知られじなは山が露のこがくれてしげきおもひの下(した)に消えなば(洞院摂政家百首)
夕暮れのまがきの萩のうへに置く露のかごとのみだれてぞ思ふ(壬二集)
もの思ふ袖のなみだにうちそへていたくな置きそ夜半の白露(風葉和歌集)
わが恋は草葉にあまる露なれやおきどころなく身を歎くらむ(新拾遺和歌集)
秋もなほ野はらの露の置かぬ夜(よ)はあれども袖のぬれぬ日はなし(壬二集)
露だにもなからましかば秋の夜にたれとおきゐて人を待たまし(拾遺和歌集)
おなじくは我が身も露となりななむ消えなばつらきことの葉もなし(元真集)
わびわたる我が身は露ぞ同じくは君があたりの野べに消えなむ(後撰和歌集)
思ひわびうき身ぞやがて消えぬべき露の契りを待つとせしまに(永享百首)
露をだにあはれとは見よ君がすむあたりの草に思ひ消えなば(宝治百首)
恋ひわびて野べの露とは消えぬともたれか草葉をあはれとは見む(新古今和歌集)
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