雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

この列島の恵みを受けて ・ 小さな小さな物語 ( 670 )

2015-03-16 11:26:59 | 小さな小さな物語 第十二部
御嶽山噴火により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
また、なお多くの行方不明の方があると報道されております。ご家族のご心痛はいかなるものかとお察しするにつけ、自然の営みとはいえやり切れないような悲しみと怒りを感じます。
そして、再噴火の危険や悪天候を縫って、厳しい環境下で捜索にあたっておられる方々に敬意を表します。

折から、再び台風が日本列島を襲っています。まるで、わが国を狙っているかのような台風の進路は、今回に限ったことではありませんが、自然風土のなせる技か、八百万の神々も承知の上のことなのかと、尋ねてみたいものです。
今回の噴火騒ぎで知ったことですが、世界中にある火山の7%がわが国にあるそうです。また、この100年ばかりの間に発生したマグニチュード7以上の地震のうち10%がわが国で起こっているそうです。
火山の爆発、地震、台風といった厳しい自然に加え、わが国の地盤そのものが極めて脆弱なものなのだそうです。

わが国は、領土のすべてが島である島国で、島の数は6852にも及ぶそうです。
それらをすべて含めた日本列島は、もともとはアジア大陸と一体であったものが、長い時間をかけて切り離されて行き、ほぼ現在のような形になったのは、1万2千~1万3千年ほど前のことだそうです。ジャワ原人が登場したのが170~180万年前といわれ、現代人と同じグループとされるクロマニョン人が姿を現したのでも20万年ほども昔のことになります。
いかに、日本列島が生まれたのが新しかということが分かります。
地球上を覆っているプレートは大きなものは14枚(15枚と数えられることもある)だそうですが、そのうちの4枚が衝突しあってわが列島を支えているともいえるのです。地球規模で見ても稀有な地域にあたるそうです。プレートが重なり合う所では常に巨大地震の発生が懸念され、日本列島は今もなお歪み続けているそうです。

わが国は、生成間もない列島の脆弱な地盤の上に存在しています。
常に、さまざまな自然災害に見舞われる危険性を包含された国土の上に私たちの日常があります。しかし、それ故に、類まれなる自然の恩恵も受けています。
変化に富んだ四季のもと、温泉に恵まれ、稲作文化に育まれ、広大な海の恵みも受けています。
毎年のように、自然災害に人命を失う悲しみを噛みしめなくてはならない私たちですが、自然の力を克服することなどできませんが、なんとかその怒りを鎮めつつ、この列島に生かされていることを感謝できるようにしたいものです。

( 2014.10.05 )

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