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ビル・エヴァンス2枚のLIVEアルバムより。

2020-08-09 10:22:11 | 音楽夜話(ジャズ)
ビル・エヴァンス2枚のLIVEアルバムより。


At The Montreux Jazz Festival - Bill Evans
Recorded Live at Montreux Jazz Festival “Casino de Montreux”, Switzerland
Recorded June 15, 1968 at the Casino de Montreux, Switzerland by the technical department of Radio Suisse Romande.


https://www.youtube.com/watch?v=V2tNmQW9QvI&list=PL0q2VleZJVEkQc1XapvN_wibv69R2XmBP


ワン・フォー・へレンは白眉。ナルディスのベース・ラインは鳥肌もの。骨太のガーシュイン。
聴きどころはいろいろある。整っているし美しい。この時期のエヴァンス・トリオのエッセンスが
感じられる。


これはこれで、多分、当時のリリース基準にのっとって、演奏者もOKテイクにしたのだろうと思う。
LIVE名盤の誉れ高い1枚。






Bill Evans Another Time 1968
Recorded at Netherlands Radio Union (NRU) Vara Studio 8 in Hilversum, Netherlands on June 22, 1968


https://www.youtube.com/watch?v=kWMcZJKc4XY&list=PLIxd7Gx6spCXMJghS6qGLpko3oeDGBsnG&index=1


LIVEには魔物が住んでいる。条件が違えば出来も違う。当日の健康面、精神状態で仕上がり具合も
違うだろう。同じメンバーだって、傑作が次々できる保証はない。


このライブは、「お城のエヴァンス」から1週間くらいたってからのもの。この間3人に何があったのかは
わからないけれど、放送局の録音で演奏を残した。それが、後年リリースされようとは、
御当人たちは考えてもみなかっただろう。


特にエヴァンスはもういないのだ。このテイクにOK出したかどうかわからない。
「お城のエヴァンス」があるのだし、同様のものを出すとは思えない。


しかしながら、なんとなく3人のベクトルが、フェスの時と違うように思う。3人がお互いある意味慣れたのか
意思疎通が以前より取れやすくなったのか、音がフェスの時と違う。整って美しいだけでなく、ある意味
ワイルドなところも垣間見せている。海賊盤の多いエヴァンスだけれど、正規録音以外でライヴ盤もその後
結構出回ってたりするが、いまいちなものを聴いたこともあった。


それから比べるとこの盤は緊張感もあり、ある意味自由さも加味したうえで作られた様なところが聴かれる。
ドラムソロやベースソロは、今でいえばそれほど長いとは感じないが、当時はそうでもなかったのかもしれない。
饒舌なのはある意味逆な感想を引き出してしまう可能性もあり、演奏後ではその時はそうだったというしかない。
このような後出しのものは、それなりの説得力のあるものでないと納得されない。


ファンによっては、色々な思いがあってだめだしする方もいるだろう。しかしながら、演奏過程の記録ならば、
貴重なもののひとつかもしれない。同じ演奏はできないからだ。発掘しリリースしたメーカーさんの英断に拍手。



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