満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

ミステリアスな毎日を( ゚Д゚)過ごしたい

2017-10-15 18:03:16 | 人間

先輩Kは定年退職し、サンデー毎日、つまり毎日が日曜日。酒販会社に勤めていたらしいが、本人はまったく酒はだめと言う人物だ。酒販会社の営業部長だったというが、アルコールを受け付けない体で、営業業務に支障はなかったのか?「後輩が酒豪揃いで、しっかりカバーしてくれた」と、笑うが、逆に飲まないから、相対性理論で営業がうまくいったのかも知れない。「それはあるかも!」と、彼の笑顔はいつもまぶしい。先輩を見ると、営業はデータ型にはまらず、人間性の部分も大事だなと改めて思う。

その先輩の現在の楽しみはテレビのミステリー劇場ととサウナと言う。毎日午後のサスペンスを見てから、サウナがある銭湯に通っているらしい。「二つのチャンネルで、13時と14時から始まるミステリー劇場がある。朝、新聞を見て、どちらにするか検討。14時からのがミステリが本命でも、一応13時からのミステリを見て、それが面白かったら14時からのやつを録画する」と楽しそうに言うのだ。

そこで俺は偉そうに言う。「番組が始まって30分経てば犯人は分かるでしょう?」、「え~、そんな馬鹿な。それが分かれば最後まで見ないよ」、「いや、もちろん、動機や殺害方法、アリバイトリックなどは分かりません。しかし、配役を見ると一目瞭然じゃないですか。この大物役者が最初にちらっと出てきて、それで終わりなんて考えられないじゃないですか?」

「ええ~、そうなん?そういえばまったく知らない俳優が犯人ってことはないな、なるほど…」と、彼はそれを初めて知ったような表情で言った。「し、しまった!つまらんことを言ってしまった。純粋にミステリ劇場を楽しんでいる先輩に対して、俺はなんてことを!」と、思っていたら、先輩は、「ははは、そんな顔をしなくても、俺はちゃんと分かっていたよ。でも、楽しい時間は無心になって見ることにしているんだ」、そ、そうか。俺は何にしても先読みして恰好をつけるところがある、本当に嫌な人間だなあ~と、しばし、自己嫌悪に陥った。

でも、最初から犯人が分かっていて、それを確認するだけの番組は見たくない。たとえ演技力に問題があるにしても、ミステリ劇場は予断を許さない配役にしてほしい。外国モノはそれが分からないから重宝する部分もある。ミステリーはやはりどんでん返し、意外性があってこその醍醐味だ。しかし、先輩に言わせると、「水戸黄門と一緒で、物語が想像したとおりに進むと安堵するんだよ。日本人はそこを好むんだ」と言う。う~ん、確かに先輩の人生は絵に描いたように安定している。

どんでん返し、意外性…。おそらくそれで自分はお金が貯まらないんだろう(いやいや,ほかにも問題はたくさんあるー笑)。でも、人一倍ミステリな毎日を過ごした。その物語に出演してくれた皆さんには、これから恩返ししたいと思う。飲み会はまかしとき!ということで、最近、昔の知り合い、友人にメールを送りまくっている(苦笑)






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