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前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

革新懇主催の原発シンポ「福島原発事故は福井県民に何を問いかけているのか」

2011年11月27日 | Weblog
昨日は、革新懇主催の原発シンポ「福島原発事故は福井県民に何を問いかけているのか」でした。私もパネリストをつとめました。福井県革新懇の30周年企画でした。
稲木代表委員のあいさつの後、4人のパネリストから話。

山本富士夫・福井大学名誉教授は、東北各地の被災現場を紹介しながら、事前に寄せられた「福島原発の状況は」「大量の水はどうなっているのか」「20キロ圏内はもう住めないのか」などにもていねいに答えました。
そして、「原発は天災、サイバーテロ、巨大システム故に人為ミスに弱く、いったん大量の放射能放出がはじまると制御できず、きわめて危険」と厳しく批判しました。

元原発労働者・原発労働組合役員斉藤征二さんは、原発内の配管の金具や復水器の模型もしめしながら、コンクリからぶら下がっている配管などは地震で大きな損傷を受けただろう、と指摘。いま作業にあたっている作業員は命の切り売りどころか、なげうっている状況だ、こんななかで私も語っていかなくてはならない、と決意した、と述べました。

環境カウンセラー・市民共同発電所をつくる会の由田昭治さんは、現在の発電所の熱の半分以上が温排水などで捨てられている事実を指摘し、省エネルギー・排熱利用を提起しました。そしてみずから取り組んでいる市民共同発電所の取り組みや温水器にふれ、太陽熱利用は経済的にも成り立つ、と強調しました。

私は、先に開催された永平寺主催の原発シンポで福島県飯舘村の酪農家が「私の話を飯舘の話としてだけではなく、若狭の話として聞いてほしい」と訴えられたことを紹介し、「福島原発事故は福井県民への警告。原発を選ばない生き方を」と強調しました。

そして、具体的に、福井県や県議会の動向、この間の県議会論戦、政府交渉で明らかになったこと、などを紹介しました。最後に、大いに学習会を開催し、署名を広げること、そして政治を変えよう、とよびかけました。

質疑応答では、「廃炉まで考えると数十年先となるが、その仕事を担う若い人を運動に参加してもらうには」「学校現場で原発現場で働いてきた人の話を聞いてもらいたい」「福井で事故がおこった場合、数十万人もの避難が可能か」「UPZは30キロでいいのか」などなど相次いで質問や意見がだされ、活発な討論がおこなわれました。

終了予定時間を大幅にすぎましたが、ほとんどの方が最後まで熱心に参加していただきました。ありがとうございました。

学習と運動の輪を広げていきましょう。

以下、私のレジュメを参考につけておきます。

     ★

原発問題シンポ         福井県議   さとう正雄


一、福島原発事故は福井県民への警告である
・・・永平寺が開催した原発シンポでの飯舘村の酪農家・長谷川健一さんの発言。「私の話を飯館の話としてだけではなく、若狭の話として聞いてほしい」とよびかけられましたが、県民すべてが受けとめなくてはならない警告だと痛感しました。
  そして「お願いがふたつあります」として、「今後こどもたちのことが心配です。将来、差別されないか心配です」「このことを絶対に風化させないでください」とよびかけられました。
 「原発事故」の悲惨さを思うと、原発を選ばない生き方、を国民が選択する時だと痛感します。


二、福井県はどういう動きとなっているか

●読売インタビューでの西川知事発言・・・・事故発生直後からずっと福島の事故を教訓に安全基準を作るべきだと指摘している。無理難題を言っているわけではなく、立地地域の反対で再稼働できないわけでもない。国が最小限わかっていることを明らかにして原発の安全性をチェックする。早く合理的な判断をする環境を整えるのは国の責任だ。早く保安院で検討すればいいと思う。

(再稼働の時期は)できるだけ早く判断したいと思う。われわれは反対している訳ではない。国が応えていないから物事が進まない。

(エネルギー政策について、どう思うか)  原子力は基幹電源としての位置づけが必要。エネルギー政策の方向性は再稼働の判断に必要と思う。すぐに示すべき時期でしょう。

●来年3月にアジア12カ国の原子力の研究開発を推進する機関のトップ会合であるFNCAコーディネーター会合を福井で計画。18日の内閣府との交渉で担当者は「福井県の要望で福井での開催を決めた」と答弁。


三、福井県議会の動向は



四、県議会論戦を通して

●福井県への匿名寄付問題を9月議会でとりあげた。

朝日・・・・原発地元に匿名寄付500億円 福井、大半は電力業界か
福井県と県内立地4市町に、匿名を希望する大口寄付が2010年度までに少なくとも計502億円寄せられていた・・。約3割の150億円は、同県内に原発をもつ関西電力など電力事業者からと特定できた。
 自治体関係者は「電力事業者以外に大口寄付はほぼない」と語っており、残りも電力業界からの可能性がある。福井県と原発近くの県内市町には1974~2009年度に、電気利用者が払う電気料金を原資とした「電源三法交付金」が国を通して計3245億円交付されているが、ほかにも巨額の金が利用者に見えない形で地元に入っていた。
 判明した匿名寄付は、福井県・計197億5千万円(92~10年度)▽敦賀市・計133億1千万円(69~10年度)▽おおい町・計102億4千万円(81~10年度)▽高浜町・計13億4千万円(80~10年度)▽美浜町・計55億3千万円(91~10年度)。千万円以上を計上し、電力事業者からと判明した匿名寄付は小口分も含めた。 ・・・・・・

●西川知事の政治資金問題を9月議会でとりあげた。

●9月議会反対討論

日本国民にとって戦後最大の悲劇といってもよい福島原発事故から1周年で開催すべきは、原子力推進の会合ではなく、事故の教訓をふまえたものにすべきであります。
 また、日本はベトナムなどに原発を輸出する計画です。9月には日本とベトナム間の事務レベル会議が再開され、実現可能性調査や資金、人材育成などの協議がおこなわれました。・・・・
 巨大地震と津波のもとで安全を確保できなかった日本の原発技術を世界に拡散することなど到底許されることではありません。原発事故の収束もしておらず、危険な原発を輸出することは国際的な信用を失うだけであります。
 福井県としてこのような原発輸出をたくらむ政府の戦略に加担すべきではありません。


五、22日の経済産業省、文部科学省との政府交渉を通して

・国側は、「再稼働はストレステスト評価をおこなう。国民の理解・信頼得られているか、を政治レベルで判断する」などと答えました。わたしは保安院や安全委員会が判断することに県民理解は得られない、と批判しました。国側は「膿を出しつくしながら、信頼得られるようにやっていく」などと答えました。

・ヨウ素剤の重複配備について、「国としては言いづらい。県の判断でやってほしい」と回答。私は、「国の責任で見直すべきだ」と批判。国側は「もちかえって検討させていただく」と約束しました。

・放射能測定については、「現在、EPZ内には交付金で低線量、高線量のモニタリングをおこなっている。UPZで30キロとなれば、この範囲には対応していく」などと答えました。私がプルトニュウム測定を質問したのに対し、「それは検討課題です」と答えました。
SPEEDIについては、「広域で92キロ四方の計算をしている。来年度予算で計算領域の広域化を検討している」と述べました。わたしは「積極的な活用をすすめていただきたい」と要望しました。


六、最後に

・福井商工会議所との懇談・・・原発問題では、原発は必要、としつつも「核廃棄物の課題が解決されていない。人間が廃棄物を1万年も管理する仕組みは現実的ではない」と。
まったくその通りで、「トイレなきマンション」と言われて久しいわけですが、この状況のまま、原発をつくりつづけることはやめなくてはなりません。

・みなさんの足元で原発問題を語るつどいを開催してほしい。そして、原発をなくす署名運動を広げてください。
来年3月11日には敦賀市民のみなさんをはじめ、なくそう原発集会を敦賀市で計画している。県内各地からこぞって参加し成功させよう。敦賀市長は、世界最大級の巨大原発2基の増設計画をすすめようとしている。やめさせよう。

・もうひとつは政治。
この間の小浜市議会や越前市議会の意見書。坂井市長や勝山市長の発言。

いっぽう福井市長は・・・・。12月18日福井市長選挙。


七、参考・・・・現在の国の動き

1、東北地方の大震災による福島、女川、東海原発への影響評価

・「地震・津波の解析結果の評価に関する意見聴取会」9月30日から審議開始。年内に結論予定。・・・・解析・評価。津波対策の妥当性。地震が設計値を上回ったことの分析。など

・「建築物・構造に関する意見聴取会」 9月29日から審議開始。年内に結論予定。・・・地震が建物、設備、機器等へ与えた影響。津波による建物、設備、機器等への影響評価。など

2、事故の教訓をもとにした技術基準の見直し

「福島第一原子力発電所事故の技術的知見に関する意見聴取会」 10月24日から審議開始。年度内に取りまとめ予定・・・・事故の発生・進展について現時点までに判明している事実関係、経緯を再整理し、それらを基に技術的課題を体系的にまとめ、これまでの対策の有効性の評価、施設・資機材等に係る見直しの方向性をしめす。
事故シーケンスの各段階における重要機器の動作状況及び事故対応資機材の不足・不具合を整理。

3、原子力防災指針の見直し

・「原子力施設等の防災対策について」(防災指針)。現在、「防災対策を重点的にするべき範囲」EPZ8~10キロなどを定めている。11月1日、EPZ見直しの考え方が取りまとめられた。PAZの住民避難の判断基準、オフサイトセンターの機能要件等について検討予定。

・「防災指針検討WG決定」(11月1日)

① 予防的防護措置を準備する区域 PAZ  ただちに避難。おおむね5キロ

② 緊急時防護措置を準備する区域   屋内退避、安定ヨウ素剤の予防服用。おおむね30キロ

③ プルーム通過時の被曝を避けるための防護措置 (今後さらに検討)   福島事故を参考にして検討。

4、原子力安全規制に関する組織の見直し

組織改革の基本方針 8月15日閣議決定