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ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

なんてったって?フランス・ワイン

2008-04-03 13:33:20 | ワイン(M氏より)
今日はフランス南西ワインMontus Pacherenc du Vic-Bilh Sec 2002。
これ、モンテュスのパシュレンク・デュ・ヴィック・ビル・セック、と発音するのだろうか。
ちょっとフランス語っぽくないが、れっきとしたフランスワインの原産地呼称(AOC)だ。

かつてお隣に住んでいたS氏がキンシャサを出る際に譲ってくれたワイン用冷蔵庫の中に、ついで(?)に置いていってくれたワイン。

とはいっても、フランス南西地方では非常に高く評価されている造り手で、あのトム・クルーズが自家用ジェットを飛ばしてわざわざこの造り手のところまでワインを買いに来るという話(お目当てはここの赤ワインだが。)を、確か同地方の中心都市ポーに旅行で行ったときに誰かから聞いた記憶がある。



開けた瞬間は閉じている。

しばらくすると、くるみ、砂糖漬けにした栗の香りがでてきた。

口にすると、香りからの期待を裏切らない香ばしいナッツ系や蜂蜜の味がする。
酸がしっかりとしていて、ワイン全体の骨格を形づくっている感じ。

それにしても、ものすごいインパクト。
とにかく力強さが際立っている。強い酸のためか口の中がジーンとしびれるくらいだ。
そして、同じ南西ワインのジュランソン(辛口)のような“重たさ”が感じられた。
このワインを正当に評価するためには少々慣れが必要かもしれない。

ガイド本で確認すると、ジュランソンで使っている葡萄のグロ・マンサンやプチ・マンサンは半分で、あとの半分はCourbuという聞いたことのない葡萄を使っているようだ。


ジュランソンの造り手Clos Uroulatを訪問したときに撮ったマンサンの木(粒の大きさからいってプチか?)

”でも、きっとそんなには違わない葡萄に違いない。”
そう自分を納得させながら飲み続ける。


時間が経つにつれ、最初の力強さが若干弱まり
熟成による枯れた感じがでてきた。

味の系統はブルゴーニュの白にも相通じるものがあるな、と思う瞬間もあるのだが
やはりこの力強さというか“野太さ”はブルゴーニュワインにはない特徴だ。


それにしても、フランスの優れたワインはどうしてこんなに飲む者を魅了してやまないのだろう。

ブルゴーニュの白と、同じ種類の葡萄であるシャルドネで造った新大陸ワインとの共通点より
葡萄の種類は違っても同じフランスのこのワイン方がより共通点が多いのではないかー。
そう思ってしまいそうなくらいだ。

日頃、どこの国のワインも偏見を持たずに飲んでみようと努めてはいるのだが

”やっぱりフランス・ワインてすごいな”

と、思わされてしまう、そんなワインだった。(M)
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昼下がりのワイン

2008-03-09 23:10:08 | ワイン(M氏より)
今日は休日なので、昼過ぎに買い物へ。常にモーツァルトを流し、ウィーン風パンとケーキをおくカフェ・モザールCafé Mozartで数種類のパンを購入したので、ケニア土産にもらったブルーマウンテン・コーヒーを淹れて遅めの昼食をベランダでとることにした。

ちなみにCafé Mozartは、昨年出来た店で、キンシャサ・ブランシェ(キンシャサでイケてる店)なんていう本を出したらきっと紹介されるであろうカフェである。

せっかくおいしいパンをいただくから、ワインを開けよう(理由は何でもいいのだ)。
今日は暑いので、QUINTA DE AZEVEDOのVINHO VERDE 2003。


VINHO VERDE(ヴィーニョ・ヴェルデ)というのはポルトガル語で「緑のワイン」という意味の発泡性ワイン。発泡性といってもシャンパーニュのように強い炭酸ではなく、ちょっとグラスを回すと炭酸がなくなってしまう程度の微炭酸だ。

ガイド本によると、ヴィーニョ・ヴェルデには白だけでなく赤もあるようだが、赤のヴィーニョ・ヴェルデはキンシャサでは見かけない。かつては発酵の過程で生じる炭酸を残したらしいが、現在では単に炭酸ガスを吹き込んで軽い発泡性を持たせることが多いみたい。

そういえば、ビオワインの造り手が酸化防止剤に亜硫酸(SO2)を使わない代わりに、発酵の過程で生じる炭酸を瓶詰め後にも少量残して酸化を防ぐ手法を用いることがある(例えばフィリップ・パカレ)が、炭酸の程度はそれをほんの少し強めにした感じではないかと思う。

通常、「緑のワイン」は薄い色で、味も薄めですっきり系だが、今日のワインは色が結構濃い。味も濃いめでちょっと熟成感があり、ひょっとしたら、これまで飲んだヴィーニョ・ヴェルデの中では一番美味しいかも。

キンシャサでは、ポルトガル人が経営するスーパー”Express”やポルトガル料理屋があるため、いろんなポルトガルワインを飲めるのはうれしい驚きだ。
今日のように、暑い日の午後、キンキンに冷やしたヴィーニョ・ヴェルデはとりわけうまい。

結局、子供たちはパンを食べたらさっさと部屋に戻り、妻は子供部屋の模様替えということでいなくなり、私だけベランダに残って、グラス片手にいい気持ちになった。


暑い夏、パリのレストランでシャンパーニュを飲む時のような贅沢さはないけれど、とりあえずコーヒー以外は現地調達したものを使ったキンシャサの昼下がりの過ごし方にしては、なかなかイケてるのではないか。(M)
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とっておきワインの難しさ

2008-03-01 09:23:18 | ワイン(M氏より)
今晩は、晴れてキンシャサから脱出することになったI夫妻を我が家に招いて食事する日。


まずは、マスタード、フランボワーズ酢、白胡椒、葡萄種油で作ったドレッシングの生野菜サラダに合わせる白ワインに選んだのが、Gabriel MeffreのChateauneuf du Pape L’Orme Chaulé 2000。


ローヌ地方ジゴンダスの造り手(赤がメイン)の珍しい白。
8年経った白のわりにはひねた感じは全くない。
色は薄く透明感のある緑がかった黄色。
香りはフルーツというよりは白い花を想起させる。
白胡麻を炒ったときのような香ばしい香りも時間とともに感じられる。
味は控えめで、時間が経った後の変化も控えめだ。
南仏のワインなのに、全体の印象として上品さを湛えたワインといえるだろう。

メインディッシュは、牛テールの赤ワイン煮。
パリにいる時、我が家で催すワイン愛好家の集まりで飲みきれなかったワインを有効利用するために妻が作るようになり、いつの間にか彼女の十八番になった。
キッチンの飲み残しワイン2本分を使って昼前から煮始めたと聞いて、ますます今晩はいいのを呑みたくなった。

この際、パリから持ってきた赤ワインとしては最後の一本、ロワールで赤を作らせたらおそらくここの右に出る造り手はいないであろうClos Rougeardの看板ワインSaumur-Champigny Le Bourg 2002を開けてしまおう。

これは、ちょうど2年前、山形でワインを作っている知人と一緒にロワールを訪れ、一つ星レストランLa Licorneで飲んだS.C.Les Poyeuxの1986があまりに素晴らしかったので、途中でその知人と別れ、別途アポを取ってこの造り手を訪問した際に購入したワインである。

S.C.Les Poyeux1986 レストランLa Licorneで

造り手のナディ・フコー氏は、妙なひげをたくわえた人だが、話し始めるといたってまともで、樽に入った2004年を一通り飲ませてくれた後に、2002年のLes PoyeuxとLe Bourgをボトルで飲ませてくれた(確か2003年は全部売り切れたといっていたと思う。)。同じように作っているはずなのに、Les Poyeuxに女性的な繊細さがみられる一方、Le Bourgにはその力強さに圧倒されたことを想いだす。
フコー氏

それからあまり時間は経っていないけど、どんな感じになっているか楽しみに開けてみた。

ワイン用冷蔵庫に入れたキャラメルが溶けてラベルが汚れてしまった。

香りは硬い、閉じた赤い果実。
樽のバニラ香がその硬さを更に強めている感じだ。
味もタンニンが硬く、新樽を使用した際の特徴である木の渋みも強めに感じられる。

グラスを回しても回しても全く動じない、頑ななワイン。
口に含んでじゅるじゅると空気に触れさせてもなかなか開かない。
カラフに入れてぐるぐる回しても開かない。
1時間経っても、2時間経っても、全くこなれた感じが出ない。

3本目に別の赤ワインを開けながら、カラフに入れたこのワインが開花してくれるのを待ったが、こなれた感じが出てきたのは、無情にも主役であるI夫妻が帰った後だった。
その頃には残念ながら私の酔いも回り、頭の中で頭痛信号が鳴り始め、これ以上飲んだら翌日の仕事に差し支えてしまう、そんな状況になってしまった頃だった。

3本目を開けるんじゃなかった!でも、開けないとこのワインが開花する前に飲み干してしまっていただろう。

いつまで経っても、ワインを飲むペースをコントロールするのは難しい。(M)
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キンシャサ・ビール事情

2008-02-24 01:01:28 | ワイン(M氏より)
いくらワイン好きの私でも、暑いキンシャサではビールは欠かせない。

ここで最もポピュラーなビールがスコール(SKOL)と、湖畔でランチのときにも飲んでいたプリムス(PRIMUS)の2つだ。




飲み比べてみると、スコールの方は色が濃く、味にコクもあり、プリムスの方がキリッとすっきり系だ。
個人的な好みを言わせてもらえば、私はプリムス派だ。話題の少ないキンシャサでは、たまにやってくる日本人に両方飲ませてどちらが好みか聞いてみたりするが、日本人一般の好みとしては今のところ五分五分だ。

配達する量が多ければビール工場直送ということもありなのだが、家で飲もうとする場合、酒屋の店先の陽のあたる道端に置きっぱなしのものをケースごと購入しなくてはならない。ほとんどのレストランでもそうしていると思う。
したがって、変質してすっぱくなってしまったものも多い。

状態のよいビールを飲みたくなったときは、工場直送の大きな缶からグラスに一杯ずつ飲ませるプレッションを用意している店に行くのが一番だ。ちなみに、キンシャサに唯一あるゴルフ場のテラスでプレッションを飲むことができる。ゴルフで汗をかいた後に飲むよく冷えた一杯のビールの味が格別なのはいうまでもない。


湖畔のレストランのテーブルクロスは、プリムス・オリジナル

先日ゴルフ場のテラスで、試しにスコールとプリムスのプレッションを一緒に並べて飲み比べてみた。するといつもの印象とは全く逆で、スコールの方が断然美味しかった。これまでプリムスの方がうまいと信じて、どこのレストランに行ってもプリムスを頼んでいた私にとって、この結果は衝撃的だった。

自分なりの分析では、保存状態が悪い状況で比べると、より味の濃いスコールの方が味の劣化が顕著で、プリムスは劣化してもそれほど気にならないということではないか。

これまで、いかに劣化したビールばかり飲まされてきたかと思うと、悲しくなってくる。


このほか、スコールと同じビール会社Bracongoが、Turbo Kingという茶色ビールを出している。トレードマークはライオンだ。


また、最近よく見かけるようになったのはTemboというこれまた茶色ビールで、トレードマークが象。昔からあるシンバという会社のビールらしいが、私がキンシャサにきてからは見かけたことがなかった。もともとはコンゴ南東部のルブンバシという銅の生産で有名な街で作られているビールだそうだ。


この茶色ビール対決には、テンボに軍配を上げたい。甘くてコクがある。Turbo Kingはちょっとすっぱい気がする(これが劣化によるものかは不明だ。プレッションを出している店がない。)。


・・・というわけで、読んでいる方に“是非キンシャサに行って一杯飲みたい!”と思っていただきたく、キンシャサのビール紹介を書いてみたのですが、その気になってくれた方、いますか?(M)

カテゴリー:ワイン(番外編)でお届けしました。
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ボージョレは世界で一番美しい

2008-01-29 10:59:09 | ワイン(M氏より)
先週末、キンシャサの街に新しくできたワイン屋の中を覗いてみたら、フランスワインがいくつか置いてあったので、早速数本購入してみた。
今晩はそのうちの1本、ボージョレのBrouilly 2006 Selection Patrick Chabot。


ボージョレといえば、日本人の方であれば通常ボージョレ・ヌーボーを想起されると思うが、私にとってはボージョレといえば、Moulin-à-Ventであり、Morgonであり、Côte-de-Brouillyだ。
すばらしい造り手の醸したMoulin-à-Ventを飲んで、ボージョレ・ヌーボーの味を思い出す人はおそらくいないであろう。
また、普通のボージョレを飲む心構えでMorgonを口にしたら、そのあまりの力強さに思わずむせてしまう人も多いのではないか。
この二つはボージョレの格付けワインの中でもある意味、別格の「双璧」といえる畑である。

それでは、どうしてこの二つと並んでCôte-de-Brouillyを挙げるのか。
私にとってCôte-de-Brouillyが特別な理由は、10数年前、最初にボージョレを訪れた時、ボージョレ在住の友人が連れて行ってくれた造り手のCôte-de-Brouillyが、あまりに大人びた、風格のあるワインであったことに感銘を受けたから。
そして、その旅の最後にCôte-de-Brouillyの丘に登って見渡した風景があまりに美しかったからだ。
その友人のご主人(当時はまだ彼氏だった)は、ボージョレでワインを造っている生粋のボージョレっ子なのだが、そのとき彼から、“ボージョレは世界で一番美しい。”とお国自慢されたのを受けて、彼の家からの帰り道、見晴らしの良いところを探しながら一人でドライブして、たどり着いたのがCôte-de-Brouillyの丘だったのだ。

 
Côte-de-Brouillyの丘から見下ろした景色

と、過去の回想はここまでにして、目の前のBrouilly。
午後、暑い中テニスをやった後、体のクールダウンのためにプールに浸かったせいで、夜はよく眠れそうだが、さらに駄目押しをするために、開けることにしたもの。

最初は硬くてあまり興味をそそられなかったが、時間とともに、ストロベリーと木イチゴの香りがはっきりでてきて、味も次第に開いてきた。
妻との会話も弾み、ワインを二人で味わう時間もいつもより長くなった。
いつの間にか、軽く焼いたトーストの香りが出てきた。
味の方も、まろやかな、軽快な感じになった。
遠い道程を運ばれてきたにもかかわらず、この香りと味の変化の具合はフランスで飲む時のそれと変わらないものだ。

かつて味わったCôte-de-Brouillyの風格には遠く及ばないものの、その隣に位置する畑のワインがここキンシャサで手に入ったこと、そして昔訪れたボージョレの記憶を呼び起こすに十分な味わいだったことに、感謝。(M)
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完熟葡萄の味

2008-01-20 12:56:30 | ワイン(M氏より)
今日のワインは南アのシュナンブラン。
Ken Forrester Petit Chenin 2003である。


南アのボーヌともいうべきステレンボッシュにある造り手Ken Forresterは、グルナッシュ、シラー等で赤ワインも作っているが、とりわけ白のシュナンの造り手として名高いようだ。


ステレンボッシュの葡萄畑(この造り手ではないが)。
遠景の山の形が、ヨーロッパとは全く違う。

ここの看板ワインは辛口白のThe FMC Chenin Blancと、遅摘みの甘口白T Noble Late Harvest Chenin Blancだが、さすがにキンシャサにはそんなワインは入ってこない。このPetit Cheninは、この造り手がシュナンの葡萄で作っている中で最も低価格ながら、南ア・ワインガイドによれば値段のわりにうまいと評価されているワイン。

このワインとの出会いは、お隣のGさん(また登場!)がキンシャサの町で見つけたワイン屋で購入したのを、一緒に飲ませてもらったのがきっかけ。“これはおいしい”と、さっそく翌日そのワイン屋を訪れ、残っていた3本を買い占めた。

蜂蜜のような黄金色。
甘い、飴のような香り。
昔「純露(じゅんつゆ)」(古い?)という蜂蜜の飴があったがそんなイメージ。
口に含んでみると、遅摘みでないワインにしては甘味が目立つ。
甘さの程度はVouvrayのdemi secくらいか。
完熟した白葡萄の味がそのまま残っている感じ。

以前、ロワールのVouvray村(Toursのすぐ東)の造り手Domaine Huetを収穫時期に訪問した際、搾った後の葡萄の皮と茎が庭のトラックの荷台に無造作に積まれていて、そこから結構な勢いで葡萄ジュースが滴っていたのを“ああもったいない!”と掌に乗せて飲んだことがあるが、その時の味と似ている、と妻が思い出してくれた。そういえば、葡萄も同じシュナンブランだ。


滴る葡萄ジュースをなめる長男 Domaine Huetにて。


抜栓後、時間とともに香りは開いてきた。しかし、残念ながら味の方は時間が経っても期待したほどは変化しなかった。

・・・いつか、この造り手の看板ワインを飲んでみたい。

そんな期待を抱かせるワインだった。(M)
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年末年始は、こんなの呑ませていただきました。

2008-01-12 10:45:40 | ワイン(M氏より)
今回のエジプト旅行では、知人のA氏宅とMO氏宅にお邪魔して食事とワインをご馳走になった。

まず、A氏宅でイスラエルのヤティールという造り手のワイン。

葡萄の品種はカベルネ・ソービニョンとメルローでボルドータイプのワイン。
色は非常に濃い。
上品な香り。
味の印象としては赤と黒の果実が詰まったローヌワインのよう。
驚くべきコンテンツ。
スタイルとしては新大陸系で、最先端の技術で醸造している感じ。

A夫人とお母様が用意してくださった、海の幸のサラダやエジプト鶏肉の竜田揚げに舌鼓を打つ。
エジプトは鶏肉がおいしいとのこと。確かに香ばしい香りで、肉の味も濃くてジューシー。濃い赤ワインによく合った。
ごはんもエジプト産。日本のお米に似ていてとってもおいしい。人件費が安いこともあり、今では日本であまりやらなくなった天日干しをしているのだそうだ。(結局、我が家はエジプト産米を25kg(!)キンシャサに持ち帰った。)


年が明け、旅の終わりが近づいた夜にMO氏のお宅へ、A夫妻とともに。
妻は旅の疲れが出たのか、シーシャ(水タバコ)の匂いに気分が悪くなったのか、体調不良でダウン。

まず、MO氏秘蔵の満寿泉の純米原酒MASUIZUMI 2000。

ブルゴーニュの白の造り手Domaine Ramonetが使ったお古の樽の中に6ヶ月熟成させたもの。一説によるとRamonetのMontrachetが入っていた樽ということだが、定かでない。

赤茶色の澱が浮遊している。その澱を入れないようにグラスに注ぐ。
色は結構濃い黄金色。
香りは日本酒と樽香が混じってて、ちょっと不思議な感じ。
日本酒として飲むと、「上善如水」とは対極にあるような重たい感じで、通常の樽酒とも全く別もの。2000年ということで古酒のような風味も出始めている。
むしろ白ワインのつもりで飲んでみると、意外に違和感がないから、面白い。
口当たりがフルボディタイプの白ワインで、後味が純米酒、という感じか。

味を探ろうとして何杯もいただいたため、ちょっとその後がきつくなった。

次は、A氏持ち込みのイスラエルワイン、Clos de Gat 2003。

すばらしい!の一言。
先日のヤティールに比べると軽め。
香りからして風格を感じ、味も繊細さを感じる。MO氏と二人で唸りっぱなし。


MO夫人の用意されたとろけそうなBoeuf Bourguignonととてもよく合った(ちなみに写真のお皿の絵はMO夫人が描かれたもの。すごい才能です。)。
飲み切る最後の一杯で、香りも味も開花した!

旅行で来たカイロでこんなおいしいワインと食事をご馳走になるとは!
A夫妻、MO夫妻に感謝、感謝です。
今度はうちでご馳走いたします、ってキンシャサに来られることは・・・
ないですよね。(M)
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なにしろワインに夢中なもので。

2007-12-14 08:15:59 | ワイン(M氏より)
今日はしろみの夫、みんみん(M)氏の筆によります。
コンゴ、じゃなかった
今後、彼もちょくちょく書いていくと思いますので
みなさまよろしく~。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さっきまで一緒に中華を食べに行っていたお隣のGさんが
ちょっぴり仕事のストレスを抱えているようだったので
うちでワインを開けて一緒に飲むことにした。

パリから苦労して持ち帰ったワインもそろそろ底を突きそうだが
ここはおいしいのを開けよう、ということで選んだのが
Domaine GuiberteauのSaumur Brézé “Les Clos” 2003。



実は初めて飲む造り手で、パリのCaves de Tailleventの
Oさんに勧められるがままに買ったワインなんだけれど。

つい先日飲んだナディ・フコー氏の
Clos Rougeard Saumur Brézé 2002に比べると
全体的に落ち着いている。上品な樽香の向こうから、
新鮮なシュナンの果実の香りが広がってくる感じ。
もう暫く熟成させた方がはっきりとした香りがしたかな。

口に含んだ印象は香りからの想像を裏切らないもの。
充実した酸味と甘み、そして凝縮した果実味が心地よい。
新樽をいくらか使用したらしい硬いバニラの風味も
でしゃばらず控えめだ。

時間とともに変化はするものの、頑なに閉じている。
抜栓から飲み終わるまでの2時間余り
遂に最後までこなれた感じは出てこなかった。

ロワールの辛口白ワインの中には
この地方の他のワインとは別格と感じられるものが
いくつかあるような気がするが
このワインもそのひとつに加えていいだろう。

あれ?
Gさんを励ますつもりが、いつの間にやら
ワインにばかり気をとられていたようだ。

まあ、私の話なんかより、このワインの方が
彼にとっての何よりの気分転換になったのではないか。
気持ち良さげに帰るGさんの背中を見送りながら
そう思った。(M)
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