のかたの中には「その日の献立に使う食材のおおよそのグラム数」までが、大雑把ではあるけれども瞬時に把握できるのでした。

わかる?
カレーライス一人前のカロリーと、入ってる人参が何グラムで、調理する際の廃棄率がどの程度で、つまり一人当たり何グラムの人参を用意すればいいのか。
一般家庭じゃわかる必要もない。だけどプロは違う。
そういう計算をしつつ、日本食品標準成分表を見ること無しにバランスを考え、さらに普通食、きざみ食ならとろみをつける、ミキサー食ならこれに差し替えるなどなどの調理の指示まで考えなくちゃいけない。

料理の話しをしていて介護食の話題になるのも極端すぎるけど(笑)、それでもあの栄養士さんはすばらしかった。仕事でのお付き合いとはいえ話してて面白かったし勉強になった。
それは今になって、牛母や牛兄の食事へのアドバイスに活きてます。
そのかわり、牛は「料理得意です!」とは決して言えず「普通の料理はそこそこできますけど…」とモゴモゴするようになってしまったけれど。

はー、おいしかったぁ。
おかわりしちゃったよ。

Haze5

ごちそうさまでした。
ハゼっち、ありがとね♪
おいしかったよん。

柔らかくなったハゼは身までおいしくいただけますが、グロいのが苦手なヒトは食べ方に注意。
ハゼ、口でかいから何でも飲み込むでしょ?
おなかの部分は後回しにすることをオススメします。
丸ごと焼き干しになってるので胃の内容物がそのままだったり。
牛が食べたハゼのおなかには、小魚の頭が入ってました。
むしろ小魚でよかったw

そして最後にちっちゃな声でこれだけは言わせてください。

牛だってゴハン作れるもん…。