妻のしろみがどこからかマグロの刺身を買ってきた。
その日は仕事で夕食を食べなくてはならなかったが、軽くで済んだので、せっかくだから新鮮なうちにと、帰ってから残り物の刺身をいただくことにする。
ちょっとお酒が飲みたいな、ということで開けたのが、フランスでは食用葡萄だがジュネーブでは最もメジャーなワイン用の葡萄シャスラchasselaのワイン。
ラベルには昔の収穫時の写真を使用
日本の甲州ワインも刺身に合うのが特徴だが、そのシャスラも驚くほど刺身と相性がいい。
チーズフォンデュ屋でフォンデュと相性がいいとよく勧められるワインがこのシャスラなので、ちょっとイメージと違うかなとは思ったが、実際に刺身と合わせてみて驚いた。
この造り手は、ジュネーブの中心から30分程度のフランス国境にあるDardagnyという村のClos des Pinsというところ。
Clos des Pinsの入り口の飾り
ジュネーブで唯一ミシュラン・ガイドで2つ星に輝くレストランDomaine de Chateauvieuxのワインリストにその名を連ねる数少ないジュネーブ近郊の造り手である。
こういうと大そう高価なワインなのだろうと思うかもしれないが、造り手から直接購入すれば日本円にして700円程度のワインなのだ。
先日、造り手を訪問して試飲させてもらったが、この造り手の特徴は、葡萄毎の特徴を面白いくらいに、また拍子抜けするくらいにそのまんま表現しているところだ。特定のワイン以外には樽熟成を行わず、ステンレス桶で発酵させて収穫から7ヶ月くらいで瓶詰めする。5月の時点で昨年のワインが飲めることが逆に新鮮だ。
とりわけ、ここのガメイGamayは、そんじょそこらのボージョレワインも太刀打ちできない出来で、昨年のスイスのワイン品評会のガメイ部門で見事第一位に輝いている。
ジュネーブ近辺のワインの造り手は、この20数年間、ワイン産業を活性化するために、世界中の葡萄品種を片っ端から植えてワインに多様性を持たせる試みをしているという。
その結果、一つの造り手が、白ならシャスラ、アリゴテ、ソービニョンブラン、シャルドネ、ヴィオニエ、ピノブラン、ピノグリ、赤ならガメイ、ピノノワール、カベルネソービニョン、カベルネフラン、シラー、メルロー、ガマレ等々、いろんな葡萄で作ったワインを生産しているのだ。
ワインの色もなかなか美しい
正直、それぞれの葡萄のオリジナルとなる産地のワインと比べるとちょっと物足りないと思うことがほとんどなのだが、ここのソービニョンブランとガメイは秀逸で、その葡萄本来の特徴を素直に出しているという観点からすれば、ロワールの白やボージョレの赤と比べて全く遜色がない。
そんな造り手が造るレマン湖周辺ワインの主要葡萄種シャスラなのだから、美味しくないはずがない。
ということで、スイスワイン、ジュネーブ・ワインもなかなかイケるのではないかと思えるようになった今日この頃である。(M)
その日は仕事で夕食を食べなくてはならなかったが、軽くで済んだので、せっかくだから新鮮なうちにと、帰ってから残り物の刺身をいただくことにする。
ちょっとお酒が飲みたいな、ということで開けたのが、フランスでは食用葡萄だがジュネーブでは最もメジャーなワイン用の葡萄シャスラchasselaのワイン。

日本の甲州ワインも刺身に合うのが特徴だが、そのシャスラも驚くほど刺身と相性がいい。
チーズフォンデュ屋でフォンデュと相性がいいとよく勧められるワインがこのシャスラなので、ちょっとイメージと違うかなとは思ったが、実際に刺身と合わせてみて驚いた。
この造り手は、ジュネーブの中心から30分程度のフランス国境にあるDardagnyという村のClos des Pinsというところ。

ジュネーブで唯一ミシュラン・ガイドで2つ星に輝くレストランDomaine de Chateauvieuxのワインリストにその名を連ねる数少ないジュネーブ近郊の造り手である。
こういうと大そう高価なワインなのだろうと思うかもしれないが、造り手から直接購入すれば日本円にして700円程度のワインなのだ。
先日、造り手を訪問して試飲させてもらったが、この造り手の特徴は、葡萄毎の特徴を面白いくらいに、また拍子抜けするくらいにそのまんま表現しているところだ。特定のワイン以外には樽熟成を行わず、ステンレス桶で発酵させて収穫から7ヶ月くらいで瓶詰めする。5月の時点で昨年のワインが飲めることが逆に新鮮だ。
とりわけ、ここのガメイGamayは、そんじょそこらのボージョレワインも太刀打ちできない出来で、昨年のスイスのワイン品評会のガメイ部門で見事第一位に輝いている。
ジュネーブ近辺のワインの造り手は、この20数年間、ワイン産業を活性化するために、世界中の葡萄品種を片っ端から植えてワインに多様性を持たせる試みをしているという。
その結果、一つの造り手が、白ならシャスラ、アリゴテ、ソービニョンブラン、シャルドネ、ヴィオニエ、ピノブラン、ピノグリ、赤ならガメイ、ピノノワール、カベルネソービニョン、カベルネフラン、シラー、メルロー、ガマレ等々、いろんな葡萄で作ったワインを生産しているのだ。

正直、それぞれの葡萄のオリジナルとなる産地のワインと比べるとちょっと物足りないと思うことがほとんどなのだが、ここのソービニョンブランとガメイは秀逸で、その葡萄本来の特徴を素直に出しているという観点からすれば、ロワールの白やボージョレの赤と比べて全く遜色がない。
そんな造り手が造るレマン湖周辺ワインの主要葡萄種シャスラなのだから、美味しくないはずがない。
ということで、スイスワイン、ジュネーブ・ワインもなかなかイケるのではないかと思えるようになった今日この頃である。(M)