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ロンドンから徒然に

Japan is indeed back

2014-12-14 | 日常
 どうにも歯切れの悪い日本のマスコミに比べると欧米の、ことにイギリスのそれは政権に対してずばりと言い切ってしまう。いや、正確には真正面から一刀両断というよりも、側面から皮肉たっぷりにやっつけるので、権力者にはより忌々しい存在かもしれない。

 タイトルに付けた“Japan is indeed back”もThe Economistからの引用だけれど、実はこの後に“ – in recession”と続く。“Japan is indeed back – in recession”
 もちろんこれは安倍首相のスローガン「日本を取り戻す」を皮肉ったもので、「確かに日本は取り戻した」しかし「不景気を」ということになる。

 Abenomicsに関する評価は、このようにこちらでは失敗(特に“第三の矢”が)と見なされているのが一般的な論調のように感じられる。
 日本では?

 この選挙結果を見ると高く評価されているということ?確かに大企業や株をたくさん持っている人達への恩恵が大きいのは理屈として分かるけれど、少なくとも僕の周りの日本の友人達で景気の良さを実感している人達は少ない。(貧乏人ばかり友達なんだなんて悪口は言わないで)

 とすれば、政権が言うように、結果が出るのにもう少し時間がかかるけれど“この道しかない”やらしてくれ(そもそもこの言い訳自体が、現時点での失敗を認めているということになると思うんだけれど)ということを信じているのかな?

 ……などと色々考えていると、ふと疑問に感じること。

 そもそも時間が必要だと言うけれど、別に解散しなくてもまだ2年は思うように政策を実行できるんじゃないのか。(“もう少し”というのが4年間と言うのならば、逆にそんなに長い期間皆は待てるの?)その後で選挙というのが、正しい審判の在り方では?

 それに最初に争点と言っていた(あれっ、そう言えばいつの間にか争点はアベノミクスということになっているなぁ)消費税の先延ばしも、取り立てて選挙で“信を問う”ことなくても、法律改正で実効できるんだし(それこそ両院で多数を占めているんだからやれるじゃないか)、そもそも消費税の先延ばし(良いか悪いかは置いといても)に真正面から反対している野党っていたんだっけ?

 ……こう考えてくると、疑い深い僕としては、やっぱり真の目的というのは違うことなんじゃないかと思えてくる。
 国防政策、原発の再稼働(あぁ、これも殆ど論点になっていない。被災地の人達はどう感じているんだろう?)など世論的に割れそうな議論が本格化する前に、そして野党の体制が整わない(本当に情けないな、これまでの2年間何してたんだ)うちに、無理矢理な理屈で解散をしかけて本当にやりたいことを実効する……

 “本当にやりたいこと”……こわいよね。
 日本が戦争のできる国になって、またイギリスのマスコミに“Japan is indeed back – ●●●”なんて書かれたくないなぁ。



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