14日は日本ユーラシア協会(旧日ソ協会)の西日本ブロック研修会に名古屋に
でかけました。福井はすごい雪で、運転手の方も用心して名古屋へ。名古屋は
金沢では考えられない青空でした。毎年、この時期2月は、ブロック(3つ)毎に、
分かれて、それぞれのテーマでの学習と相互の活動交流を続けています。
今回は名古屋大学内の部屋を借り手の研修会。
お話は「人を裁くということ~ロシア陪審制20年目の岐路」と題して名古屋大学
院生の中山さんの問題提起。裁判員制度には、陪審制(12名で事実の認定のみ
、原則全員一致制。量刑は別途専門員で)と 参審制(参審員と裁判官の3名に
よる事実認定と量刑、多数決)があるそうです。帝政ロシア時代に陪審制に、革命
後は参審制。そして現在のロシアで陪審制の復活となったそうです。最初は写真
左のように被告人はオリの中で陳述をしていたそうですが、やがてオリなしに。
1993年のロシア憲法のもとで陪審制となったが、なかなか広まらず、全土近くに
なったのが2010年とか。しかし、チェチェン問題などは対象からはずす、審判
制度の複雑化から陪審対象が狭くなり、問題も抱えているとか。かなり詳細な説
明でしたが、よくわからず、司会者から、「言いたいことは?」の注文に。ドフトエ
フスキーの「罪と罰」があるが、ロシアの伝統的な宗教観念から罪にはいわゆる
現実に起こした罪と共に原罪という人間が最初から持っているという罪もある、
すると産まれた時から罪を背負っている人を、誰が裁けるのか?という根源的な
問題を実は指摘したかったのです、と言われ、参加者もロシア文学と宗教にか
らんだ哲学的テーマに、「ふ~ん」となりました。
ユーラシア協会(石川県ではロシア協会)各県、各支部では多彩な文化行事など
取り組んでいます。ロシア語教室は活動の目玉。かつてのブームから減ったとは
いえ、ロシア語学習に興味や意欲もった方もいるので、入門から上級までやられ
ています。その後の活動に加わってもらえるように、文化サロン担当でがんばって
もらうなど工夫しています。一年に一度のイベント成功だけでなく、「ソチとロシアの
スポーツ」「ロシアのクリスマス、復活祭」「ロシア人と日本人の相違と共通点」など
、日本に住んでいるユーラシアの人たち(ロシアだけでなく、カザフスタン、アルメ
ニア、ウクライナんど)を招いてのカフェ・文化サロンも取り組んでいます。高齢化
が目立つなかで、どうやって組織を拡大するか、特に若い世代への継承はどの
団体でも共通の悩みです。
ロシア人のほとんどが別荘を持っている!別荘というと「軽井沢」を思い浮かべる
我々と違い、ロシア人は狭いアパート暮らしをさけ、農地を借りて手製の家(小屋)
をたて、週末や休暇を農産物を収穫しながら、休日を楽しむのが日常です。
「ダーチャ」(ロシア語で別荘の意味)を日本でも、家族の絆を深め、自然に触れる
ことで人間を取り戻そうと、協会有志で展開している。ぜひ皆さんもオーナーになり
ましょう、場所候補を提供ください、会員になって下さい、の訴えもありました。
設立準備委員会(090-2709-8933高草さん)もありますので、興味ある方ご連絡を。
30数名の少数でしたが、活動交流のあとは、
懇親会。用意されたビールやグルジアワインなどと料理と一緒に更に歓談が
続きます。最後はご当地の「きしめん」「てんむす」です。閉会の挨拶をと指名さ
れ、最近観た映画マエストロから、各県支部と参加者がこの一年間それぞれ
一段とみがきをかけ、成果を作って、来年の名古屋総会を成功させようと、
挨拶しました。写真は、お昼いただいた「ひつまぶし」の上です。