夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『コクリコ坂から』

2011年07月26日 | 映画(か行)
『コクリコ坂から』
監督:宮崎吾朗
声の出演:長澤まさみ,岡田准一,竹下景子,石田ゆり子,風吹ジュン,
     内藤剛志,風間俊介,大森南朋,香川照之他

小学生の頃、月刊少女漫画の人気を二分していたのが『なかよし』と『りぼん』。
それぞれ1954年と1955年の創刊で、いずれもまだ続いているというのはエライ。
けれど、それより20年以上後に創刊され、当時は話題にものぼらなかった『ちゃお』が、
いまは2誌よりもずっと購買部数を伸ばしているそうで。

私はずっと『りぼん』派でした。
中学生になると『りぼん』と並行して『別冊マーガレット』を買い始め、
高校生になって『別冊マーガレット』だけに絞ったような記憶があります。

本作はご存じ、ジブリのアニメ。
宮崎駿の息子の監督デビュー作にして酷評された『ゲド戦記』(2006)から5年。
あのときは脚本も自らの手によるものでしたが、今回は1980年の漫画を映画化。
その漫画は知らんなぁと思っていたら、『なかよし』に掲載されたものでした。

アニメ化するにあたり、時代を1963年としています。

翌年に東京オリンピックをひかえた横浜。
船乗りの父親を亡くした高校生、松崎海は、
実家である下宿屋を切り盛りしている。
毎朝起きて、下宿人や弟妹たちの食事を用意し、片付けも済ませると、
お手伝いさんとバトンタッチ、急ぎ足で学校へと向かう。
彼女のお弁当は友人たちの間でもおいしそうだと羨望の的。

そのお弁当を広げる彼女の前に降ってきたのは、新聞部の部長を務める風間俊。
それは、男子文化部員が集まる老朽化した建物、
カルチェラタンの取り壊しに反対するパフォーマンスだった。

呆気にとられる海だったが、イケメンの風間の人気は沸騰。
パフォーマンスの写真まで売りに出されるほど。
妹に風間のサインをせがまれた海は、渋々カルチェラタンへ。
なりゆきで新聞のガリ切りを手伝うようになり、やがてふたりは想いを寄せ合う。
しかし、予期せぬ運命が待ち受けていて……。

1963年当時、それなりの年齢だった人は、
ノスタルジックな光景に心地よさを感じるでしょう。
が、監督は1967年生まれ。この時代に無理やり合わせに来た感があります。
ドラマティックな展開のはずが、盛り上がりに欠けたままエンディングへ。
淡泊であるほうがいい場合もありますが、
ちょっぴりその計算をし損ねたような印象を受けました。
観客におもねていると思われないようにおもねてしまった。そんな感じかなぁ。

だけど、清々しくて気持ちよかったのは確かです。
上を向いて歩こう。

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