MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

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“MAYU CLUB” ~まゆみの絵本棚~ は絵本の読み聞かせにハマったMAYUが、絵本やインテリア、自分の育児などについて思ったことを綴っています。 高3の息子と中1の娘の母で、現在は学校図書館で司書として働いています。

通教生の教育実習体験記

2001年06月19日 | 通信制大学(通教)
2001年5月28日~6月9日まで
母校へ教育実習に行ってきました!

中・高一貫の女子校での2週間。(現在は4週間)
初めてばかりが襲いかかる毎日…
そんな私の教育実習の体験をまとめてみました。


教育実習まで……

2000年の春、「教職をとる!」と言い出して
卒業を延期し、1年間みっちり教職の勉強をしました。
そして無事、教育実習を受ける事になったのです。
当時は、一科目でも指定科目を落としたら
実習が受けれなかったので、ハラハラドキドキしていました。
毎回の科目修得試験はプレッシャーとの戦いでした。
「頑張らなかったら受からない」
それが当時の座右の銘にもなっていました。

実習の1年前から母校と連絡をとり、
実習校を確保していました。
もし春に受けれなかったらどうしよう?!
と、不安にもなりましたが、
そうなったたその時考えればいい。
とにかくやりました。そして実習をうけるところまでこぎつきました。


打ち合わせ

2001年の初夏の教育実習生は10名以上で
例年より人数が多かったようでした。
国語科は私だけで、あとは英語、社会、理科、音楽、体育などが複数でした。
ほとんどが卒業生でしたが
「卒業生の気分で教育実習に臨まないように!」
と強く言われました。

そう、母校だからといって、甘えは通用しないんです。
母校だからこそ、自分にけじめをつけなければいけません。

打ち合わせの日に、担当教員の先生(以下、担当教員)にお会いし、
教える時間数、範囲、クラス、などを教えてもらいました。
私は高校2年生のHR(ホームルーム)を受け持ちながら
古典1クラスと現代文を2クラスに教える事になりました。

・HR担当 高校2年*組
・国語2(現代文)(随想)高校2年生 2クラス
・国語1(古文) 高校1年生 1クラス


実習初日

とにかく緊張しました。
着慣れないリクルートスーツで教壇にたって
自己紹介をした時は、とてもドキドキしました。
今まで教壇のあの高い位置に立つ事がなかったからです。
生徒44人がみんな私をみていて、とにかく緊張でいっぱいだったので
5分ほどのSHR(ショートホームルーム)がとても長く感じました。
とにかく明るく、誠意をもって取り組む事を心がけました。

その後、校長先生方から説明を受けて
学校の教育方針などを教えてもらいました。
実習生とは言え、生徒から見たら先生。
扱いも先生と同じです。
説明を聞いているうちに、実習の重大さがドドーンと押し寄せてきました。

「私、2週間ちゃんとやっていけるのかしら…」

不安ばかりが募っていきました。


初めての授業

なんと初日から授業をする事になりました。
普通は授業見学などを終えてからなのですが、
「場数が大事」ということで、なにもわからないまま実習に臨みました。

初日は現代文だったのですが、
どうやって教えたらいいのかがわからず、
事前に計画立てておいた「本文通読」「漢字」「作品の感想」
を中心に授業を進めていきました。
担当教員は後ろで私の授業の一部始終を見ていました。
私は先生が授業を後ろでみているとは思ってもみませんでした。

オロオロとした授業、現代文を5時間で終わらせる事ができるのか…
随想を担当したけれど、なんとなく読みにくい。

「こんなのを私が教える事ができるんだろうか…」

初回の授業はHRのクラスだったので、生徒も大人しく聞いてくれました。
随想のおもしろさを知ってほしい。
そう思ってとりくんだものの、うまくいかないまま1時間が終わってしまいました。


担当教員と打ち合わせ

授業が終り、帰りのSHRを終えた後、私は担当教員と話し合いました。
今日の授業の感想です。
授業そのものをどうすすめたらいいのかが明確でなかった私。
自分が思い描いていた事と、教える事はずいぶん異なっていました。

まず注意された事が「板書」です。
生徒は先生が黒板に書いたことを写します。
私は黒板はメモ書きのように扱っていたので
生徒は「先生はなにがいいたのか?」
という様子だったようです。
黒板にかかなくても、生徒は授業を聞いて大事な点は
自分でメモをする……そう思っていた私が甘かったのです*

板書は国語科では大事な事。
後ろの生徒にまで見やすい字、
あとでノートをみたら、なにを勉強したかがわかるような
そういった板書を心がけなければいけません。
そういえば、試験前によくノートの貸し借りをしました。
それくらいノートに書かれていることは大事だったのです。
板書がすべてではないけれど、板書はとても大事な事だと
この時初めて知ったのでした……


授業は続くよどこまでも

教育実習二日目にしても、授業は続きました。
今度は古文の授業もあります。
私は大学では「近代」を勉強しています。
けれど、国語の先生は古文も教える事ができなければいけません。
「私の専攻でない」というのは通用しないのです。

まずは本文通読。わからない古文単語などにチェックを入れてもらいました。
古文のクラスは少しおしゃべり好きな生徒が多く
私はおしゃべりを始める生徒に動揺してしまいました。

「どうしよう?!おしゃべりを始めちゃった!!」

なんで黙って聞いてくれないの?!
そう心の中で叫びながら、教壇の上でオロオロとしながら
授業を進めたのでありました。。。

そして初日にやった現代文の授業を他のクラスでもやりました。
同じ事をやるといっても、クラスの雰囲気が違います。
クラスの雰囲気なんて考えてもみなかったので、
おしゃべりを指摘してもまたしゃべり出す生徒に
ただただ動揺してしまうという、同様ばかりの二日目でした。


担当教員はおしゃべりに動揺している私をすかさずチェックしていました。
そして
「クラスそれぞれに特徴があるから、それを把握して」
ということを教えてくれました。

おしゃべりが多いクラス、大人しいクラス、
いろいろあります。ちょっとしたおしゃべりくらいで
動揺しているようでは、教員にはなれません。
もっとスムーズにいくと思っていた授業も
思うようにいきません。
生徒がわかっているかも確認しなければいけない。
わかっていなかったら、どうやってわかるようにするか?
または、自分の教え方が悪くないか?
などを考える事が必要だと痛感しました。

教員にはむいていない……
そんな言葉もちらほら出てきて、精神面でも一番辛い時でした。


バレーボール大会

実習校はイベントの多い学校でした。
バレーボール大会を中学、高校と行い、
高校を担当している私は、高校の全校生徒の中で
生徒たちのバレーボールの試合の応援を夢中になってしていました。
私が生徒にできることは、これくらいしかなかったのです。
合間、試合でも対戦相手などの確認があり、
先生はいろいろなところで仕事があるんだと痛感しました。

途中、雨がポツポツ降ってきて、大会の中止が予想されました。

私は側にいた先生に
「先生、生徒は頑張って練習してきました。ですから大会を再開できないのですか?!」

そう感情的になって言うと
「もし雨で足を滑らせて、試合中にケガをしたらどうする? 
 生徒の試合したい気持ちはわかっても、教員は事故を未然に防ぐ事も
 考えなければならないんだよ」

という言葉が返ってきました。
その時、生徒の気持ちの応えてあげたいけれど
それができない時もある……けれどそれは生徒のためであること。
そんな教員の立場を初めて知りました。

私はなんて甘いんだろう……

高校時代はそんな事は全く気が付きませんでした。
そして実習生になって初めて気がついたのでした。

幸い、校庭はゴム製のグランドだったので、
雨が上がったあと校庭の水分を吸いとって
試合を再開する事ができました。

なんと高校生全体の試合の中で、2年生にもかかわらず、
私の担当するクラスが優勝する事ができました!
もう自分の事のように嬉しくてたまりませんでした。
生徒の頑張りが結果にでたことが嬉しかったのです。

生徒がボールを必死に追いかける…
勝った喜び、負けた悲しみ……
いろいろな涙をみてきました。
学生時代は、集団で1つの事にむけて頑張る……
こういった事ができるので素晴らしいと思いました。
そしてこれらの行事には、必ず意味があって行われている
という事も教えてもらいました。


どこまで踏みこむ?

バレーボール大会も終り、次は音楽祭というイベントが待っていました。
これはクラスで歌を練習し、発表をします。
厳しい審査の結果、学年ごとに金、銀、銅の賞が与えられます。
実習校はこういったイベントが多かったので
生徒は協力し合って放課後もよく歌の練習をしていました。

私は歌の練習に立ち合って
「もっとここは気をつけた方がいいよ」
などアドバイスをちょこちょこしていました。
けれどあまりにも過剰に指示をしすぎ、
アドバイスをする事を躊躇するようになりました。


ダメかも…

あまりにも授業内容がひどいため、
担当教員は授業内容に呆れてしまいました。
それは50分で行う授業が粗雑で、行き当たりばったりだったからです。
それなりにやることは決めてはいたものの
それらはおおまかで、授業になると、ケアレスミスの連続でした。
今回の授業で何が大事なのか?
それを踏まえた授業ができていなかったのです。

この件でかなり担当教員に辛口なコメントをもらいました。
自信を持って臨んだ授業も、見事崩れ
自分のやってきた勉強も覆されてしまいました。
凹んでいる時にガツンと言われた一言が
私を直撃しました。

辛くて辛くて、どうしようもなく、
もうダメなんじゃないかと何度も思いました。
けれど生徒の前ではそれはださないと心に誓っていたので
表にはださないようにしていました。
けれど思い出せは出すほど辛く、
自分のできの悪さがただ悔しく、何もできない自分が情けなく
自分に自信をなくしてしまいました。


教育実習、無理かも……

そう思った時、今までの事を思いだしました。
卒業を延期して、教職を取り始めた事、
実習に間に合う様に試験をパスしていった事、
教える事に携わりたいという夢……
いろいろな事を思い出しました。

そしてしばらくして、ペンをとり
授業計画表を書き直し始めました。

へこたれちゃいけない。
なんのためにここまで頑張ってきたか
思い出してみよう。
たくさんの事を犠牲にして、ここまでやってきたんだ。
こんな所で諦めてどうする??
今ここで諦めたら、一生教員なんてなれない。

もしこの教育実習をまっとうできたら
自信に繋がるかもしれない。
頑張ろう。負けないで、最後までやってみよう…!!

ペンはどんどん走り始めました。


「**しなさい!!」

この言葉は生徒が嫌う言葉です。
歌の練習をしない生徒がいたら、よく歌うように指示していましたが
はたしてそれでよいのだろうか?
そう思うようになったのです。
音楽祭が近くなれば、イヤでも練習をやります。
私が口で言うより、生徒に気づいてもらった方が
ずっといいのでは??と思い、アドバイスは最小限にして
放課後はそっと歌の練習を見守る事にしていました。
だんだんクラスがまとまっていく姿を見て

「ああ、私が言わなくても大丈夫」

と、少し安心しました。
けれどほっとくのでなく、いつも側でみていました。
言いたい事はたくさんあったけれど、敢えて言わないようにしていました。
なんでも言えばいいんじゃないんだなと……


落ちついて、ゆっくりと、丁寧に……

私は授業をする時にいつも緊張していました。
そして不安とプレッシャーでいっぱいになってしまいました。
その結果、ケアレスミスを生徒に指摘される始末…
不安そうに授業をする先生を見て
生徒は「この先生、大丈夫なのかしら?」
と不安げに思っていたでしょう。

板書は少しは書くようになりましたが、
それでも書く内容は要点が絞れていませんでした。
大事な事をノートに書くのに、
私はただただ板書をして、どこか要点かが
明確になっていなかったのです。
そして私自身の、作品への読みこみの浅さも痛感しました。

自分がわかっていなくて、生徒がわかるわけがない。

こんな状態で授業なんて続けていけるのだろうか?
頑張ってもそれが授業に繁栄されない*
どうしたらいいんだろう…

そんな時、担当教員がこんな事を言ってくれました。

「あなたは緊張すると頭が真っ白になってしまいがちだから
 まずは落ちついて、ゆっくりと、丁寧にやってごらん」

……なんだか一筋の希望の光のような言葉でした。
今まで何とかしなくちゃ!と足踏みばかりしていた気がしました。
そう、少しずつでもいいから前へ前へ
着実に進んでいこうと思ったのです。

この言葉が私の支えとなり、混乱しそうになったときも
自分に戻って、心の中で唱えるようになりました。


板書の字

実習も半ばをむかえた頃でした。

教え方ももちろんですが、
板書の書き方にもまだまだ問題点がありました。
ふだん黒板を使わない私には、チョークを使って
文字を書く感覚がありませんでした。
字はなんとなく頼りなさげでした。

ある日、誰もいない教室で模範授業をしていました。
ひとりで授業計画表を読みながら授業を進めていたのです。
そして授業を進めながら、板書をしていきました。

一通り、終えて、教室の後ろに立ってみました。
字の大きさはどうだろう??
一番後ろの子には見えるのかな??
やっぱり字があまりキレイでない……
私は担当教員を呼んできて、板書の字をみてもらいました。
すると
「字が少し幼稚な感じがします。丁寧に書いてみては?」

そう言われ、ゆっくりと落ちついて丁寧に書いてみました。
すると

「書けるじゃないか!その字なら読みやすいから
 授業の時も焦らずに書いてみなさい」

と、アドバイスしてくれました。
私の字は、焦りを感じさせる字でした。
そして心の乱れが字の乱れとして出てきました。。
それはどこか自信のなさが感じられ、自分でも客観的に見て
情けなくなってしまいました。

客観的に自分の字を見た事で、いろいろな事が勉強できました。


授業3コマ+見学

私の一日の授業数はだいたい2コマでした。
しかし多い日は3コマあって、6時間の授業の間に
見学などを入れると、とにかく慌しかったです。
前半は教える事で手いっぱいで見学にいけませんでした。
他の国語科の先生にお願いをして、授業の見学へいきました。

授業では高校1年生の古文をやっていました。
授業の進め方をみていると
わかりやすい導入、読みやすい板書、注意点の忠告など
50分間の授業は川の流れのような授業でした。
先生は古文のノートの取り方を説明していました。
ノートに本文を書いて、右側に品詞分解、左側に訳、
下に板書事項を書くことを説明していました。

「みなさん、こうすればテスト前もなにを勉強したかがすぐわかります
 みなさんの先輩でこうやって古文の成績が100点になった人もいるので
 みなさんもやればできます。是非実行して下さいね」

その説明は押しつけっぽくなく、
生徒へ「少し面倒だけれど、こうするとわかりやすいから頑張れ!」
とエールを送っている様に聞こえました。
私は先生のノートの指導を見て、
自分も実行しようと、次回の古文の授業にはノートのとり方を教えよう!と思いました。
見学からはいろいろな事を学びました。


全体を見る

「氷山の一角」
私の授業は皮肉にもこの言葉が似合いました。
全体が見えていない、よって教え方もなにを要点としているかが
わかっていない…なんとなくはわかっている
けれど言葉にしたらそれはなんだろう??

作品の読みこみの浅さ。
それは自分の解釈(誤読)が含まれすぎていて
論理性に欠けるものでした。
これは論文を書く上でもとても大切な事。
苦手としていた事が、教育実習でもでてしまいました。
間違った事を教えていては、国語の先生になれません。

言葉ってなんて難しいんだろう……

私は国語というシンプルに見える科目が
実はものすごく奥の深いものだという事に、この時初めて気がついたのです。
目先の事ばかりに捕われていた私は
授業のスタイルを変えました。
今までやった授業を全部チャラにしてほしい!!
そう思いましたが、そうもいきません。
これから今までの部分をサポートしながら、授業をすすめなければいけないのです。
再度、授業計画表を書き直しました。

そしてクラス全体を見ること。
おしゃべりをしている人、
教科書をだしていない人、
これから勉強をするという気持ちにするためにも
授業をはじめる前、クラスがうるさいと
授業を始めなかったりしました。
それは少し厳しいかな??と思いましたが
実習生だからやさしく……なんて事はありません。
クラスの雰囲気をつかむように試行錯誤しました。
お弁当前の4時間目、お昼休みが終って開放的な5時間目、
やっぱり生徒の授業を受ける姿勢も異なってきます。
そういった事も、全体を見れる様に…
そう心がけました。

すべてに関して、全体をみることを……


余裕

授業をどうやったらいいかわからない……
初日の授業に比べると、だいぶ自分自身が落ちついてきました。
実習も折り返し地点にさしかかったあたりから
だんだんクラスが見えてくるようになりました。
落ちつく事や、クラス全体を見ること、
国語の教師としてはまだまだ足りない点が山ほどありましたが
まずはできる事から始めてみました。

ちょっとした事を実行するだけで
授業の雰囲気が変わります。
いろいろな先生の授業を見学し、
見習うべき点は授業に取り入れるようにしました。
教材研究もしっかりできていた時は
ずいぶん自信を持った授業ができるようになりました。
それでもまだ無駄な部分もあったけれど

「自分のよくない部分は訂正すればいい」

そう思えるようになったのです。
ビクビクしていた始めの頃より、だいぶハプニングなどの
対処の仕方がわかってきました。
生徒に「この先生、大丈夫なのかな……」
そう思われないように、自信を持って授業をするようになりました。
担当教員からも
「今日は今までの中で一番よくできていたよ」
と、反省会の時に言われ、嬉しくてたまらなかった事もありました。

漠然としていたものが、形となってきたのです。
まだ中身は十分ではないけれど
形もなかった初日に比べると、ずいぶん進歩してきました。

少しはよくなってきたんだ…!!

そう思うと、なんだか頑張りもきくのでした。


研究授業の準備

教育実習の最後の方に「研究授業」というのを設置します。
たくさんの先生方に授業をみてもらうのです。
これが教育実習のメインともなるもので、
この授業をするのに、学習指導案を書きます。
どんな教材を使っていて、どんな事を目的としているのか?
授業計画表も清書して提出します。
それを先生方が見ながら、授業を見学するのです。

私はこの指導案を書くのに四苦八苦してしまいました。
最後の最後までなかなか仕上がらず
担当教員にずいぶん迷惑をかけてしまいました。
指導案の字が雑ならば、そればボツ。
人に見せるものなのだから、キレイにかかなければいけません。
指導案がギリギリまで提出できなかったため
国語科の先生方には迷惑はかけるし、担当教員も迷惑をかけっぱなしでした。
事前準備が粗雑だったつけがまわってきてしまいました。

最後はなんとか当日に印刷をし、先生方に指導案を渡す事ができました。


研究授業直前

研究授業は最後の最後、金曜日の6時間目の現代文に決まりました。
私はドキドキと不安でいっぱいでした。
それは授業の内容に納得がいかなかったからです。

こんな授業を研究授業に扱うなんて……

そう思うと自分のできの悪さが悔しくてたまりませんでした。
この情けない状態で、どうやって授業をすればいいのだろうと、
気持ちは沈む一方でした。
しかし授業を進めなければいけません。
完璧なんて無理。
なら、今の自分がもっているものを
この実習中に学んだ事を、精一杯研究授業で出そうと思いました。
全体を見ること、落ちついてゆっくりと丁寧にする事、笑顔で授業に取り組む事、
完璧でなくていいから、等身大の自分で取り組もうと。。。

配布物を確認し、出席簿をもって、教室へ向かいました。


研究授業

研究授業は自分の担当するクラスで行いました。
授業内容は、高校2年生の現代文(随想)の最後の場面とまとめです。

いつものように、出席を確認して、
今日勉強する事を簡単に説明し、
配布物の説明をしてから配りました。

クラス全体に聞こえる声で
「今日も一緒に頑張ろう!!」
そんな気持ちで授業に取り組みました。
途中からどんどん先生方が見学にきましたが
そんなのは関係ナシ。
クラスの生徒44人と、私とで授業を進めていきました。

思ったより緊張もせず、自分らしく授業ができ、
研究授業を終える事ができました。

自分のHP担当のクラスで授業を終える事ができ、
涙がとまらず、情けないとことを見せてしまいましたが
生徒ひとりひとりがとてもかわいく、
辛い事もあるけれど、教員とはとても遣り甲斐のある仕事だと思いました。

その後の反省会ではプリントの生かし方など、
プロの国語科の先生方のアドバイスをいただきました。
私一人のために貴重な時間を割いて下さった国語科の先生方に感謝です。


教育実習の感想

授業は中身はまだまだで、納得のいかない部分もたくさんあったけれど、
教育実習は完璧な授業をする場所ではありません。

机上の勉強からは学ぶ事のできない事を
現場で学ぶ事が重要だと思います。

教員は社会人なので、教育実習は、社会勉強の場でもあるとも言えます。

この実習から得た事は数え切れません……

これでいいんじゃないか??

今回の反省点を次に繋げていけば
今回の教育実習は◎をつけてもいいと思いました。

私は授業としては、いい内容を教える事ができなかった気がします。

けれど、一生懸命さなら負けない!!

それが生徒に伝わったら、
できない人間が、なにかをこなそうと頑張っている姿になにかを感じてくれたら
教育実習生にしかできない事を、教える事ができた気がします。


教育実習を受けて本当によかったです。
教える事に携わりたい気持ちが、更に強くなりました。

そして教える事だけでなく
これからの生き方なども、この教育実習を通じて学べた気がします。

教育実習で学んだ事を、今後もいろいろなシーンで
生かしていきたいと思います。


……たくさんの人に支えられて……

私が実習中に一番お世話になったのは
担当教員の先生でした。
先生は厳しい面もありましたが
毎回反省会を快く開いてくれました。
よって私の授業への注意点などを
適確にアドバイスしてくれました。

そして国語科の教員になるためにはと
今現在の実習以外にも
「教員とはこういう事をする」と教えてくれました。
なにかを教えるには雑学が役に立つ事など、
これからどんどんいろいろな事を経験するよう
指導してくれました。

実習校の母校でも
校長先生を始め、先生方には本当によくしていただきました。
「実習はどう??」と声をかけてくださったり、
授業見学にも快くOKをしてくださいました。
「あんなにちっちゃかったのに 
 こんな教育実習ができるまでになって……」
と喜んでくれた先生、私こそ嬉しかったです。

共に励まし合った実習生の仲間、
辛い時も「頑張ろう!!」と声をかけてくれた事、
とても励みになり、みんなを見ていると、
「辛いのは私だけじゃない!!」
と頑張りがききました。
とても恵まれた環境だったと思います。

かわいい生徒たち、
私はたいした事をしてあげられなかったけれど
教える事の楽しさを、生徒たちを通じて学びました。
ぎこちない授業ばかりだったけれど
快く受けてくれた事……とても嬉しかったです。
高校生活、存分に楽しんで下さい。
なにか進路等の事で悩んでいたら、いつでもメールして来てください。

他にも両親や仲間や友人にも励まされ、
なんとか教育実習を無事、終える事ができました。
実習を終えた事で、
「私はやればできるんだ!!」
そういった気持ちが以前以上に強くなり、
自信がついてきました。
院試等もこの気持ちをもってはげみたいと思っています。

本当にありがとうございました!!


教育実習Q&A

1Q.実習校はいつ頃確保すればいいですか??

1A.だいたい実習をする1年前から、連絡をしておくといいと思います。
  母校が一番有力です。それがダメなら、住んでいる地域の学校に問い合わせてみましょう。


2Q.教材研究ってなんですか??

2A.教材研究とは授業する内容の勉強をする事です。
  教材を読みこむ事や、なにが大事で、
  どうやって教えていけばいいかなどを研究します。
  基本的には実習が始まる前にやっておくものです。


3Q.教育実習の時はどんな服装をしていけばいいですか??

3A.学校によりけりですが、リクルートスーツのような感じがいいと思います。
  学校によりけりですが、私の実習校はピアスが禁止でした。
  学校に服装の事は聞いてみましょう。


4Q.睡眠時間がないというのは本当ですか??

4A.これは人それぞれですが、私は体調には気をつけたので
  睡眠はしっかりとりました。
  その分、起きている間は実習の勉強に専念する事にしました。
大事なのは、それくらい勉強しなさい!という事です。


5Q.生徒とどうやってコミュニケーションをとればいいですか??

5A.できることからやってみる事をオススメします。
  挨拶、掃除などは積極的にやってみましょう。

  
6Q.生徒の顔と名前を覚えないとダメですか??

6A.ダメではないですが、覚えていた方が生徒も嬉しいと思います。
  私は顔覚えが悪かったので心配していたのですが
  必死になって覚えました。話した時に名前を聞いたりもしましたよ。


7Q.生徒と友達みたいに話しても平気ですか??

7A.これはあまりよくないです。実習生も先生です。
  どこかできちんと一線をひいておくべきです。
  友達ではなく実習生という事をわきまえましょう。



~教育実習中、心がけていた事~

挨拶

生徒に、先生にと必ず実行していました。
廊下ですれ違ったら挨拶をするなどしていたら
生徒から挨拶してくるようになってきました。
すごく単純な事ですが、とても大事だと思います。
実際、挨拶がよくできていたと、最終日に誉められました。
そんな事をみていたなんて……と驚きました。
みなさんも是非是非実行してみてください。


掃除

特に教室を中心として掃除をしていました。
自分が使った教室はキレイにするべきです。
そしてここでも生徒とコミュニケーションがとりやすいので
掃除をきっかけに話を始める事もできると思いますよ。
これは毎日かかさずやりました。


イベント練習

実習校は音楽祭の練習を生徒がやっていたので
いつも練習の場にはいるようにしました。
いるといないとでは全然違います。
クラスの動きも見えてきますし、雰囲気もわかってきます。


誉める、注意

頑張っている時はよく誉めました。
応援の言葉をちょっとかけたりなどを実行していました。
逆に風紀面での注意もしました。
注意はしづらいものですが、生徒の違反を先生が注意をするのは当然の事です。


服装

自分の服装にも気をつけました。
髪はまとめたり、清潔感のある髪型を心がけました。
また、スカート丈なども膝が隠れる程度の地味な色のものをチョイス。
マニキュアなども落ちついた色にしました。
学校の行き来の間は、携帯電話を極限使わないようにしました。
携帯メールをしている姿は、傍から見てあまりいいものでないので
ちょっとした行動も気をつけました。


実習日誌、実習ノート

実習日誌は毎日記入しました。
実習ノートは、授業の予定をまとめたり、
板書事項をノートに整理したり、大活躍でした。
B5サイズの分厚いノートにぎっしり書きこみました。


くっつきメモ

あるとなにかと便利でした。
プリントなどを何枚刷るかを書いたり、
教科書や資料集にペタペタつけていました。
授業の時もスムーズに資料を開く事ができます。
色が何色かわかれているものがいいですね。


笑顔

これだけはいつも絶やしませんでした。
明るく笑顔でいると、生徒にも気持ちが伝わってきます。
例えつかれていても笑顔で対応する事を心がけました。
笑う門には福来たる?!


情熱(passion)

どんなに辛くても、自分の授業がダメでも
何事にも情熱をもって取り組みました。
例えそれがうまくいかなくても、努力を惜しまない!!
情熱(passion)が私を助けてくれました。