片山津温泉にある「総湯」は、有名建築家が設計した近代的な建物だった
そういえば、今年は先輩iさんをどこにも連れて行ってないなと思い、北陸の片山津温泉に行ってきた。iさんは、5年前に最愛の奥様を亡くされ、その後は彼の地元の店で(堺市北野田)痛飲し、さらに家に泊まって朝まで飲む。そして、二日酔いの体のまま大阪市天満の家に帰るというパターンが多かった。でも自分も年だし、先輩も相当なお爺さんである(笑)。自然と飲み会が減少し、今年は一度もお会いしていなかったが、常々、「暇~!どこかに連れて行って~」と、電話やメールが入っていた。ちょうど3日間の休みができたので、石川県の加賀温泉郷のひとつである「片山津温泉」に行ってきた。
加賀温泉郷は、粟津温泉、山中温泉、山代温泉、そして片山津温泉の4つの温泉地の総称である。いずれの地も、JR加賀温泉の駅から30分以内で行ける。いずれもバブルの時代に相当繁栄したらしく、ほとんどが大型温泉ホテルで、今は生き残りに必死のようである。宿泊した「松濤園矢田屋」も、総理大臣や有名人が宿泊したこともある名門温泉ホテルだったが、今は「湯快リゾート」が経営している。
しかし、この宿は良かった。建物は古かったが、掃除は行き届いており、フロントや仲居さんらのスタッフはそつがなくおもてなしの粋を感じた。何より、経営者が変わっても料理長がそのまま活躍しているようで、「この値段でこのクオリティーが味わえるの?」と、朝晩の食事で思った。連泊したのだが、初日は7種盛の刺身がメインの会席で、3万円台の料理旅館のような料理が出てきた。
仲居さんにそれを言うと、「ほとんどのお客さんがそう言われています」と、にこにこしていた。税込みで13000円だから、これは驚きだった。2日目は、「料理長おまかせ会席」で、当然こちらもハイセンスな料理が次々と出てきた。「うーん、ここは当りやな」と、味にうるさい先輩も喜んでいた。
「湯快リゾート」は、近畿地区を主とした激安温泉ホテルチェーン(関東では大江戸温泉物語)で、経営ができなくなった温泉宿を再築し、7500円ぐらいの値段で温泉と食事(バイキング)を提供する。しかし、老舗の宿はそのまま会席スタイルで提供し、しかも安価でその雰囲気が味わえる。これは利用する価値がある。他の地区も元・高級宿があるから、また計画を立ててみたい。
2日目は、自転車を借りて柴山潟を一周(8キロ)し、海岸にも出て腹をすかし、片山津温泉内にある「手打ちそば 楠庵」でおろしそばを食べた。これが辛み大根とそば、つゆの相性が良く絶品!オープンして間もないらしくお客さんは少なかったが、人に教えたくなるクオリティーだった。ビバ!温泉旅、今回も楽しかった。