Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

「全裸の少女」

2012-12-17 19:21:12 | 小説
 また一段と寒さの厳しい冬のある夜、廃れた商店街の片隅に少女は立っていた。

 彼女は全裸だった。洋服を買うお金がないのか、それとも単なる若き変態なのか、真相を知る者はいなかったが、今年の春以降、日没後にこの場所を訪れれば少女と会えぬ日はなかった。警察官も不思議と少女の存在は黙認するばかりだった。
 彼女の前で立ち止まったり体に触れたりしてはいけない、というのが街の人間の間では暗黙の了解となっていた。通りすがる際に横目でちらりと少女を眺め、帰宅後その膨らみかけの胸をオカズとする者はいたが、その先に踏み込まんとする者は誰ひとりとしていなかった。

 しかし、ある日、そんな掟もついに破られることとなった。隣町からやって来た20代の男3人組が彼女を取り囲み、レイプしはじめたのである。
 その中のひとりは小さな胸を鷲づかみにし、もうひとりは毛の生えかかった局部に人差し指と中指を出し入れし、さらに残りのひとりはフェラチオを強要した。彼女は従順に要求をこなし、表情を変えることもなかった。

 30分後、3人分の欲望を膣に受けた彼女は、寂しさと侘しさの風が吹きすさぶ街並みに立ち尽くしていた。それは一見いつもと変わらぬ風景であったが、ただひとつ決定的に違っていたのは、瞳からこぼれくる大粒の涙だった。

 明くる日の商店街。その片隅には全裸の老婆が立っていた。


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