ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

アトリエ訪問三昧 その1

2008-03-10 09:28:45 | コンゴ(M&S)
理系の学生だった頃から、美術館に行くのは好きでした。パリ在住中は美術館だらけでとても幸せな3年間。すべての美術館に足を運ぶことが出来なかったのが残念なほどだけど、ここキンシャサでそれを望むのは贅沢というもの。そのかわり、夫が現地の画家と関わりを開拓して行けるようになった、アトリエ訪問が最近の楽しみです。

夫が傾倒し、親しくなった画家ボテンベのアトリエ(ロジェ・ボテンベ氏との邂逅参照)に、今回はみんみん一家とおとなりのGさんで、行ってきました。

我が家の運転手J・ピエールに、ボテンベのアトリエへ、と言って出発。運転手歴20年の彼はキンシャサの街をよく知っていて、行き先さえ告げればたいていの所へは行ってくれるので、私はいつまでたっても道を覚えません。

いつもはあまり行かないダウンタウンの一角へ。なぜか歩いている人がみんな、たくさんのパンを抱えて(頭に乗せて)いる。



あ、ここってパン工場なんだ。なるほど、焼きたてのパンを仕入れて売りに行くのね。


たくさんの人を吐き出しているパン工場の入り口をカメラに収めていると、車はそこへ入っていくじゃないですか。

”ここはパン工場でしょ?”

と聞いたけど

”ウィ、マダム”

とJ・ピエールは言って、頭にパンを乗せた人ごみの中に乗り入れていく。パン工場を横切っちゃって、いいのかしら。

と、パンの焼きあがるいいにおいの中で車は止まり、夫が”ここだよ”というところは、外見ただの工場の事務所。入ると油絵の具のにおいで一杯だった。

ここがボテンベと彼と一緒に行動する仲間のアトリエ。室内いっぱいに描きあがった絵、描きかけの絵、絵のモチーフとなっている置物やお面などが並ぶ。
出迎えてくれたのは我が家にある赤い絵(コンゴの若き芸術家達参照)の作者ンベンバ氏(左)と、画家のカンベレ氏。

ンベンバはけっこうイイ感じの好青年、カンベレはちょっと迫力のあるおっさんといった印象。
以前はここで一緒にやっていたカンベレだが、今は別の場所にアトリエを移していて、この後行く事になっているのを早めに来て待っていてくれたらしい。

まずはンベンバの新作をいくつか見せてもらう。

なんか我が家にあるのよりだいぶ上達してる?!買うのを早まったか。


新作に名前を入れるンベンバ。


プリムス(キンシャサ・ビール事情参照)を飲む人たちの様子を描いた幅3メートルはありそうな絵の左隅に、印象的な赤い帽子の男。彼自身だそうです。
話していても若者らしい気さくな感じで、こども達にもしきりに何か話しかけてくれる。長男とはグーをつき合わせた後、上下でぺしぺし手を合わせ最後に握手をする、イマドキの若者風挨拶?をして、”俺達もう友達だよな”と、ずいぶん打ち解けた様子。そうこうしているうちに、大御所ボテンベ氏も到着した。

続く・・・