『82年生まれ、キム・ジヨン』(英題:Kim Ji-young: Born)
監督:キム・ドヨン
出演:チョン・ユミ,コン・ユ,キム・ミギョン,コン・ミンチョン,
キム・ソンチョル,イ・オル,イ・ボンリョン他
絶対観たかった作品です。梅田ブルク7にて。
原作は1年ちょっと前に既読、レビューはこちら。
結婚を機に仕事を辞めたキム・ジヨン、1982年生まれ。
夫デヒョンと可愛い娘に囲まれ、育児と家事に追われる日々だったが、
ある日、理不尽なことばかり言う義理の家族を前にして、
実母が憑依したかのようなことをジヨンは口走る。
その後も誰かが憑依したとしか思えない言葉を発することがあり、
しかもそのことをジヨン自身はまったく覚えていない様子。
心配したデヒョンは、まずは精神科にひとりで行って相談するのだが……。
「キム」は韓国に非常に多い姓のひとつ。
そして「ジヨン」は1982年頃に生まれた女性に最も多い名だそうです。
精神科医の無意識の内の最後のひと言が薄気味悪くて、酷く読後感が悪かった。
女が生きづらいのはこの先も変わらないであろうことが示唆されていました。
映画版はまず精神科医が女性である点が大きく違う。
原作では夫以外の男性には名前すら与えられていませんでしたが、
映画版ではどの人もちゃんと名前で呼ばれています。
ま、夫役がコン・ユである時点で原作とは違うエンディングが予想できます。
だって彼がそんな嫌な人の役を演じるわけもない(笑)。
原作を読んで暗澹たる気持ちに沈んだ人には特に鑑賞をお勧めします。
女性が観れば、夫実家でのシーンなどでは、「あるあるある!」と言いたくなることでしょう。
クスッと笑ってしまうシーンもいっぱいあります。
ジヨンの家族や同僚がとてもいい味。
姉貴の好きなものを知らないことに気づいた弟が、父親に尋ねたら父親の言ったことが間違いで(笑)。
そのときの弟の台詞もよかったなぁ。
今の韓国は、そして日本も、原作のほうに近いのか。
それとも映画版のように明るい未来を期待してもよいのか。