算数の授業中。教科書を忘れた僕は隣の席のあなたに見せてもらうことになりました。
その日は9月21日だったから出席番号21番の僕が先生に指されて、でも僕は答えれなくて、するとあなたは小声で答えを教えてくれました。
そんな優しくて勉強のできるあなたを僕は好きになってしまったのです。
いつもは長く感じる45分があっという間に過ぎて、本当はお礼を言いたかったのに、僕はそのまま休み時間の中へと逃げ込んでしまいました。
「放課後お礼を言おう」と掃除の時間にまでは思っていたのに、5時間目の国語がそんな思いをかき消してくれてしまいました。
でも僕は本当はすごく嬉しかったのです。嬉しかったから「ありがとう」が言えなかったのです。
僕は小数の分からない僕のままで、またいつか教科書を忘れてみようと思うのです。
その日は9月21日だったから出席番号21番の僕が先生に指されて、でも僕は答えれなくて、するとあなたは小声で答えを教えてくれました。
そんな優しくて勉強のできるあなたを僕は好きになってしまったのです。
いつもは長く感じる45分があっという間に過ぎて、本当はお礼を言いたかったのに、僕はそのまま休み時間の中へと逃げ込んでしまいました。
「放課後お礼を言おう」と掃除の時間にまでは思っていたのに、5時間目の国語がそんな思いをかき消してくれてしまいました。
でも僕は本当はすごく嬉しかったのです。嬉しかったから「ありがとう」が言えなかったのです。
僕は小数の分からない僕のままで、またいつか教科書を忘れてみようと思うのです。