11月5日 国際報道2018
インフルエンサーとは
ツイッターやインスタグラムなどのソーシャルメディアで大きな影響力を持つ人々のこと。
イラクで話題となった動画。
今年7月までイラク大使を務めた岩井文男さんである。
(在イラク日本大使館フェイスブックより)
「今日はとても暑いけど
断食で体調崩さないようにね。」
W杯出場をかけた日本とイラクの試合に合わせて投稿され
大使館の動画としては異例の70万回以上の再生を記録した。
あなたの発音はとても素晴らしい
日本の大使はみんなの心をつなげてくれる
イラクには3度目の駐在だった岩井さん。
本来であれば町で人々と直接交流したいと考えていた。
しかし当時のイラクは過激派組織ISイスラミックステートとの戦闘の真っ最中。
外国人が外出するのは難しい状況だった。
そこで思いついたのがSNSを使った動画配信だったという。
(前駐イラク大使 岩井文男さん)
「人々と触れ合って
日々何を考えているか
じかに聞きたいが
それができないのでSNSでなら
日々イラクの人が何を思って生きているのかを感じられる。」
その後も岩井さんはイスラム教の祭りや日本の正月などに合わせてメッセージを次々に発信。
大使館のフェイスブックのフォロワーは11万人と就任前の40倍にまで伸びた。
現地のファンから肖像画をプレゼントされるなど岩井さんの人気が高まった。
(前イラク大使 岩井文男さん)
「私が意図してアラビア語で発信し
時にはイラクの方言で発信し
外国人だけどこの人はイラクのことを考えていると伝わったのかな。」
岩井さんは帰国した今も個人のアカウントを使ってアラビア語での投稿を続け
イラクの人々と交流している。
この日“NHKの取材を受けている”と投稿すると
「4分で“いいね!”は117になりました。」
インフルエンサーとなりイラクの人の心をつかんだ岩井さん。
その秘訣は現地の人に寄り添うことだという。
(前駐イラク大使 岩井文男さん)
「食べ物であれ
着るものであれ
いろいろと観察して
そして彼らとともに嘆き悲しむ。
私自身を彼らが身近に感じてくれた。」
イラクの日本大使館では現在も後任の大使やスタッフが投稿を続けている。