8月24日 BIZ+SUNDAY
インドネシア内部の都市スラバヤに進出した学習塾 立志舘ゼミナール。
教えているのは小学生向けの算数。
月謝 3、000円。
年間所得50万円以上の中間層をターゲットにしている。
立志館ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長は去年9月からここで塾の責任者を務めている。
中村さんは20年前から大阪で塾の経営に携わってきた。
少子化の影響で生徒数が伸び悩んでいることからインドネシアへの進出を決めた。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「大きなビジネスチャンスがこの国にはあるのじゃないか。
教育ソフトとして日本の教育ソフトが信頼されるならば
本当にはやる可能性はあるかもしれない。」
しかし経営は出だしからつまづいた。
生徒の勧誘がうまくいかず目標の500人に対して50人ほどしか集まらなかったのである。
原因は中村さんが日本的の仕事の仕方を現地でも続けたことにあった。
塾の講師から始まり今では生徒数7000人の塾長を務める中村さん。
日本では自分が支持を出せば阿吽の呼吸で社員が自発的に話し合いアイデアを出すことが当たり前だった。
しかしインドネシアでは生徒の勧誘方法を考えてほしいと指示を出しても社員からの提案はほとんど無かった。
なぜうまくいかないのか。
中村さんは社員にアンケートを行うことにした。
すると役割分担が明確でなく自分が何をすればいいのかわからないという指摘が相次いだ。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「漠然と支持を出しておけば話し合って形となるものが出てくるだろうというのはとんでもない間違いで
仕事については明確に分けて責任を持たせて指示を出していくということが必要になってくると痛感した。」
中村さんは社員全体にではなく一人一人に指示を出すことで役割を明確にした。
さらにいつでも指示を出せるように社長室を無くし社員と同じ部屋で働くことにした。
「中村さんは
こういう時にはこうしなさいと
とても細かい指示をしてくれる。
具体鄭に言ってくれるのでとても仕事がしやすい。」
こうした対応をするなか社員にも変化が表れている。
課題だった生徒の勧誘に自主的に取り組み始めたのである。
小学生の子どもを持つ母親が集まる会合に向かった。
社員からの提案で実現した。
「授業の内容は計算だけですか?
学校でやる応用問題も教えてくれますか?」
母親たちは強い関心を示しこの日だけで11人が体験レッスンを申し込んだ。
中村さんは社員が自ら動き始めたことに手ごたえを感じながら
インドネシアでのビジネスの難しさを実感している。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「一緒に働いてくれる人たちと“郷に入れば郷に従え”という形で
できる限りいい方向に持っていけるようにやっていく。
成功するまで日本に帰れないかもしれないという覚悟でいる。」