(写真は燕温泉の無料露天風呂)
外国旅行に魅力を感じなくなって、20年。パスポートは切れたままだ。去年、会社の優待旅行(勤続20年)でアジア地域国を選択できる特権があった。総務から、「Мさん、どこにします?」と聞かれ、「いや、いいです」、「は?」、「だから、旅行自体なくてもいいです」、「でもこれは会社の行事ですから」、「それなら、その分の休暇だけください」、「えっ?」、「前例がないなら、僕が社長に言いましょうか?」、「いや、それはいいですけど、今までこの旅行を断った方がいないので。お小遣い三万円が出ることもご存知ですよね…」と、いうやりとりがあった。
中小企業で、社長は同世代の飲み仲間、旅行仲間であり、自分は望まれて入社したものの、契約社員の気楽さ。その社長は、「行ったらややえないか。3泊4日で、飲むなり、食べるなり、全部無料なんだから」と、薦めてくれたが、丁重にお断りした。え~、それは変わっている!あなたはあまのじゃくタイプ、反体制派だろう、と言われても仕方がないが、実際、外国旅行には全く興味がないのである。今、誰かが、明日からパリ7日間の旅を無料優待します~と言っても辞退するだろうな。本当に興味がないのだ。それなら、家で酒を飲み、ミステリを読んでいた方がいい。ただ、ハワイなら、死ぬまで一回行ってみたい気はするが。
自分の興味は日本しかない。それも温泉目当ての旅だ。年がら年中、旅のことを考えているが、最近気を良くしたことがある。ここ4、5年間、新潟の糸魚川から妙高山あたりがひどく気に入って、年に3度ぐらい出掛けていた。妙高山の独峰としての気高さと、その周辺の自然の素晴らしさに参ってしまったのである。妙高山は火山なので、その麓には温泉も結構ある。赤倉、妙高高原、池の平、燕と、メジャーではないものの、個性的な温泉が目白押しだ。
そして、「今年も妙高山を眺めて、雄大な気分に浸りたい…」と思って、観光ページを開いたら、知らなかった…。確かに去年は何も調べず、そのまま現地へ行ったから、その情報には気づかなかった。不覚である。友人にこの地の素晴らしさを事あるごとに伝えていたのに、まさかそういうことになったとは!!!うーん、本当に不覚で、赤面するほどである。
何がそんなに不覚なんだ、勿体ぶらずに、早く言え!、と言われて答えを言っても、皆さんは呆れてしまうかも知れない。興味ある人と、そうでない人との温度差がかなりある話題だからだ。
では答えを言う。今までこの地域は、「上信越高原国立公園」の一角だった。しかし、2015年から、「妙高、戸隠連山国立公園」として、再認定されたのである。いわば一番新しい国立公園であるが、あまりにこの地が美しいから、上信越という広いくくりから独立したのだ。
今まで友人に何度もこの地の素晴らしさを伝え、実際に訪れ、お金さえあればここに住みたい気持ちを表していたが、「Мさんの感覚は素晴らしい」、「旅の達人だ」と言われ、鼻高々、ピノキオ状態(笑)なのである。だから、今年も行く。総勢、7名を引き連れて赤倉温泉に宿泊し、お薦めの燕温泉入浴(標高1200m)、苗名滝、惣滝(このふたつの滝は実に豪快)を案内して、今年前半の旅を飾ろうと思っている。
温泉旅がある限り、前向きで人生が送れている気がするし、「予定」は、希望の光である。