『アルプススタンドのはしの方』
監督:城定秀夫
出演:小野莉奈,平井亜門,西本まりん,中村守里,
黒木ひかり,平井珠生,山川琉華,目次立樹他
何気なくイオンシネマ茨木の上映スケジュールを眺めていたら、
なんだこれ、全然知らない映画が公開されているではありませんか。
野球好きとしてはこんなタイトルの作品をスルーなんてできません。
仕事が終わるのは17:15、17:35からの上映に間に合うか。
毎度のこんな無謀なスケジュール組み。今回も間に合いました。(^O^)
それを城定秀夫監督が映画化。
宣伝も聞いたことがないし、客おらんのではと思ったけれど、
意外にぽつぽつ入っています。
高校野球、夏の甲子園1回戦のアルプススタンド。
演劇部の安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)は、
野球になどまったく興味がなく、ルールも全然知らない。
自分たちが通う高校が出場するからと応援を強制されただけ。
ほとんど最上段に座って遠巻きに観戦。
そこへ藤野富士夫(平井亜門)が現れる。
やたら野球に詳しい藤野に、そういえば彼は野球部だったなと思ったら、
野球部はもう辞めてしまったのだと言う。
そんな3人の後方、座りもせずに観戦しているのは、
ついこの間までずっと成績学年トップだった宮下恵(中村守里)。
彼女に替わって成績トップに立ったのは、
智香は野球部のエースで4番の選手とつきあっているらしく……。
野球のシーンはいっさい無し。
応援団の演奏やアナウンス、声援や拍手喝采、ボールを打つ音が聞こえるだけ。
スタンドにいる観客しか映りません。その構成が非常に面白い。
あれ誰だっけ、ほらほら、誰それさんだよ、あ〜そっか、
誰と誰がつきあってるんだよね〜とか、
野球とは関係ないそんな会話が大半を占めつつ進行。
思春期らしい悩みなんかもそれぞれ抱えているのがわかります。
野球を全然知らないふたりの会話がワラける。
捕球されたのに走って点が入ったってどーゆーこと!?みたいな感じで。
私の後方の席のおじさん客はウケまくっていました。
私はそこまでは笑えなかったけど、爽やかな小品です。
ちなみに、ロケ地は甲子園ではありません。
甲子園ということになっているけれど、どう見てもちゃうやろ。
そこも甲子園に通う者としては楽しいところ。
人生は空振り三振の連続か、はたまた送りバントか。