もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

唐松岳

2006年08月08日 | 山・ハイキング

【8月5日】 東京までバスで出ようと思ったが、土曜は渋滞するかもしれないので、思い直してJRで行く。夕方の電車の中は浴衣姿の若い娘がいっぱいだった。花火大会があちこちであるらしい。山の格好で一人で電車に乗っているのはちょっと恥ずかしかった。

新宿に20時、5人全員集合する。台湾料理のお店で壮行会。痩せてる二人は何故かお酒に強い。生ビールのジョッキのあと紹興酒を飲んでいる。私は生ビールのあとはジャスミン茶。太目の二人はサワー1杯を持て余し気味。23時前に店を出てコンビニで足りないものを調達。新宿23:54発ムーンライト信州のグリーン指定で白馬へ。

【6日】 グリーン車は3列シートでユッタリしているが、夜行列車はやはり眠れない。松本を過ぎて暫らくしたら夜が明けて山々がきれいに見える。列車の進行方向左側の席が北アルプスが見えて良い。
白馬駅5:36着。すぐに路線バスに乗り八方バス停下車。5分ほどしか乗らないのに180円はチョット高い。バス停の休憩所で朝食。ゴンドラが7時からなので少し前にゴンドラ駅に向かい歩くが遠い。たっぷり10分はかかる。そのうえ道を間違え20分は歩いた。前途多難な予感がしたが、皆と笑って吹き飛ばす。
  
ゴンドラ乗り場は行列が出来ていたが10分程で乗れる。ゴンドラとリフト2本を乗り継ぎ一気に標高1900mへ。
8時に歩き始める。5人のうち3人が山小屋に一泊して唐松・五竜登山の予定で、あとの二人は八方尾根をハイキングして日帰りで帰る予定だ。八方池で皆で記念写真を撮ってから別れようと、ともかく一緒に歩き始める。が、荷物の軽いハイキング組が何故か遅れる。第二ケルンの下の雪渓の前で皆で記念撮影して別れた。
   ハイキング組は一昨年も同じ時期にここに来ているが、ここには雪渓が無かったそうだ。今年は残雪が多い。花の開花も遅れていて今が丁度見頃である。

    
別れてから、少し登ったら八方池だ。ここまではハイカーが多い。バスのハイキングツアーの名札をつけた団体が大勢いる。ここで誰かに呼ばれて振り向いたら驚きだった。なっなんと!ワンゲルの先輩とコーチではないか!驚きました。先輩二人とは昨年のハイクで二十数年ぶりの再会をしていましたが、コーチとは卒業以来、初の出会いでした。口の悪いコーチは早速、「みんな、りっぱなオバサンになったな~。誰だか全然わからない。」 又、私の運動靴を指して「お前、山なめてんじゃないの。」 友達の登山靴を見ては「靴ヒモがゆるい!ちゃんと締めろ。」「おっ、お前のはゴアテックスだな。」等々、会うなり、チェック、厳しすぎます。さっき別れた二人を呼びに行って8人で記念撮影。こんな偶然もあるんですね。

ハイキング組二人に見送られて六人で出発するが、先輩に会うまでは元気だった仲間が何故か急にペースダウン。私もどうも調子が悪い。暑くて汗タラタラなのに鳥肌が立って寒気がする。暑くて暑くて堪らないのに寒いんだわ。心臓も喉元まで上がってきてるような感じがして苦しい。コーチ隊には先に行って頂く。
八方尾根は時間に追われずにゆっくりと歩くのにはモッテコイの素敵なところです。雪渓やお花畑が多く、右手に白馬三山と不帰のキレット、左に五竜岳と鹿島槍が眺められます。しかし楽しむゆとりは無かった。前の人に遅れまいとするが、差は開くばかり。アレッ、先に行ったはずの一人の先輩が座って休んでいる。腿が攣ったそうだ。ザックをお持ちますと申し出るが、こちらの様子を見て無理なのが明々白々だったのか、少し休んでいくから先に行けというので、苦しい息で一歩一歩前の人を追いかける。
    
11時40分、唐松頂上山荘にやっと辿り着く。一足先に着いていた仲間がもう歩けないと言い、顔色が土色をしている。無理してここまで頑張ったらしい。 その顔色を見ただけで、心配のあまり自分の具合の悪いのなんぞ吹っ飛んだ。もう五竜は無理だ。唐松山荘泊りに決める。が、もう一人の元気のいい仲間は不満らしい。あの土色の顔を見てるのに不満を口にする神経が分からない。

先輩の腿の調子も治り、コーチ隊は五竜へ向かうというので、元気一杯を連れて行ってくれるように頼む。こちらの勝手なお願いを、コーチは何も言わず引き受けてくれた。元気一杯は我々を気遣う様子も無く、コーチ隊に付いて元気に五竜へ向かった。
  
お見送りのあと、山小屋にチェックイン、12時半。受付に気分の悪い方は申し出てくださいと書いてある。申し出るか迷ったが、ひとまず様子を見ることにして、部屋で休ませる。高山病の場合は横になるのはまずい。眠るのも呼吸が浅くなるので良くない。本当はぶらぶら歩き回るのが良いのだが、それが出来る状態ではない。本人は横になって寝たがるが、座らせて、布団を積んだところへ寄りかからせて、息を充分に吐くように言う。酸素入りの水を持っていたので気休めにちょこちょこ飲むように言う。
悪化するようなら小屋に相談しなければ思って様子を見ていたが、今になって思うとすぐに小屋に相談すれば良かったと思う。悪化してからでは遅いし、小屋の人は高山病は見慣れているので適切な判断と処置をして、仲間は早く回復しただろうと思う。山は自己責任の世界と考えて相談するのは手に余ったときの最終手段と考えた私は間違っていた。手遅れになる前に相談するのが正道だった。夕方には御飯を食べられるまでに回復したから良かったものの、もしも万が一のことを考えるとゾっとする。

今回泊まった唐松頂上山荘の新館は一昨年出来たばかりで木の香りがして、トイレはバイオ水洗で清潔である。夕食はハンバーグに赤魚の切り身、高野豆腐、サツマイモの甘煮、里芋煮などに若布と油揚げの味噌汁、蒟蒻ゼリー付きで、ハンバーグはあっさりしていて食べやすい。若い男性はチョット物足りないかもしれませんが、山は若い人がいないので中高年向けにしてあるのでしょう。

唐松山荘はケータイが利かない。山荘から五竜方面へチョット降りたところで電波が届くと聞き、そこでコーチ組に同行した仲間にメールを送るが返事が無い。五竜山荘も電波が悪いのかもしれない。脚が攣った先輩がいるので心配だがコーチが付いているので大丈夫だろうと思う。夕食の後、本館2階の喫茶ベルグで暮れゆく立山・剣を見ながら美味しいコーヒーを頂く。500円也。20時前に就寝。

【7日】 4時起床。ヘッ電を付けて唐松山頂へ。4時50分が日の出だそうだ。早目に頂上に着く。既に三脚付きの大型カメラを持った人たちが十人くらい待っていた。夜が明けるが、残念ながら雲が多い。遠くの山は見えないが、雲の上に浮かんだような立山・剣はすばらしい。日の出は見られなかったが、山頂の夜明けを寒さを堪えながら充分に楽しんで小屋に戻り朝食。
 

     
6時20分下山開始。登る時は見る余裕がなかったが、八方尾根はお花が多い。種類も豊富である。キヌガサソウ、ハクサンフウロ、キスゲ、マツムシソウ、シモツケソウ、ツリガネニンジン、ダイモンジソウ、ボウフウ、写真は無いがウサギギク、チングルマ、イワギキョウ、カライトソウ、ミヤマキンバイ、イワカガミ等々咲き競っている。
  
   
         昨日の登りでは八方池を上から眺めただけだったので、畔へ降りて一周する。池に不帰のキレットと白馬三山が映り素晴しい。八方池は畔で休むべきだ。ゆっくり休んでからリフト駅へ。9:30着。ブルーベリーソフト300円を食べてからリフト・ゴンドラを乗り継いで八方へ。観光案内のお姉さんにみみずくの湯が10時から営業していると聞き、歩いて行く。30分かかった。10時半なのにけっこう人がいた。お風呂でさっぱりと汗を流し、白馬駅まで歩く、10分。駅前の店で美味しいお蕎麦とで。白馬駅13時34発のあずさで新宿へ。


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