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のり漁師は“奇跡のピアニスト” 

2020-02-25 07:00:00 | 報道/ニュース

2月3日 NHK「おはよう日本」


佐賀県沖の有明海でのりの養殖を営みながら
日頃はアマチュアのピアニストとして活動している男性がいる。
男性が弾ける曲はたった1曲。
しかしその曲はプロでも弾くことが難しいとされ
男性は“奇跡のピアニスト”と呼ばれている。

鍵盤の上を高速で飛び跳ねる太い指。
佐賀市の徳永義昭さん(59)である。
本業は有明海でのりを養殖する漁師である。
日中はアマチュアのピアニストとして活動している。
Q.ピアノの練習は?
「はい します。
 帰ってしますよ。」
Q.手がかじかんでないですか?
「かじかんでる。
 冷たい。
 帰ってからお湯にいっときつけて
 30分ぐらいつけてそれから練習しないと
 かじかんで本当に動かない。」
高校卒業後 実家ののり養殖を受け継いだ徳永さん。
趣味もなく漁を終えたらパチンコに明け暮れる毎日だった。
50歳を過ぎたころ2か月で70万円を使い込み
生活費にも手をつけ
妻から愛想をつかされた。
(徳永義昭さん)
「泥棒になった気持ちですね。
 自分の部屋なのに忍び足で行ってこっそりとろうとして
 この中に紙があって“とるな”って書いてありました。
 自分のバカさ加減ではないがそう思って
 それからはパチンコをやめました。」
時間を持て余してテレビを見ていた徳永さんに
あるきっかけが訪れる。
世界的ピアニストのフジコ・ヘミングさんが演奏する「ラ・カンパネラ」だった。
(徳永義昭さん)
「フジコさんがラ・カンパネラを弾いて
 演奏されて
 それを見て
 ずっとなぜか見ていて
 いい曲だなぁと。
 飲み屋のおねえちゃんにモテるんじゃないかぐらい思っていたが
 どちらかと言えば
 子どもたちの前で弾いて
 子どもたちが“おじさんすごいね”と言われるのを思ったかな。」
この曲を弾いてみたい。
プロのピアニストでも難しいとされる「ラ・カンパネラ」。
52歳だった徳永さんの挑戦が始まった。
徳永さんは楽譜を読むことができない。
そのため動画投稿サイトを見ながら指で鍵盤をひとつずつ叩いて覚える。
練習は1日8時間以上。
妻の千恵子さんはピアノ講師をしている。
ラ・カンパネラは夫に弾けるはずはないと考えていた。
(妻 千恵子さん)
「発想がありえない。
 絶対何言っているの 無理よっていう感じて言っていた。」
家族に白い目を向けられても意地になった徳永さんはひとり練習を続けた。
(徳永義昭さん)
「腱鞘炎になって
 もう痛くてたまらなくて毎晩湿布をしていた。
 指先から腕まで。
 そうしないとズキズキして寝られなくて。」
そして1年。
ついに難曲を習得した。
(徳永義昭さん)
「うれしかったですね。
 最後まで覚えて弾ききった時はうれしかった。」
のり漁師に奇跡のピアニストがいる。
徳永さんのうわさは全国に広がり
各地のイベントなどに呼ばれて演奏を披露している。
(観客の男性)
「すばらしいなと思いました。
 ちょっと見た感じとギャップもあったりして。
 僕も50歳過ぎているのですごく励みになります。」
そんなと徳永さんにご褒美が。
去年あこがれのフジコ・ヘミングさんのまえで
「ラ・カンパネラ」を演奏する機会が与えられたのである。
(徳永義昭さん)
「感激ですね。
 夢のような感じで。
 どうなるんだろうかというぐらい緊張マックスだった。」
「前までは人前に出て何かをするとかそういう人間じゃなかったが
 やっぱりピアノによって
 ピアノ演奏で自身がついたんでしょうね 自分自身に。」
50歳を過ぎてピアノを始めたのり漁師。
奏でる音色は
“新たな挑戦に年齢は関係ない”と教えてくれているようである。






 


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