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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

大人のADHD

2014-02-27 00:20:56 | PSYCHOLOGY2

ADHDの診断を受けて、いろいろと治療を受けてきた人も、やがては大人になる。

ぼくが経験した限りでは、大人のADHDは、仕事での注意力が足りなかったり、家で片付けができなかったり、会話で相手の話すのを遮って話し始めてしまうなどがある。とくに最後の相手の話すのを遮るっていうのは、いわゆる衝動性がなすわざであって、あまり日常では深刻な症状と捉えられないけど、会議などで集中できなかったり、遮るのを遮られたり、遮るのを指摘されて叱られるなどがあると、大きなストレスになるという。つまり、「なんであんなの聞いてなくちゃいけないんだ。言いたいことが分かるから、待ってられない」とか、逆に、意識し過ぎで話しだすタイミングが掴めなくて、複数の人がいるところではずっと黙っているということがあるらしい。

かなり前に知り合った女性で、むかしの話しを本人や母親から聞くとADHDだった可能性を否定できない人がいる。学業は科目によってはとても成績優秀で希望の大学に入り、就職は「地方公務員」だった。でも、やはり職場では細かいミスが多発して上司や同僚から冷たくされるようになって、「嫌な思い出ばかり」だったらしい。結婚して、相手の両親が母屋の離れのようなところに建ててくれた一軒家に住み始めたんだけど、今度は家事がほとんどできないでいる。家に行くと部屋の周囲に衣類やバッグ、箱、チラシ、マンガ本、ボールペンなどが積み上がっている。四角い部屋なんだけど、こたつを中心に円形の部屋になっている。廊下の曲がり角に積み上がった服は、埃がかぶって、下の方はカビが生えているのではないかって感じだった。「今日、ちょっと散らかってますけど・・・」と言っていたが、決してちょっとではなかった。そして、その日は調子がよかったのか、ぼくの話しは遮りまくりで、最後、自分が疲れて黙りこくるほどだった。

でも、遮られることを前提に、まともに会話することを初めから諦めて聞く方に専念していると、それなりに周囲の評価をすごく気にしていたり、表向きは勝ち気でも実際は自己評価が低くうつうつしていたりしている本音がわかって、共感もできた。幸運にも夫が細かいことを全く気にしない人なので、家事が問題にはなっていないのだけど、一方では悩み事なんかがあっても聞いてくれない人だということで、彼女は不満を持っているという。

今、大人のADHDが注目され始め、その対応などが企業などに求められている。でも、社会が排他的になることは許容できないけど、同僚から「同じ給料もらってるのに、何で私の方が特別に気を遣わなくてはならないの」って言われてしまったら返す言葉が見つからない。発達障害などの専門家は「個別のケア」とか「社会の理解」を一方的に訴えるけど、受け入れる側へのサポートも配慮されていなければ、なかなか上手くことは運ばないだろう。何となくそんな感じがした。


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