気の向くままに2

その日の気分で、思いついたことを書いていきます。

「はじめて」旅日記⑧ 雪の金閣寺

2005-12-15 20:30:49 | yaplogから

12月6日(火)旅行3日目は、朝から晴れ女のプライドをズタズタにする悪天候だった。
宿を出発する時には雨だったのに、
金閣寺(世界文化遺産3つ目)へ着く頃にはぼたぼたの霙に変わっていた。
体に凍みる寒さだ。
みんなガタガタ震えながら回遊式の庭園を金閣寺の見える場所まで歩いた。
誰かの口から「こんな思いしてまで見る必要あるのー。バスで待ってちゃ駄目かな?」
と言うボヤキが漏れた。
私は高校時代修学旅行で金閣寺に来たことがあったが、
その時は金箔で飾られた派手さが好きになれず、
同じ時に見た銀閣寺の渋さの方が好みだったので、
まさに彼女と同じ気持ちだった。
ところが、雪で屋根を覆われた金閣寺が見えたとたん、
そんな思いは吹っ飛んだ。
雪の中の金閣寺は他を寄せつけないような品格さえ漂わせていた。
三島由紀夫の『金閣寺』の主人公の若い僧侶がその姿に魅入られ、
放火してしまった気持ちが「はじめて」理解できたような気がした。

雪の中で紅葉している木々たちも静謐な美しさだった。