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『エルネスト』

2017年10月13日 | 映画(あ行)
『エルネスト』
監督:阪本順治
出演:オダギリジョー,永山絢斗,フアン・ミゲル・バレロ・アコスタ,
   ロベルト・エスピノーサ・セバスコ,ルイス・マヌエル・アルバレス・チャルチャバル他

先週の土曜日、映画→落語→映画→晩ごはんというハシゴ。
TOHOシネマズ梅田で本作を観てから、日本橋の落語会場へ向かうことに。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』ほどではないけれど、
本作もシネコン向きの作品とは言えません。
オダギリジョー主演だからというよりは、阪本順治監督だからでしょう。
そういうシネコン向き作品でないときにTOHOシネマズ梅田でかかると、
必ず例のシアター4か5か6のどれか。
そうと知っている人が多いから、さほど混んではいないのに、
最後列の中央付近に客が集中していて(端っこ好きの私も含む)、ワラけます。
知らなかったとおぼしき客の中には、席を替えてほしいと劇場スタッフに訴えている人も。

キューバでは、1950年代にフィデル・カストロの主導により、革命政権が樹立。
当初はアメリカとの友好を図ったものの、1960年代に入って対立を極めていた。

そんな1962年、日系ボリビア人のフレディ前村ウルタード(オダギリジョー)は、
祖国ボリビアの貧しい人々がきちんと医療を受けられるようにと医師を目指す。
キューバの医学校に留学した途端、キューバ危機に見舞われ、
他人事だと看過できないフレディや留学生たちは、機関誌を発行。
勉学に励みつつも、自分たちにできることはないかと模索する。

1964年、ボリビアで軍事クーデターが起きたとの知らせ。
いてもたってもいられなくなったフレディは、退学してボリビアへ戻ることを決意。
キューバ政府の革命支援隊に応募し、訓練を受ける。

戦場では本名で呼び合わないというルールがある。
エルネスト・チェ・ゲバラから光栄にも「エルネスト」という呼び名を授けられたフレディは、
ボリビアでの反政府ゲリラ活動に身を投じるのだが……。

私たちになじみのある役者といえば、オダジョー以外には新聞記者役の永山絢斗のみ。
フレディ前村のような人がいたのだという事実を知るにはいいけれど、
映画として特に盛り上がるシーンがあるわけでもなく、「ふーん」。
もっとも、これに派手さを追加したら、一気に娯楽作品になってしまうでしょうから、
そうしなかった点は好感が持てるものの、やはりシネコン向きではありません。

こんな日本人がいたということで宣伝されているふしがありますが、
彼は日系人であって日本人ではない。
そしてどこの国の人間であろうが、目の前で起きていることを看過せず、
自分にできることを考えて行動に移したところを覚えておきたいと思います。

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