伊藤悠の「シュトヘル」(小学館)が14巻で完結してました。
ユルールかシュトヘルのどちらかは劇的な死を遂げる、というラストを期待していたのですが、ちょっと拍子抜けな幕切れでした。せめてハラバルぐらいは悲劇的な最期でもよかったのになー。(なぜあの場でハラバルが始末されなかったのかが不明。)
いと麗しき五月
なべての莟(つぼみ)、花とひらく
いと麗しき五月の頃
恋はひらきぬ
わがこころに。
諸鳥(もろどり)のさえずり歌う
いとも麗しき五月の頃、
われうち開けぬ、かの人に
わが憧れを、慕う思いを。
(「ハイネ詩集」片山敏彦訳~新潮文庫)
野も、山も、青葉若葉となりました。この頃は――とりわけて今年はよく雨が降るやうです。雨といつてもこの頃のは、草木の新芽を濡らす春さきの雨や、もつと遅れて来る梅雨季(つゆどき)の雨に比べて、また変つた味ひがあります。春さきの雨はつめたい。また梅雨季の雨は憂鬱にすぎますが、その間にはさまれた晩春の雨は、明るさと、快活さと、また暖かさとに充ち溢れて、銀のやうにかがやいてゐます。春さきの雨は無言のまま濡れかかりますが、この頃の雨はひそひそと声を立てて降つて来ます。その声は空の霊と草木の精とのささやきで、肌ざはりの柔かさ、溜息のかぐはしさも思ひやられるやうな、静かな親みをもつてゐます。時々風が横さまに吹きつけると、草木の葉といふ葉は、雨のしづくが首筋を伝つて腋の下や、乳のあたりに滑り込んだやうに、冷たさとくすぐつたさとで、たまらなささうに身を揺ぶつて笑ひくづれてゐるらしく見えるのも、この頃の雨でないと味はれない快活さです。(略)
(青空文庫より)
和泉かねよし「女王の花14巻」(小学館)が出ました。いよいよ次巻で完結とのこと。私は掲載誌(「別コミ」)も読んでいるのですが、楽しみです。
女王としての道を選んだ亜姫と一介の奴隷である薄星。“千年の花”は二人を幸せにしてくれるんでしょうか。
この物語の中で青徹のお話しの部分は、本当に大泣きしました。結末も、大いなる悲劇を期待しています。
伊藤悠の「シュトヘル」(小学館)に、はまってしまいました。
ジュンク堂にて、コミック「村上海賊の娘」を探している時にたまたま、平置きされていた表紙(+帯)を見て、直感的に「面白そう」と思いました。取りあえず、まず某古本屋にてざっと立ち読みをして予想を裏切らない面白さであることを確認し、既刊1~12巻を大人買いしました。
登場人物が多いし、過去のエピソードも盛り込んでのストーリー展開が早いので、何度か繰り返して読んでも新たな発見があります。何より、滅ぼされようとしている西夏文字へのユルールの思いに対して、読者は応援せずにはいられないのではないでしょうか。
各巻カバーには西夏文字が記載されているのですが、一体どんな文字なのか知りたくて、西田瀧雄の著書を何冊か図書館から借りてみましたよ。漢字と見た目は似ているけれども違う点で、デザインとして面白いです。各巻末尾のシルエット絵と西夏文字を組み合わせたデザインで、シュトヘルTシャツとして販売などしてほしいです。
書道をやる人で、西夏文字を書いている人はいないかしら?
画数の多い文字か、字義から文字を選んで、印章(ハンコ)を作ってみたいかも! ハンコ屋さんでやってくれるか分からないので、自分で篆刻する? 線彫りでいいなら、消しゴムはんこでも出来そう。
最新刊12巻では、ユルールが変節してしまったように描かれていますが、本当は違うんです! 敵をあざむくためなんです。ハラバルを殺したように見えるのも、からくりがあるんです。覆面隊長がユルールを発見した際に、ユルールの持っている剣には血が付いていましたが、その時に既にからくりのタネを仕込んでいたんです。と、私は思います!
ナランはヴェロニカに首を落とされたけれど、メルミはどうなったのかなー? 後から現場にやって来たユルールと話をしてるんじゃないかな。メルミが生きのびてヴェロニカへの復讐を誓っていたら、面白いなー。
来月に13巻が発売予定なので、続きが楽しみです。
7巻33ページに、負傷した覆面隊長がハラバルに助けられて黒馬(三つ目)の背に乗せられるシーンがあります。その際、覆面隊長の身体を固定するために、ハラバルは(おそらく)自分の腰紐を飾り(佩玉?)ごと使っています。同巻141ページで、覆面隊長がモンゴル軍へ戻った後、ハラバルのその腰紐を首にかけており、9・10巻でもそのままです。11巻の46ページまでは描かれているのに、同巻135ページ以降はそれが描かれなくなってしまってるのは、なぜ?