独立生産者vignerons independentsのワイン市・通称”樽担ぎ”ワイン市は、ジュネーブ近郊のフランスの街アンヌマスAnnemasseでも行われる。
なぜこんなマイナーな街にワイン市があることを知ったかというと、ジュネーブに着いてまもなくヨーロッパのワイン市開催日程をまとめたサイト(ここ)を見ていてたまたま発見したのだ。
ただ、会場が狭いせいか、ブルゴーニュとジュラ地方のワイン限定である。
無料チケットが造り手から送られてきたので、昨年に続いてまた覗きに行ってみた。
受付でもらったグラスにも「ブルゴーニュとジュラ限定」と明記(クリックで拡大可能。)。もしかしてレア物?
5つの造り手のワインを試飲させてもらったが、特筆すべきは次の2つの造り手。
1.まずは、Domaine Daniel et Martine BARRAUD。
マコン近くのVergissonという村の造り手。
この村にはマコン・ピエールクロで有名なDomaine Guffens-Heynenもある。
ただ、このバローはマコンよりはプイ・フュッセPouilly-Fuisseの方によい畑を持っている。
代表的なワインには新樽20%を使用して10ヶ月間樽熟成させている。
試飲したのはすべて2008年のワイン。
○Macon Vergisson La Roche
良質のマコンを飲んだときの蜂蜜の感じがあるが酒質はそれほど厚くなく飲みやすいタイプ。
○Saint Veran
酸味が強く、ちょっと植物の茎のような青っぽさがあるが、ワインとしては悪くない。
○Pouilly-Fuisse Alliance
4つの畑の葡萄を混ぜたためにこの名前(同盟、結合)を付けたという。どの畑も一つの名前を付けてだせるほど大きな畑ではないようだ。
ちょっとおとなしい感じのワイン。
○Pouilly-Fuisse La Verchere
いきなりワインのレベルが上がる。
蜂蜜の香り。酒質が厚くて心地よい酸味。平均樹齢約40年といっていたと記憶。
○Pouilly-Fuisse Les Crays
この中で一番樽香が感じられるが嫌味のない上品な味。私の好きなタイプの味だ。
○Pouilly-Fuisse En Buland
香りはまだ閉じているが、一番酒質が厚く感じられる。ちょっと置いておいた方がよさそう。平均樹齢70年以上。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/b3/7159837b42a820564365891cbeb23926.jpg)
2.次はDomaine Marchard de Gramont。
ここはNuit-Saint-Georges村の造り手で、パリにいるときから樽担ぎワイン市で何回か購入しているところ。
今回無料チケットを送ってくれたのはこの造り手だ。
○Nuit-St-Georges Les Terrasses des Vallerots 2007
葡萄の木が8歳と若いために長熟型ではないが、畑は斜面の一番上のところ。
やはり木が若いと根が十分地中深く張らないためにどうしてもその土地(テロワール)の特徴が出にくいということだ。
とはいっても、たった8歳の木でこんな美味しいワインができるということにむしろ驚いた。
○NSG Les Vallerots 2007
26年の樹齢。
男っぽいNSGらしさ全開。タンニンの存在感があるがとろける感じ。
○NSG Les Haut-Pruliers 2008
2008年物は3ヵ月後に瓶詰めを始めるということで、手に入るのはもうしばらく後ということだが、閉じていて濃くて、それでも美味しい。
名前からも想像できるように、畑はものすごく急斜面にあり、畑作業が大変なのだそうだ。
本数もそれほど多くないようで、この味からしても、おじさんの話し振りからしても、おそらくこの造り手の持つ最高の畑だろう。
予約させてもらうがワインを引き取りに行くときにはカーブで試飲させてくれとお願いしておいた。
○Vosne-Romanee 2008
この村らしい上品なワイン。NSGの造り手が作るとなんとなく強いスタイルになるのかという感じはするが、美味しい。
今回話を聞いた3件のブルゴーニュ赤ワインの造り手のオヤジ達の話を総合すると、2007年は酸の強い年で、こなれて柔らかくなるのを待った方がいい長熟型(逆に、猛暑だった2003年はタンニンがもの凄いが酸が足りないため意外にも長熟型ではないという。)。
2008年は中くらいの平均的な年ということらしい。
いずれの年も偉大な年とはいえないようだ。
ちなみに、このワイン市が開かれるアンヌマスの街は、そこに住むフランス人の話によれば、10数年前までは汚くて治安が悪いところだったという。
しかし、現市長の前任の市長が就任して以来、街を清潔にする努力をし、治安改善にも取り組んで、だいぶ住みやすい街になったのだそうだ。
このワイン市も、そうした街のイメージ改善の一環として誘致した催しなのだろうか。
もしそうだとすると、ジュネーブにいながらにして樽担ぎワイン市が楽しめるのだから、その市長さんに感謝しなくてはいけないだろう。(M)
なぜこんなマイナーな街にワイン市があることを知ったかというと、ジュネーブに着いてまもなくヨーロッパのワイン市開催日程をまとめたサイト(ここ)を見ていてたまたま発見したのだ。
ただ、会場が狭いせいか、ブルゴーニュとジュラ地方のワイン限定である。
無料チケットが造り手から送られてきたので、昨年に続いてまた覗きに行ってみた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/97/81a70492e66a321f695a2f9de1cd4a57.jpg)
5つの造り手のワインを試飲させてもらったが、特筆すべきは次の2つの造り手。
1.まずは、Domaine Daniel et Martine BARRAUD。
マコン近くのVergissonという村の造り手。
この村にはマコン・ピエールクロで有名なDomaine Guffens-Heynenもある。
ただ、このバローはマコンよりはプイ・フュッセPouilly-Fuisseの方によい畑を持っている。
代表的なワインには新樽20%を使用して10ヶ月間樽熟成させている。
試飲したのはすべて2008年のワイン。
○Macon Vergisson La Roche
良質のマコンを飲んだときの蜂蜜の感じがあるが酒質はそれほど厚くなく飲みやすいタイプ。
○Saint Veran
酸味が強く、ちょっと植物の茎のような青っぽさがあるが、ワインとしては悪くない。
○Pouilly-Fuisse Alliance
4つの畑の葡萄を混ぜたためにこの名前(同盟、結合)を付けたという。どの畑も一つの名前を付けてだせるほど大きな畑ではないようだ。
ちょっとおとなしい感じのワイン。
○Pouilly-Fuisse La Verchere
いきなりワインのレベルが上がる。
蜂蜜の香り。酒質が厚くて心地よい酸味。平均樹齢約40年といっていたと記憶。
○Pouilly-Fuisse Les Crays
この中で一番樽香が感じられるが嫌味のない上品な味。私の好きなタイプの味だ。
○Pouilly-Fuisse En Buland
香りはまだ閉じているが、一番酒質が厚く感じられる。ちょっと置いておいた方がよさそう。平均樹齢70年以上。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/b3/7159837b42a820564365891cbeb23926.jpg)
2.次はDomaine Marchard de Gramont。
ここはNuit-Saint-Georges村の造り手で、パリにいるときから樽担ぎワイン市で何回か購入しているところ。
今回無料チケットを送ってくれたのはこの造り手だ。
○Nuit-St-Georges Les Terrasses des Vallerots 2007
葡萄の木が8歳と若いために長熟型ではないが、畑は斜面の一番上のところ。
やはり木が若いと根が十分地中深く張らないためにどうしてもその土地(テロワール)の特徴が出にくいということだ。
とはいっても、たった8歳の木でこんな美味しいワインができるということにむしろ驚いた。
○NSG Les Vallerots 2007
26年の樹齢。
男っぽいNSGらしさ全開。タンニンの存在感があるがとろける感じ。
○NSG Les Haut-Pruliers 2008
2008年物は3ヵ月後に瓶詰めを始めるということで、手に入るのはもうしばらく後ということだが、閉じていて濃くて、それでも美味しい。
名前からも想像できるように、畑はものすごく急斜面にあり、畑作業が大変なのだそうだ。
本数もそれほど多くないようで、この味からしても、おじさんの話し振りからしても、おそらくこの造り手の持つ最高の畑だろう。
予約させてもらうがワインを引き取りに行くときにはカーブで試飲させてくれとお願いしておいた。
○Vosne-Romanee 2008
この村らしい上品なワイン。NSGの造り手が作るとなんとなく強いスタイルになるのかという感じはするが、美味しい。
今回話を聞いた3件のブルゴーニュ赤ワインの造り手のオヤジ達の話を総合すると、2007年は酸の強い年で、こなれて柔らかくなるのを待った方がいい長熟型(逆に、猛暑だった2003年はタンニンがもの凄いが酸が足りないため意外にも長熟型ではないという。)。
2008年は中くらいの平均的な年ということらしい。
いずれの年も偉大な年とはいえないようだ。
ちなみに、このワイン市が開かれるアンヌマスの街は、そこに住むフランス人の話によれば、10数年前までは汚くて治安が悪いところだったという。
しかし、現市長の前任の市長が就任して以来、街を清潔にする努力をし、治安改善にも取り組んで、だいぶ住みやすい街になったのだそうだ。
このワイン市も、そうした街のイメージ改善の一環として誘致した催しなのだろうか。
もしそうだとすると、ジュネーブにいながらにして樽担ぎワイン市が楽しめるのだから、その市長さんに感謝しなくてはいけないだろう。(M)