夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アルプススタンドのはしの方』

2020年07月30日 | 映画(あ行)
『アルプススタンドのはしの方』
監督:城定秀夫
出演:小野莉奈,平井亜門,西本まりん,中村守里,
   黒木ひかり,平井珠生,山川琉華,目次立樹他
 
何気なくイオンシネマ茨木の上映スケジュールを眺めていたら、
なんだこれ、全然知らない映画が公開されているではありませんか。
野球好きとしてはこんなタイトルの作品をスルーなんてできません。
仕事が終わるのは17:15、17:35からの上映に間に合うか。
毎度のこんな無謀なスケジュール組み。今回も間に合いました。(^O^)
 
原作は第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた戯曲
それを城定秀夫監督が映画化。
宣伝も聞いたことがないし、客おらんのではと思ったけれど、
意外にぽつぽつ入っています。
 
高校野球、夏の甲子園1回戦のアルプススタンド。
演劇部の安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)は、
野球になどまったく興味がなく、ルールも全然知らない。
自分たちが通う高校が出場するからと応援を強制されただけ。
ほとんど最上段に座って遠巻きに観戦。
 
そこへ藤野富士夫(平井亜門)が現れる。
やたら野球に詳しい藤野に、そういえば彼は野球部だったなと思ったら、
野球部はもう辞めてしまったのだと言う。
 
そんな3人の後方、座りもせずに観戦しているのは、
ついこの間までずっと成績学年トップだった宮下恵(中村守里)。
彼女に替わって成績トップに立ったのは、
吹奏楽部トランペットを吹く久住智香(黒木ひかり)。
智香は野球部のエースで4番の選手とつきあっているらしく……。
 
野球のシーンはいっさい無し。
応援団の演奏やアナウンス、声援や拍手喝采、ボールを打つ音が聞こえるだけ。
スタンドにいる観客しか映りません。その構成が非常に面白い。
 
あれ誰だっけ、ほらほら、誰それさんだよ、あ〜そっか、
誰と誰がつきあってるんだよね〜とか、
野球とは関係ないそんな会話が大半を占めつつ進行。
思春期らしい悩みなんかもそれぞれ抱えているのがわかります。
 
野球を全然知らないふたりの会話がワラける。
捕球されたのに走って点が入ったってどーゆーこと!?みたいな感じで。
私の後方の席のおじさん客はウケまくっていました。
私はそこまでは笑えなかったけど、爽やかな小品です。
 
ちなみに、ロケ地は甲子園ではありません。
甲子園ということになっているけれど、どう見てもちゃうやろ。
そこも甲子園に通う者としては楽しいところ。
 
人生は空振り三振の連続か、はたまた送りバントか。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『グッド・ワイフ』 | トップ | 『ブラック アンド ブルー』 »

映画(あ行)」カテゴリの最新記事