満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

日本のミステリ小説もおもしろい!自分的ベスト5

2017-08-05 23:23:46 | 読書
温泉の色も様々、ミステリに富んでいる…

旅の移動中にと読みだしたミステリ小説。あるサイトに感想文を投稿していたら、なんと800冊くらいになった。投稿していない分もあるから、1000冊は越えているだろうと思う。しかし、ミステリ小説の犯人は当たらないね~。特に、アガサ・クリスティーの本はほとんど当たったためしがない。さすがミステリの女王、いや、自分の中では世界一のミステリ・キングだと思っている。

最近は日本の作家もおもしろい。若いころ、江戸川乱歩や、横溝正史、松本清張を読み漁り、その後20年くらいは全くミステリを読まなかったが、読書を再開して、日本にも本格ものの枠にとらわれない、凄い作家が続々登場していることを知った。つまり、ミステリだから犯人探しは当然主流だけど、その過程が現代的で、泥臭くなく、華麗で鮮やかな推理小説がたくさん出ている。

近代推理小説の開祖と言われたアメリカの小説家、エドガー・アラン・ポー逝去から180年余り。その間、世界のミステリ作家が知恵を絞って考え抜いたミステリのネタはすでに出尽くした感があり、あとは物語の謎をいかに効果的に見せ、納得させるか。エンディングは当然ミステリの華だが、そこに至るまでのプロセスが重要になってくる。例えば、占いをメインとしたミステリなら、それを書く作家は、占い師が開けるまでの知識容量が必要で、本を書く準備に相当な時間を割かなければ、現代のミステリは書けないのだ。

映画俳優のトム・クルーズは、「カクテル」と言う映画では本物のバーテンダー以上の技術を披露したし、「ハスラー」では、ブロとも互角以上のビリヤードの腕を取得したという。彼は危険な撮影でもスタントマンを使わないことはしょっちゅうあり、映像に嘘くささがない。だから演技が真に迫っていて、迫力があるのだと思う。

そういう観点で選んだ「日本ミステリベスト5」、あくまでも、ちょっと変わったおっさんである、私の選択を了承していただきたい。

➀…リヴィエラを撃て…高村薫

本当に日本の作家が書いたの?と疑いたくなるワールド的サスペンスで、内容が濃い。

➁…国境…黒川博行

北朝鮮の内情がこれほど分かる本はない。最初からや終わりまで笑いつぱなし。

➂…第三の時効…横山秀夫

洗練された珠玉の短編警察小説。どれも警察的で、切れ味が鋭い。

④…冤罪者…折原一

この作者得意の叙述トリック。本人も「会心の出来!」と言う。

⑤殺戮に至る病…我孫子武丸

それまでの作者のイメージを180度変えた、エロ・グロものだが、その結末はずっと心に残っている。

純文学は無理?「カラマーゾフの兄弟」を、放棄!

2016-01-29 23:23:25 | 読書


人生初の読書は、小学4年の時に読んだ、「ロビンソンクルーソー」である。
ものすごく貧乏な小年時代だったが、その家にポツンと一冊の本があった。
その本は、家の誰かが小学校の図書館で借りて返本しなかったもので、表
紙の内袋に、借りた時の日付カードが入っていた。


最初はパラパラとめくっただけだが、3度目ぐらいで本の内容に引き込まれた。
主人公が漂流してある島にたどり着き、そこから冒険物語が始まる。主人公を
助ける原住民のフライデーという少年がが好きで、何度もその本を読んだ。し
かし、読書と言えばその一冊切りで、成人になるまで、まったく本を手に取ら
なかった。


それが大阪に出てきて、専門紙の記事にしろ、文章を書くようになって、読書
の必要性を感じた。ちょうど、角川文庫が「横溝正史フェア」をしていて、そ
れが大ブームになった。それらを読破し、外国のミステリも読むようになった。


そこで京都大学出身の先輩が言った。「ミステリなど文学じゃない。純文学を読ま
ないと本当の読書家とは言えないよ」と…。確かにそうだ。俺は今まで世界的な文
学に接したことがない…ということで、いつもの本屋で別のコーナーへ行った。


ディケンズ、カフカ、シェークスピアなどの本を購入して読んでみた。しかし、
なんとか最後まで読めたものの、小説の内容はその国の歴史的背景が大部分を占め、
理解できぬままだった。本を読むことが苦痛になった。自分の学のなさを棚に上げて、
「純文学とは苦痛の文学…」という印象しか残らなかった。やはり、工業高校出では
無理な世界なんだ…と。


それから十数年、相変わらずミステリは読んでいる。全く飽きないし、最近のミステリ
はスケールも大きい。まるでハリウッド映画を見ているような感覚で、読者を楽しませ
てくれる。あるミステリーサイトの会員になり、800冊を超える書評をしているし、今
やミステリは居酒屋巡り、国内旅行とともに、人生に欠かせない娯楽の三大要素になっ
ている。

ある日、よせばいいのに、また純文学に挑戦したのである。ミステリにせよ、1000冊近く
読んで来たので、ある程度素養が備わってきたかも…と。手に取った本は、文学界最高の
一冊と言われるドストエフ・スキーの「カラマーゾフの兄弟」である。あの五木寛之さん
が「人生を変えた」という名作だ。


よせばよかった。確かに色々な教訓は挿入されているが、キリスト教の例えが多く、ちん
ぷんかんぷん。物語は分厚い文庫本の上中下で、これが一向に進まなかった。まずは上の半分
を読んでそれから1年後に再読したが、上を読破するのに3カ月くらいかかった。


半年後に中に挑戦し、三分の一を読んところで挫折。挫折?そう、ブン投げたのである。それ
では悔いが残るだろう、世界一の名作だぞ!まだ中ではないか、ざっと目を通せばいい
…と思うかもしれないが、もうこの本にかかわりたくない。この本を手に取るだけで苦痛なの
である。

俺の手にはおえない。無理だ、土俵がちがう。正直そう思った。また、この本を読破したとて、
何のプラスにもならない…負け惜しみではなく、本当にそう感じたのだ。

確か、カフカもそうだった。俺にとっては奇書に近い。









アガサ・クリスティのベスト3をお薦めする!

2016-01-24 11:43:14 | 読書


若いころから、この世の中は男が支配している…的な意識が強かった。外国の映画などで、
女性の主人公がスーパーウーマン的な活躍をしても、「まあ、現実はそうはいかないだろ
う」と、否定的な顔をしていた。それがいかに時代遅れの偏見だったと悟ったのは、40歳
を過ぎてからである。

国内旅行が好きになり、目的地へ移動するのにミステリを読むようになった。一番初めに手に
したのは東野圭吾だった。20代のころ、角川文庫が大々的に「横溝正史フェア」をして、「犬神
家の一族」や、「獄門島」、「八ツ墓村」の映画が大ヒットしたが、当時は世間のフィバーぶりに
感化されて本を手に取っただけだが、今度は本当に読書が好きになった。

東野圭吾さんの本はほとんど読破し、他の作品もいろいろ読んだ。こう言っては生意気だが、
ここ20年で、日本の作家もあか抜けて来たな…と感じた。赤川次郎が一大ブームを巻き起こし、
それに続く島田荘司、京極夏彦、綾辻行人、有栖川有栖、倉知淳…ここに列記できないほど、
実力派の作家さんが目白押しである。

しかし、だ。ミステリの分野で自分のナンバーワンは、「アガサ・クリスティ」である。これ
は譲れない。いつしか、外国の歴代ミステリも読むようになり、ダシール・ハメット(マルタの鷹)、
エラリー・クイーン(X、Yの悲劇)、レイモンド・チャンドラー(長いお別れ)、ロス・マク
ドナルド(さむけ)など読破してきたが、クリスティにはとうてい及ばないと思う。

アガサ・クリスティ。生涯100もの作品をの残しながら、駄作がほとんどないという「ミステリ
の女王」。彼女の前ではひれ伏すしかない。「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」
「オリエント急行殺人事件」など、世界的に有名なミステリを残してきたが、彼女の本領は、
次のグループの作品にあると思う。

お薦めしたいベスト3は、「検察側の証人」、「葬儀を終えて」、「ナイル殺人事件」だ。この
3作品は、クリスティーのどんでん返し的なおもしろさが堪能でき、その犯人、意外性に思わず
唸ってしまう。

この3作品を読むと、他の作品も読まずにはいられない症状が起きる。クリスティ中毒になるこ
と請け合いだ。でも、この中毒は楽しいよ~。