演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

座付き作家

2012年09月23日 22時54分43秒 | 脚本
自分の劇団「月虹舎」を
運営している頃、立場は座付き作家兼雑用係で

水戸を離れたら
単純に座付き作家になった。

ただ、残念ながら練習に付き合えず
台本は採用か没かのどちらかに

さらに演出が亡くなって、台本を送る相手もなくなり
劇団は機能しなくなった。


自分がいなくなってから代わりに演出を手がけてくれた
柴沼均(通称:センセ)が演出したのは
わずか3本だったが
いまだに心の中に残っている。

1991年から3年間。
1991「窓ガラスの花」
1992「どぶ板を踏み抜いた天使」
1993「秘密の教室」
最後の秘密の教室の時には
病状も末期でかなり苦しかったのだろう。
ラストシーンの演出の指示がないんですけど
と相談されたのを思い出す。

いくらでも書き直したのに。
センセのためなら。
というか、いい芝居を作ろうとしているのならかな。
いまだに、秘密の教室だけは
書き直したくなる。
ただ、どうしたいって、聞く相手がもういないだけなのだ。

こんなことを書きながら、思い出した。
センセの葬儀のときに
センセの魂がいたのを。
そして、その魂がふっと消えたのを。

お彼岸だから、過去のDVDを観たくなったのかな。
演出は、センセのほうが面白いのはなぜなんだろう。
自分よりうまい演出は、ちょっと悔しいかも。


高校生と付き合って
台本に関して反応がいつも少ないのだ。
書き直すという
当たり前の手段があるのだが
言いにくいのかなあ。

葬儀のときに涙をこらえて
こらえ切れなかった息子さんは
どうしているのだろう。
お父さんは素敵な人でしたよ。


コメント
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