『サイレントナイト』(原題:Silent Night)
監督:ジョン・ウー
出演:ジョエル・キナマン,スコット・メスカディ,ハロルド・トレス,カタリーナ・サンディノ・モレノ,
ヴァレリア・サンタエラ,ヴィニー・オブライエン,他
『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』が公開されてからというもの、どの劇場もコナンだらけ。
あり得ないほどの上映回数だと思うのに、そのほとんどが満席に近いのですから驚きます。
新しく公開したってコナンのせいで上映できるスクリーンがないから、封切り作品もめっきり減る。
未見の作品はもうこれしかないよねということで、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
ジョン・ウー監督を世界的に有名にしたのは、なんといっても“男たちの挽歌”シリーズでしょう。
香港からハリウッドへと活動拠点を移し、“ミッション:インポッシブル”シリーズの第2作を監督。
そろそろ80歳だから、昔の勢いはないにせよ、まだこんなアクションものを撮る元気はおありなのですね。
電気技師のブライアンは、妻サヤと幼い息子テイラーと3人、幸せに暮らしていたある日、
自宅前を爆走するギャングの車2台が撃ち合い、流れ弾を受けたテイラーが死んでしまう。
車を追いかけてギャングらを一網打尽にしようとするも失敗。喉を撃たれる。
奇跡的に一命は取り留めたが、声を発することができなくなったブライアン。
ただただ暗い表情で酒を煽る日々を送る彼にどう接すればよいのかサヤは困惑する。
ところが、ブライアンは自身の入院中に名刺を置いていったギャング取締班の刑事に会いに行ったかと思うと、
そこに掲示されていたギャングたちの写真を見て俄然復讐心に燃える。
ブライアンの喉を撃ったギャングがリーダー・プラヤであると知り、徹底的に周囲を調べはじめると同時に、
攻撃やカードライビングのテクニックを学び、復讐に備えるのだが……。
悲劇が起こったのはクリスマスイブの日だから『サイレントナイト』なのかと思ったら、
ひと言も発しないから『サイレント』なのですね。(^^;
ジョエル・キナマン演じるブライアンはいっさいセリフなし。ほかの登場人物もしゃべらない。
全編セリフなしというのが売りらしいです。
冒頭、真っ赤なお鼻のトナカイさんが付いたセーターを着たブライアンが走る。
ってことは、息子を殺された後すぐに走り出したってことですよね。
そんなんでギャングに立ち向かえるわけがないじゃあないですか。
さらには、鍛えまくったブライアンはさぞかし強くなったろうと思うのに、
ギャングのうちスーツを着たいちばんショボそうな奴に結構な反撃を喰らいます。
えーっ、もうちょっと強くないと。
単身でギャングの巣窟に乗り込んだブライアンを追いかけて刑事デニスが臨場するけど、彼もイマイチ強くない。
ヤク中の女ヴィーナスに撃たれまくりますからね。
それに、ふたりしてそんなにヨレヨレでプラヤに勝負を臨んでも無理やろという気すらする。
そこは負けないけど、ふたりとも死ぬし。あ、ネタバレだ。(^^;
ちなみにデニス役はラッパーのキッド・カディで、俳優として仕事するときにスコット・メスカディを名乗っているんだそうな。
はい、つまらなくはないです。でも話として月並み。わざわざジョン・ウーが撮る必要なし。