介護保険を利用している要支援1・2の人を対象からはずして、市町村事業にする、そして
特養ホーム入居を待っている要介護1・2の人は、これから入居をみとめず、地域や自宅で
看てくださいの政府の改悪方針。施設は一杯で親の介護で苦労する、入居料が高くて老々
介護を余儀なくされている現実。いずれ将来、お世話になるかも知れない切実な課題です。
家の近くにあるヘルパーステーション「つくしんぼ」のOさんに実状をお聞きしました。利用
されている方の3割近くが1・2の方です。90歳近い一人暮らしのAさん、要支援1ですが、
痴呆がはじまっています。週2回の利用。訪問すると、買い物準備へ「財布が見つからん」
(本人の衣服にあるのですが)、ご自分でわかるまで30分、それから買い物の相談します。
ところが朝から何も食べてないと知って、急きょソーメンなどつくってあげ、それから買い物
です。本人の意欲を引き出しながら、3日間分の段取りをします。一緒に下ごしらえまでに、
最低2時間は要します。これを政府は地域ボランテイア対応にとします。高齢になると、
弁当は甘すぎるとか、ごはんが固いとか、また人によって甘味料でじんましんが出る人も。
ボランテイア対応になると、コストの関係で弁当にならざるを得ません。
善意だけでは対応できないのです。つくしんぼでは、持ち出しになっても事業所に相談
せず、本人が時間オーバーで対応していると聞きました。
赤旗新聞は、保険給付と違い,地域支援事業はあらかじめ総額が決められ、それに合わせ
た人員配置、事業者配置となる。担い手はボランテイアや民間企業。小さな自治体では一
般会計からの繰り入れは限度ある、そのしわ寄せは報酬に。都会と地方のサービスの
格差が生まれると、首長の心配を報道しています。
10月17日付のしんぶん赤旗は金沢市内のやすらぎ福祉会の特養ホームの実態を報道し
ています。待機者450人で、そのうち4割が要介護1・2の人。おばあちゃんの病気を
理解できない孫とのトラブル、仕事と4人の子育て、家事、介護など心身ともぎりぎりで
、うつ状態で体重が14キロも減った方の例も。この方たちを政府は追い出そうとする。
佐藤県議とやすらぎホームの相談員の方にお話しを伺ったとき。要介護1・2の人でも、
半数近くは在宅でなく、病院や施設で特養を待機しています。働き世代の給料安、老々介
護など、家族は深刻な状態。年間50件近くの「介護殺人」(石川県でも1件あった)、
でも4割が執行猶予。理由は「制度が不十分で起きた不幸な出来事」と裁判所も認めざる
をえない国の介護保険制度の不備。これを更に改悪する。
「異議あり」と地方自治体からも声が上がっています。もうかっている大企業への減税より
、命・くらしを大切にするのが政治だと強く感じるのです。