倉敷、尾道への旅行の続きです。
最終日は、いよいよ旅のメインイベント。
夫が最も楽しみにしていたしまなみ海道のサイクリングをしてきた。
しまなみ海道のサイクリングロードは、全長70キロ近くあって瀬戸内海に浮かぶ島々を自転車だけで渡ることができる。
といっても、前期高齢者と呼ばれる年齢が視野に入ってきている初心者が、いきなり70キロのサイクリングは無理なので、夫は向島から大三島の40キロを行こうと計画していた。
嬉々としながら計画を立てる夫を横目に、私と一緒に行く長女には、いくら電動自転車を借りたとしても無理なのではないかと思っていた。
平坦な道であればまだしも、幾つもの橋を渡らなければならず、それらの橋はずいぶん上の方にかかっている。
つまりそこまで自転車で登らなければいけない訳で、同じように標高の高い丘の上に建つ我が家までだって自転車で上るのはキツいのに、それ以上のきつさなのは明らかだ。
さてサイクリングをする前日。
気が進まず暗い(陰の)私と、ルンルン明るい(陽の)夫、さらに意外にもサイクリングをしたい派の長女の三人で尾道のレンタル店に行くと、電動自転車は全て借りられており、普通自転車しか残っていないとのことだった。
電動自転車が無いのなら益々無理だと思った。
しかもサイクリングに行く為にフェリーに乗り込む方々を見れば、欧米の若い方が多く、サイクリング用のピシーッとした服装をした方ばかり。
ママチャリでちょっと近所のスーパーへお買い物といった格好(私です)の同年代のおばちゃんなど一人もいない。
「これはもう絶対に無理だーー!やめる、サイクリングはやめる。どこかで待ってるから行ってきて」と言ったら、夫が「じゃあ生口島から大三島までの20キロにしよう」と妥協案を出してきた。
せっかく夫と長女が楽しみに来たので、とりあえずは生口島まで行って、そこで二人が帰って来るのを待っていれば良いかと思った。
フェリーで生口島まで行き、とりあえず自転車のレンタル店まで行くと、奇跡的に電動自転車が一台だけ残っているという。
夫と娘が口を揃えて「これはお母さんに譲る」と言うので、とりあえず借りてみて、途中で無理だと思ったらやめてもいいと、サイクリングロードを走ることになった。
ところが走り始めてみれば、なんということでしょう〜!
めちゃくちゃ楽しーー!
きれいな海岸沿いを潮風を受けて自転車で走ることが、こんなに気持ち良いものだったとは思ってもいなかった。
心配していた橋までの登り坂は、蛇行して登っていくせいか比較的楽に感じた。直線を登る自宅までの坂よりもきつさはあまり感じない。
さらに途中で、近所のスーパーへ行くような格好の同世代のおばちゃんサイクリストたちを何人も見かけて、私でも大丈夫なんだと安心した。
「ガンバ〜」と声をかけられ、思わず高校の体育会系の部活かと思った。
でも、もしかしたら普段の買い物で自転車に乗り馴れているおばちゃんたちの方が、サイクリングに向いているのかもしれない。
多々羅大橋の真ん中に「多々羅鳴き龍」の看板が立っている。
この場所で手を叩くと、200m以上もある橋の鉄塔を登って行く龍のように音が反響しながら上へあがって行く。なんとも不思議な感じ。
多々羅大橋を渡ると、道の駅多々羅しまなみ公園に到着し、ここで少しの休憩をとって、また生口島まで引き返した。
疲れたけれど、この充実感は何なんだ!いやだーやめると騒いだけれど、やって良かったサイクリングというお話でした。
さて話は旅の前半に戻る。
岡山空港へ向かう飛行機の中でふと窓の外を見ると、龍にそっくりな形をした大きな雲が浮かんでいて驚いた。
まるで乗っている飛行機と一緒に空を飛んでいるように、巨大な龍の形の雲。
しばらく見惚れていたのだが、「そうだ、写真」と気づいて写真を撮った時には既に遅かった。
ずいぶん形が崩れていた。しかも飛行機の翼が邪魔でよく見えないという、、、(汗)
一応これが龍の顔の部分ですが、珍しい雲が見れたので、なんとなく良い旅になる予感がしていた。