低調な日本ダービー

　一部では過去最高のメンバーと嘔われている今年のダービーだけど、そんなにレベル高いか？　ただ単に有力馬の路線が散ったということじゃないの？　それで直接対決がない組み合わせが多いってだけだろ？　騙されてんじゃねーよ。

　と、出だしから厳しいことを書くのは、ペルーサのローテーションに強い憤りを覚えるから。だって、この馬、トライアルを勝ったのに皐月賞をスキップしたんだぜ。故障やアクシデントがあったわけでもなく。どう考えてもおかしいじゃないか。

　恐らく、藤沢調教師は中山競馬場を嫌ったんだと思う。思うけど、そもそも中山より東京の方が紛れのないコースという発想自体が愚かで。最近はとにかく馬場に手を加えるから、府中でもインベタの先行馬しか勝負にならぬことがしばしばある。馬券と真剣に向き合う人なら誰も知っているはずだよ。

　仮に東京の方がフラットだとしたところで、それなら中山を避けていいの？という疑問は残る。楽天の岩隈は、近鉄時代、意図的に（当時は強かった）ホークスを外してローテーションを回っていた。そしたら、ある年、２段フォーム禁止令が発令され、何年も棒に振るはめになって。これはきっと甘い環境に安住したことへの罰だ…というのはこじつけですか。でも、トリッキーなコースを嫌う風潮は、あの頃のチキンな岩隈と一緒だとオレは思うよ。

　以上を踏まえまして、本命はペルーサ（笑）。だって、この馬、強いじゃん。青葉賞のVTRを何度も見返して感じたのは、レース振りがすごく大人だよね。あとで書くけど、オレはヴィクトワールピサを全く信用してないんで、２強ならこちらかなぁと。だからこそ皐月賞に…ってしつこいよ（笑）。

　相手筆頭はローズキングダム。今回は後藤浩輝に乗り替わるけど、確か同じパターンで近親のロサードもオールカマーを勝ったよね。乗り難しい馬が多い一族だけに、癖を知っている鞍上は魅力だ。

　そして、連下はヒルノダムールとレーヴドリアン。ヴィクトワールは小器用なタイプなので、東京替わりは相対的に不利だろう。ネオユニヴァース産駒全体を見ても中山の成績の方がいいしね。岩田じゃなくて武豊ならもっと自信を持って消せた（笑）。

★参考
東京【11-20-10-133】
中山【20-17-13-121】

　ブログに予想を書くと当たらないジンクスから、そろそろ解放されたい……。

中折れジャパン

　こないだのサッカー日韓戦は途中まで観ていたけど、韓国強いな～。つーか、日本弱いな～。あれで相手は１軍半のメンバーだってんだから、もうＷ杯は出場辞退した方がいいんじゃないか（笑）。

　でも、真面目な話、日本と韓国のレベルってどうなん？　大学の頃、サッカー好きの友達に聞いたら、日本の方が若干上だと言っていた気がするけど。あんなゲームを観せられたら、とても信じられないぞ。

　やっぱり韓国人は日本と戦うと120％の力が出るのかね。野球でもそうでしょ。国際試合ではやけに怖いスンちゃんも巨人では安牌だし、ソフトバンクのイ・ボムホもWBCでの活躍とは裏腹に全く打ちやしない。松田の故障や松中の不調で、彼に風は吹いてるはずなのに。

　要するに、向こうの国は、日韓戦になると「心のドーピング」をキメてくるわけだよね。その落差たるや、ランチさんの豹変ぶりをも凌駕する（笑）。そもそも韓国人野手が日本で通用したのって2006年のスンヨプくらいだしなぁ。

　もっともサッカーに関してはそういう次元の話じゃないのかも。パク・チソンなんて普通に中田英寿よりいい選手ぽく映るもんな。ポジションとか全然分からないけど（笑）。

　素人考えながらにオレが思うのは、日本のサッカーはゴール前でものんびりパスを回すがゆえ肝心の決定力に欠ける気がする。前戯は上手いけど中折れしちゃう、みたいな（笑）。そして、それは和を尊ぶ日本人の負の側面が色濃く出ているんじゃないかと。

　てなわけで、敵は多いだろうが、本田君、オレは応援してるよ。人間の言葉には裏と表の意味があるのだから、額面どおり受け取って批判することには何の意味もないはずだ。

恨めしき雨

　月曜に平塚球場で横浜vsソフトバンクがあるんだけど、オレ、それを現地観戦するつもりだったのね。１ヶ月くらい前からスケジュールも調整して、さぁいよいよだ！と気合いを入れていたら、おいおい、よりによって雨かよ！

　チケットは払い戻せるからいいとして、ホークスの選手たちを目の前で見たかったよなぁ。ローテの順番から先発は恐らく小椋で、オレの好きな投手だって喜んでいたのに。完投能力は微妙なので、SBMの揃い踏みも期待できたのに。レプリカユニとか買い占めようと思っていたのに。村田修一を「動けデブ」と野次る気満々だったのに……。

　交流戦が終わると、ホークスの試合を観られるのは、うちからだと幕張と所沢くらい。弟を誘って西武ドームへ行くのも手だけど、あそこの球場、これからの季節は灼熱地獄らしいでしょ。ドームなのにドームじゃないから、冬（というか春先）は寒く、夏は暑い。とても野球に集中できそうにない（笑）。

　そもそもあいつが野球を観たがるかも怪しいな。昔、よく一緒にパワプロで遊んだりはしたけど、あんまりスポーツの話とかしないし。そういやWBCもオレほどイレ込んでなかった。ライオンズよりはレッズというイメージで、野球に興味があるにしても普通に巨人ファンって感じ。

　ていうか、どうせ暇なんだから、ひとりでヤフードームに行けばいいんだな。みんなで「玄海灘の潮風に～」って応援歌を歌いたいし、黄色いジェット風船も飛ばしたい。勝利の花火も見たいし、あわよくば川崎選手の「チェストー！」も聞きたいもの。

　そのためには福岡までの旅費も稼がにゃ…というわけで、オークスはアプリコットフィズとショウリュウムーンの馬連を本線に、大穴でプリンセスメモリー。同じフォーティナイナー系のスイープトウショウのように、内からちょろっと差してくれれば。

ショット癌マリッジ～episode3 給料～

　１階の売店でスポーツ新聞を買う。

「ＳＢ田上、遂に亀にも盗塁を許す」
「Ｇ坂本と山本モナに熱愛発覚!?」
「宮城県警、殺人未遂の容疑で野村沙知代を事情聴取！　今日中にも逮捕へ」

　どれもオレには関わりのない記事ばかりだ。３流の記者が書く与太話に飛びつくのは、いつも永遠の明日を信じる愚か者たち。死の一切を知らないままに、目先のニュースに一喜一憂する。何だそりゃ。
　記者って高給取りのイメージだけど、実際はどうなんだろう。取材の苦労はあるにせよ、彼らは具体的な何かを生み出してはいないからね。ボロい商売だよなぁ。
　それに引き換え、看護婦さんは実に不遇な職業だ。点滴の注射ひとつ取ってもすごく神経を使うはずだし、汚い仕事も日常的にこなす。さらには患者の性欲処理も…というのはAVの観すぎですか。

　記者や看護婦がその好例だけど、職業ごとの給料って結構矛盾がある気がする。
　例えば、自衛隊員や警察官や消防士なんて幾ら貰ってもオレにはできないよ。だって、いざとなったら自分の命を懸けて他人を救うんだぜ？　自衛隊以外は恐らく普通の会社員と似たり寄ったりなんだろうが、給与明細にあと０がふたつくらいは必要なはずだ。

　すると「財源はどうする？」って話になるけど、それこそ医療費なんて真っ先に削れるんじゃないか。
　余命半年の患者に手術をする意味って何なんだろう。成功すれば…と周りが言ったところで、助かりっこないのは自分が一番分かってる。
　だから、理想的なのは、医療ミスで死んじゃうパターンだね。そしたら家族に慰謝料を残せるじゃない。両親もきっとそれを望んでいるさ。

　もうすぐヴィクトリアマイルの発走。ドバイですら勝てない馬を買う趣味はないので、コロンバスサークルの複勝で勝負だ。

ショット癌マリッジ～episode2 隣人～

　オレの病室は４人部屋。入院当初は自分以外全員が婆さんだったのが、そのうちのひとりがいつの間にか死んで。隣に同世代の女の子が引っ越してきた。顔は美形で、酒井法子と沢尻エリカを足して２で割った感じ。
　最初は挨拶もしてくれなくて、何だよって思った。話掛けても無視で、代わりに夜はベッドの軋む音だけが響いてる。
　これ、誰も直感的にオナニーを疑う場面でしょ。そしたら当然覗かざるを得ないんだけど、間仕切りのカーテンをそっと開けると、背中を気にしながら寝返り打っている。なるほど、床擦れ防止に動いていたのね。目が合うと、ふと我に帰ったように、ベッドにちょこんと座った。

「何で覗いたの？」
「え、いやその…エッチなことをしてるんじゃないかと……」
「サイテー。大体、余命幾許もない状況でも性欲って失せないの？」
「オレの病状を知ってるの？」
「知ってる。みんな知ってるよ。『人生尾張Ｓ』では１倍台の大本命だよ」
「わしはディープインパクトか。501号室に意識不明のジジイがいるから、アレの方が先だろう」
「あの人の家は金持ちだから、長い間延命するはずなの。それより質問に答えて」
「えっと、多分ね、女性の裸への希求と性欲って関係がないんじゃないかなぁ。例えば、そんなにお腹が減っていない時でも霜降りの肉を見たら『おいしそう』と思うでしょ？」
「まぁね」
「これは要するに、性欲や食欲がある程度理性的な部分なのに対して、裸や肉を見て起こる感情の方がより本能的なんだと思う」
　こちらが話し終えると、彼女はなぜかニコリと笑い、バイバイの仕種をしながらカーテンを閉めた。

　やばい、何だろう、この感じ。オバサン看護婦のお尻しか見てない僕には刺激が強すぎたのか。ふわふわふわふわ、自分が自分でないようで、こんな様子、英語では「become jelly（ゼリーになる）」と言うって高校の授業で習ったっけ。森永のコーヒーゼリーは寒天のように固いけれど。
　気持ちを抑えるべく、深く深く息を吸う。癌細胞に蝕まれた肺がそっと喜んだ気がした……。

田上捕手

　昨日の中日ドラゴンズvs福岡ソフトバンクホークスは非常にインタレストなゲームだった。

　試合前は全然知らなかったんだけど、今年のドラゴンズはここまで７個しか盗塁を決めてなかったらしいのね。開幕から１ヶ月以上経ってることを思えば、かなり少ない数字と言えるだろう。

　そんな球団がソフトバンクに対しては１試合５盗塁！　理由はもうはっきりしている。１軍に昇格したばかりの田上捕手だ。

　顕著だったのは、７回に荒木が初球から２盗を決めた場面ね。タイミングは完全にアウトなのが、ワンバウンドの送球ゆえ、結果としてセーフになってしまう。あそこまで弱々しいスローだと、投手のクイックも関係ないだろうな。それくらい酷かった。

　そもそも田上なんて捕手としては５流くらいだよね。去年、岩嵜という若いあんちゃんが投げたゲームで、相手の３塁走者が飛び出しちゃって。そしたら当然アウトになると思うんだけど、彼がサードに変な球を投げて、ランナーをホームに返すということがあった。

　特に若手と組む試合は、キャッチャーって絶対にミスをしちゃいけないと思うんだよね。何しろ投手はマウンドで不安なわけよ。喩えるなら、童貞相手にセックスするようなもんでさ。「ここに挿入れるのよ」って、相手に恥をかかさないように優しくリードしてやらきゃならない。

　なのに、田上は自分自身がパニック状態なんだから。チェリーとヴァージンがヤッてるみたいなもので、まずは穴が見つからないし、気持ち良いかどうかさえ分からない。やっと終わったかと思えば、ゴムが女の子のマンピーに取り残されちゃう（笑）。

　それじゃあ育つ投手も育たないってもんよ。特にホークスは、大場とか大隣とか、素質はあるのにハートの弱そうなピッチャーが多いでしょ。あいつら、城島や阿部や谷繁あたりに受けてもらえば化けるんじゃないかなぁ。あのレベルになると、さながら熟練のテクを持つ風俗嬢だから、安心して投げられる（笑）。

　あとはホークスの弱点と言えば左のリリーフだけど、オレは小椋を使うべきだと思うんだよね。確かに先発で一定の結果を残していても、あの球威は短いイニングでこそ生きるはず。今はスターターだけが偉いっていう時代じゃないんだから、秋山さん、一度試してくんねぇかなぁ。

ショット癌マリッジ～episode1 さくら～

　親父の運転で癌センターに向かう。本当は10分くらいの距離なんだけど、桜の綺麗な道を選んでくれと頼んだからね。小１時間前に家を出ることにした。
　桜を見たかったのは、今年が最後だから…なんて理由じゃなければ、散りゆく花たちに己を投影するためでもない。オレはそんなにセンチじゃないよ。
　単純に、今の自分に桜がどう映るかに興味があって。というのも、オレ、生まれてれてから、日本を象徴するこの花を美しいと思ったことがないんだ。
　そればかりじゃない。ドラマにありがちな恋人と別れて号泣するシーンも意味不明だし、学園モノなんて反吐が出る。何が「離れ離れになっても友達でいようね」だよ。所詮は赤の他人なのだから、別々の道を進み始めりゃ刹那に忘れ去られるに決まってる。誰が野垂れ死のうと関係ないはずだ。

　桜並木に包まれた河川敷の細い道。窓の外を流れる花弁を手に取ってみる。思ったより白く、まるで白粉を塗りたくったババアの化粧のよう。
「何だ、こんなもの……」
　そう呟いて花びらを外に目一杯の力で投げる。
　やっぱり自分には綺麗に感じられない。感じたくもない。たかが病気くらいで、自分の価値観が変わってたまるかってんだ。どんな状況に置かれようと、オレはオレのフィーリングで生きるまでさ。

　やがて車は「終の棲家」に到着する。昨晩、錯乱状態のままに掻きむしった腕が真っ赤に光る……。

ショット癌マリッジ～Prologue～

　かつて、オレは札付きのワルだった。その悪行は枚挙に暇がなく、コンビニの炭酸飲料をシェイクしたり、時には薬局で生理用品をクンクンしたことも……。
　18の頃にはサツの世話にもなった。原付きの２段階右折を華麗に無視すると、パトカー内できつい取り調べを受けた。他にも交通違反は茶飯事で、日本の道路標識はほとんど自分が立てていると言っても過言ではない。
　人々はオレを「社会の癌」というフレーズで表現した。

　そんな自分も通信高校を卒業すると、ついでにやんちゃも首席で卒業した。１年の浪人生活を経て大学進学も果たし、ようやく真っ当なベクトルに人生を踏み出しかけたある日、体に１匹の悪魔が棲み着いた。
　その悪魔の名は癌。回復の見込みは薄く、余命は半年との診断が下された……。

若鷹軍団

　一昨日のオリックス対ソフトバンクは今年一番の熱戦だった。

　オリックスが４－２でリードの９回表、岡田監督は守護神のレスターを投入するんだけど、彼が大乱調。先頭の多村が２塁打、続く松田と長谷川はフォアボール、柴原＆高谷を打ち取って２死まで漕ぎ着けるも、なおも満塁の大ピンチ。しかも次のバッターは好調・川崎宗則。

　オレは、よくどこのファンかって聞かれると、本当に困るんだよね。全くの無所属だから。純粋にナイスなゲームを観たいのであって、贔屓のチームは１個もない。好きな選手は各球団にいるけどね。

　でも、昨日の試合。自分でも何故だか分からないけれど、川崎にヒットを打ってほしいと思った。そして、同点打が出た瞬間は心の底から嬉しかった。普段は「左打者が続くけど継投はどうするんだろ」とか「インハイの速い球を見せたから次は外のスライダーかな」という風な観戦の仕方をするオレが、あの場面はただただ喜ぶばかり。球種も全然覚えていない。それはすごく異例のことだ。

　やっぱり毎日のようにゲームを観ていると、選手たちへの情も湧くんだな。これは野球以外にも言えることで、オレはなかなか他人に対して心を開けない分、少しでも仲良くなった人には絶対に嫌われたくない。上手くいかぬケースもしばしばなのだけど……。

　ソフトバンクの選手の知名度ってどんな感じなんだろう。代表常連の杉内や和田や川崎はいいとして、あとは多村に小久保に松中までって感じ？　あ、そうだ。今度途中加入するペタジーニも有名か。ヤクルトや巨人で活躍した大砲ね。

　でも、それ以外も個性派が揃ってるよ。石原都知事より瞬きの多い松田とか、２番なのにバントが下手な本多とか。守備で（逆の意味で）魅せるオーティズに、リリーフ登板するたび球場をざわつかせる三瀬。正統派のスターでは、セットアッパーの攝津は次回のWBCで代表入りするんじゃないかな。

　とにかく、自分が一番注目しているのがホークスで、まぁそれなりに魅力的なチームではあると思う。いずれここにオレ流の選手名鑑でも書いてみようかな（笑）。

漆黒週間

　今気付いたけど、本日をもってゴールデンウィークが終わっちまうじゃないか。例年は何らかしらのイベントがあるのに、今年は全くなし。どうしよう。あたふたあたふた。

　そうなっちゃう理由は大体分かる。ニートになるとね、なるだけ他人に会いたくなくなるんだよ。オレの境遇を知っているのはごく一部で、それ以外の奴の前では色々取り繕う必要がある。その面倒臭さを思えば、家で「けいおん」や「キルミン」を観てた方がいっかな～、みたいな。

　まぁでも本当はオレだって寂しいさ。自分のキャラを考えると普段はあんまり言えないけど、装っているほどに僕は強くない。強くないからこそに装わなくてはならない。

　ここだけの話、オレは相当に普通の人間だもの。確かに天邪鬼の面はあるけど、それも半分は意識的にやっていること。他人にはなるべく好かれたいと思ってるし、世間がGWで騒げば心もそわそわする。そんな自分が嫌だから、照れ臭いから、無理して変わり者を演ずるまでなんだ。

　もう少し自分に素直になれば楽なのになぁ…の溜め息が、暗い青空映す窓を曇らせる、そんな黄金週間最終日。