Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

憧れの東京シティ

2016-08-31 01:27:15 | Weblog
 上手く行かないことばかりの人生じゃ涙も向日葵も枯れ果てて。笑っちゃうぜ、嫌になっちゃうぜ。自分のことさえ信じられない人生じゃ。

 糸の切れた凧は自由の尊さと孤独の哀しみを知った。せわしく流れる街に戸惑いながら、俺は今どこに向かうのか。きっと想った未来を手にしたはずなのに、なぜに今日はこんなにも切なくて。独りの部屋で聞く花火のように、日々はどこまでも虚しさばかりがこだまする。

 所変われど俺が俺であることに何の変化があるというのか。都会に塗れるうち躊躇なく吊革を掴めるようにはなったけれど、東横線の窓に映る君はバルコニーに住むあの日の君のままだから。君はいつだって無垢で無様な君のまま、後ろ指を指され生きてゆくだけだから。

 行き交う雑踏の中にあなたの姿を見た気がしてふと歩みを止める。この街にいることなどないと知っているはずなのに。零れゆく風に孤独の今を悟りながら、揺れる面影がざわつく胸をかすめて消える。浮かんでは堕ちる月のように、人の夢は移り気なるがままに過ぎてゆく。

 眠れない街で星はいずこに消えたのか。そんなことを想いつつ、シケモクを朝食代わりに吸い込めば、振り返る故郷はまたひとつ遠ざかり、彼方にてそっと富士が頬を染めた。