夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『小説の神様 君としか描けない物語』

2020年11月12日 | 映画(さ行)
『小説の神様 君としか描けない物語』
監督:久保茂昭
出演:佐藤大樹,橋本環奈,佐藤流司,杏花,莉子,
   坂口涼太郎,山本未來,片岡愛之助,和久井映見他
 
もう観なくてもいいやと思っていた作品なのですが、
終業後に容易に寄れる劇場で何か観たいと思ったら、『鬼滅の刃』だらけ。
ほかは鑑賞済みの作品ばかりで致し方なく。
まったく期待せずに観たおかげか、悪くなかった。
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
中学生のときに作家としてデビューした男子高校生・千谷一也(佐藤大樹)。
たいして売れない作家だった父親(片岡愛之助)を亡くした後、
病気で入院中の妹・雛子(莉子)を抱え、
働きづめの母親(和久井映見)を少しでも助けようと、書き続けている。
 
スランプに陥ってどん底の気分でいたとき、
担当編集者の河埜(山本未來)から女子高校生人気作家との共作を提案される。
家計を支えるために受け入れることにするが、
会ってみてびっくり、その作家は同級生の小余綾詩凪(橋本環奈)。
 
お互いペンネームを使っていたから正体を知らず、
しかも詩凪は転校してきてまもない。
なのに可愛くて明るくてすでに人気者の詩凪に対し、
一也は友だちも多くなく、地味なことこのうえない。
うじうじしている一也のことをドSの詩凪は罵倒しまくり。
相容れないふたりと思われたが……。
 
ふたりの恋愛ものかと思いきや、あくまで要は小説。
本への愛情がいっぱい感じられて、だからなのか、
この手の若手俳優がひしめく作品にしては珍しく、「ら抜き」がありません。
ら抜きは極力使わないようにしている私ですが、
唯一意識的に使っているのが「来られる」「来られない」のら抜き。
正しく使うと尊敬語に取られそうで、「来れる」「来れない」と言ってしまいます。
それを登場人物たちがちゃんと「来られる」と言っている。
 
一也の数少ない友人である文芸部の部長・九ノ里正樹役の佐藤流司がいい。
一也の才能を羨みながらも全力で応援する姿勢に胸を打たれます。
 
小説の力って凄いのです。私は本を読むことをやめられない。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『オン・ザ・ロック』 | トップ | 『フライト・キャプテン 高度... »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事