Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

「彼岸花」<Le fleur d'equinoxe>

2006-03-01 01:20:56 | 映画
季節はずれではありますが、きれいな彼岸花の写真です。
Voilà c'est le fleur d'equinoxe!!


今日は小津安二郎監督の映画「彼岸花」をビデオで見ました。
昭和33年の映画です。カラーでした。
以下、「AmazonJapan」より抜粋です。

小津安二郎監督、初めてのカラー作品。前作『東京暮色』で人間の闇を描いた彼は、久々に嫁ぐ娘をめぐる市井の日常を淡々と温かく、そこはかとなくコミカルに描いている。自分の許しもなく、勝手に結婚相手を決めてしまった娘(有馬稲子)に腹を立てている父親(佐分利信)。妻(田中絹代)は何とか夫をなだめて親娘を和解させようと苦労する。
 


それで、なぜこの「彼岸花」を観たかといいますと、フランスのメル友であるJoëlleのリクエストでこの映画のシナリオを探して送ったことで、「実際どういう映画なの?」と興味がわいたからです。

小津作品は今までにも「東京物語」「麦秋」を衛星放送で観ました。
2003年が小津安二郎生誕100周年 ということで、小津作品が全部放送されたんですよね。

小津安二郎の映画を観ていると、昭和の古き良き時代がよみがえります。
家の中のつくり、縁側があって庭があって、玄関は今の時代のようなドアではなく、引き戸です。
昔、子供のころに住んでいた家が思い出されます。
う~~ん、懐かしい・・・(思わず、つい、ウルウル)


台詞回しも独特なものがあります。
ほのぼのとしている、というかゆったりとしているというか。
典型的と思われるのが、50台男性のお仲間内での会話の場面。
例えば、お料理屋さんのお座敷で、気の合う3人が話しをしています。

A:「おまえんとこの娘、もうそろそろ結婚だろ」
B:「そうかなぁ」
A:「もう覚悟はできたか」
B:「いや、うちはまだまだ先のことだよ」
A:「いや、そんなことないさ」
C:「そうさ、そんなことないさ」

この、最後のCさんのせりふが、小津安二郎独特だと思うのです。
みんなで順番に肯定(または否定)する・・・というパターン。


ほかにも、女性の言葉遣い。
「いいわ、あたし、自分でいい人みっけるから」とか
「お母さんだって、そんなことしやしないじゃないの」とか
「ばかね。もういいわ、お父さんにはだまっててあげる」などなど・・・
この映画を観ていると、日本の古きよき時代の普段使いの日本語が学べますよ!!

最後になりましたが、私は、このDVDのパッケージを見てそこに写っている俳優さんの名前がすべてすらすら言えた、ということをここに告白いたします。