自分が大昔に書いた「演出」の方法論を読んでいて、演出術についてもう少し書いたほうがいいかなと思ったので補足してみる。
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基礎練習を応用することを考える。
ここでいう、基礎練習とはスローモーションやストップモーション、滑舌、ストレッチングなどのことだ。
スローモーションやストップモーションをうまく使うと、言葉で説明するよりも心理がうまく表現できることがある。
人が驚いたときは、「驚いた!」とは言わない。凍り付いて(ストップモーション)、体の動きがゆっくりと解凍して(スローモーション)、最後に興奮して早口になる(滑舌)。
逆に言うと、なぜこのような基礎練習をしているのかを意識しながら参加しているタイプが演出に向いているともいえる。
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音楽を先行させる
曲のイメージから、演出を決めていくやり方だ。一時期すごくはやって、うるさくて仕方がなかった。日本のテレビドラマも昔はイメージフイルムの羅列か、と思わせるドラマがあったものだ。
テレビドラマでいえばこのシーンになるとこの曲が流れて、というような使い方だが、注意がある。
曲を聞かせてはいけない。曲は盛り上げるためのものなので、聞かせてしまうと芝居が弱くなる。
曲をまるまる一曲聞かせてから、さあ台詞というあほらしい演出のドラマをここ数年何本見させられたことか。
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説明できないことは説明しなくていい
登場人物の背景や心理などを、演出家はある程度押さえておく必要はあるのだが、全部を把握できているわけではない。
むしろ、最初から説明する必要はないかもしれない。
無責任なといわれるかもしれないが、やっていくうちに分かることだってあるのだから。
いや、練習を進めるうちに分かることのほうが多いのかもしれない。
無理に説明して「昨日と違うことを言っている」といわれるよりは、自分の中に全体像が見えてきてから、じっくりと説明するのも手だと思う。
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