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キプロス伝統のブドウ蒸留酒「ジバニア」

2017-01-10 07:15:00 | 報道/ニュース

12月15日 キャッチ!


キプロスはは地中海の東部にある日本の四国の半分くらいの国である。
キプロスは周辺国にとって戦略的に極めて重要な場所にある。
中世には十字軍の基地として使用されたほか
オスマントルコやイギリスなどの強国が入れ代わり立ち代わり支配してきた場所である。
そうした歴史もあって今も北と南で分裂している。
一方で“パフォスの海岸”は風光明媚な海岸が有名で
観光客にも人気である。
“パフォスの海岸”は実はビーナスの生まれたところとされていて
ボッティチェリの代表作「ビーナスの誕生」にも描かれている。
いろいろな文化の影響を受けるキプロスだが
人々がこの国独自のものとするお酒がある。

地中海の島国キプロス
首都ニコシアの町はどこか中東風である。
中東で人気のボードゲームや水タバコを楽しむ人たちの姿が目立つ。
カフェをのぞくと
お菓子もコーヒーもやはり中東やギリシャのものと似ている。
多様な文化が入り混じった島国だが
キプロスならではのものを探してみると
地元の人たちがキプロス独自のものだと誇りを持っているお酒があった。
ブドウから作る蒸留酒「ジバニア」である。
アルコール度数は42度以上で
高いものは50度を超える。
(市民)
「ウイスキーでもコニャックでもない。
 キプロス産のジバニア
 これが最高だよ!」
口の中に干しブドウのような香りが広がる。
ジバニアはどうやって作られるのか。
産地はキプロス中部の山あい
人口60人ほどの村 スピリア。
代々ジバニアを作っているアンドレアス・クリサントゥさん(70)。
「私たちの健康に乾杯!」
客人を迎えるときもやっぱりジバニアである。
ブドウの果汁を煮詰めたお菓子やドライフルーツと一緒に飲むと
健康にも良いとアンドレアスさんは言う。
(ジバニア生産者 アンドレアス・クリサントゥさん)
「父は毎朝飲んで100歳まで生きたよ。」
自慢のジバニアの造り方は
ブドウを豪快に小枝ごとつぶして
代々受け継いだカメに入れる。
「とても古いよ。
 1904年だよ。」
10日ほどして発酵が進んできたら蒸留器に入れる。
火をつけてしばらくすると透明の酒が出てきた。
ジバニアである。
14世紀ごろに始まったとされる素朴な製法だが
アンドレアスさんはこのやり方だからこそ独特の味が出せるという。
(ジバニア生産者 アンドレアス・クリサントゥさん)
「両親や祖父母から受け継いだ製法を続けていきたい。
 伝統を守ることで
 祖先との精神的なつながりが保てるんだよ。」
オスマントルコに占領されたときは生産を禁止され
イギリスの植民地にされたときは生産を認められるものの
高い税金を課せられて苦労したそうである。 
それでも愛着のあるジバニア作りの伝統を人々が守ってきた。
キプロスを代表するジバニアの特徴とは何か。
(農業省担当者 クセニョス・パナギオトゥさん)
「これがマブロという品種です。
 とても甘くてフレッシュで
 ストロベリーのような香りがあって
 やや酸味もあります。」
この品種を使うことがジバニアを独特の酒にしているという。
マブロ
クシニステリ。
(農業省担当者 クセニョス・パナギオトゥさん)
「これらはキプロスにしかありません。
 昔ながらの純粋な原種で
 ジバニアの独特な香りを生むんです。」
夕暮れを過ぎると街のあちこちから陽気な歌声が。
人々はジバニアを片手に人生を謳歌している。
地元のレストランも
近年ジバニアの愛好家が増えたと感じている。
(レストラン店主)
「以前はお年寄りの酒でしたが
 今では若い人も飲みます。
 みんな地酒を大切にしたい
 “自分たちの誇り”と思っているのです。」
多様な文化が重なる中にいまも生き続ける独自の伝統。
ジバニアには地元の誇りが凝縮されている。




 


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