箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

年長の子を育てる秘訣

2020年09月19日 13時05分00秒 | 教育・子育てあれこれ
いまの時代は、少子化が進み、きょうだいの人数はさほど多くはないですが、きょうだい3人の場合を考えてみます。

ふつうお母さんは、「うちの家では、きょうだい3人に分け隔てなく、公平に接しています」と言われます。

たしかに、気持ちではその通りでしょう。

でもお母さんが子どもにかかわる時間は、下の子に手をかける時間がどうしても長くなってしまうのではないでしょうか。

いくら公平接しようとしても、これは仕方のないことです。

しかし、受けとる側のいちばん年長のお兄ちゃんやお姉ちゃんからみたら、やはり公平でないと感じるでしょう。

「弟や妹ばかりが、かわいがられている」と思うかもしれません。

親が、かりに「小さいときはしかたがないのよ。お兄ちゃん(お姉ちゃん)は、3歳までひとりっ子だったのよ。弟や妹より、あなたにどれだけ手をかけてきたと思ってるの」と説明(弁明)します。

でも、それはあまり意味がありません。

子どもはそんな昔のことは覚えていません。子どもにとっては、終わったことよりも「いま」がすべてであるし、大切なのです。

こんなとき、上の子が言ってもらってうれしいのはどういう言葉でしょうか。

もちろん上の子にもプライドがありますので、下の子のようにベッタリと手をかけてくれるのを望んでいるのではないのです。

でも、なにか言葉がほしいと思っています。

そんなとき、「一人でもできるから、たのもしい」とか下の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)を見習いなさい」と言ってくれれば、本人はうれしいでしょう。

このように、お母さんはちょっとだけ、お兄ちゃん(お姉ちゃん)の「味方」になると上の子も救われたような気持ちになります。

その意味で、上の子には少し「特別扱い」をするのがいいようです。

こうなると、上の子は下の子にやさしくなるのです。

これは、上の子がいつも不公平感を感じているときは、「お母さんが下の子にやさしくしているのに、なぜ自分までその上やさしくしないといけないの」と思うからかもしれません。

肯定的な伝えかた

2020年09月19日 07時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ
 
 小学校のローカには、子どもへの呼びかけ文がよく貼ってあります。
 
「廊下は走りません」。
 
学校での独特な言い回しですが、私はこれを中途半端な言葉だと思います。
 
おそらく「廊下を走ってはいけません」という言葉が、子どもにとって、きつい口調になるので、やわらかな言い方にしているのでしょう。
 
しかし、呼びかけの言葉にして、主語があいまいで、ふだんの会話で言わない表現なのでしっくりときません。
 
かといって、「廊下を走ってはいけません」とか「廊下を走るな」は、禁止や否定のメッセージをもっています。
 
そこで、肯定的に伝えるにはどう言えばいいでしょうか。
 
「廊下は歩きましょう」なら、子どもは素直に受けとり、その通りにする場合が多いのではないでしょうか。
 
このことは、大人が子どもにどう声かけをするかにも関係します。
 
「携帯電話を学校にもってきてはダメだ」よりも「携帯電話は家で使いましょう」が肯定的表現になります。
 
親もよく否定的表現を使います。
 
「勉強しないとダメだ」と言うのは、たぶん「いい点をとってほしい」という願いとともに、親自身が安心したいと言う気持ちの両方から、発せられのです。
 
このことは、とてと自然な感情です。
 
ただ、ここで考えるべきは子どものためと親の安心のための両方を満足させ、否定的でない言葉を使わずに済む方法があればいいのです。
 
「勉強をしようよ」と、肯定的に言う方が、子どもは素直にうけとり、学習に向かいまさす。