みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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『図書館戦争』

2010年09月15日 | 本・マンガ
有川浩/著

 私が有川さんの名前を初めて知ったのがこの『図書館戦争』。ずっと気になったいたのだけれど、文庫化待ちしようかなと思っていて・・・でも『レインツリーの国』の感想にも書きましたが、この巻末解説を読んでから、「図書館戦争」シリーズを以前よりも強く読みたいと思っていたところ、たまたま近所のブッ●オ●で見つけたので、早速古本を購入して読みました。

一、図書館は資料収集の自由を有する。
二、図書館は資料提供の自由を有する。
三、図書館は利用者の秘密を守る。
四、図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。


 この物語のアイディアとなった、有川さんのご主人が見つけたという上記の「図書館の自由に関する宣言」は私も何年か前に地元の図書館のロビーで見つけて、有川さん同様に「ずいぶん勇ましい内容だ(笑)」と思ったものです(笑)このアイディアにプラス自衛隊じゃないけどそんなテイストが加わった感じかなと。

 公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された現代。メディア良化委員会に狩られる本と言論の自由を守るために図書館は防衛組織である図書隊を結成する!という設定や題名からしてベタ甘描写はあるにしても、もうちょっと硬派なものを想像していたのですが(笑)、今まで読んだ有川作品の中で一番マンガちっく!と思ってしまいました(笑)(まあ、アニメ化やコミック化されていますしね。)
 ちょっとイラッとしてしまう部分もあるけどまっすぐな主人公の郁。郁が高校生の時、発売を待ちわびていた本を手に入れたのに不適切な描写があるからと狩られそうになったところを助けてくれた王子様を追いかけて図書隊に入り、女性ながら持ち前の身体能力を生かして防衛部に配属される。その王子様は実は・・というのが、ベタでしたが(笑)
 その狩られそうになった児童書がなぜ検閲対象になったかというと「こじきのおじいさん」という一文があったから。もちろん差別的にどうのという文章ではなく、何かを貶めるわけでもない優しい物語なのに・・・。実際には小説の中のようなこういう法律はないわけですが、人種差別を理由に長い間発売されなかった(最近また見かけるようになったかな?)某絵本のことを思い出したりしました。そしてそんな狩られた本たちを所蔵して、守るのが図書館というお話。そんなちょっとだけありえそうだけど、ありえないだろという設定ではあるものの、現実的にある問題に問いかけもしつつ楽しめる作品でしょうか。けど正直言ってこれよりも自衛隊もの方が好き(笑)でも続きは読んでいくつもりです。
 

 実は私、学生時代に図書館でバイトをしたことがあります。表側の業務ではなくて、書架整理ですけどね。分厚い専門書の持ち運び腕が鍛えられました!!!