満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

常連になりつつある、あるショットバーにて…

2017-06-28 23:52:28 | 人間
高知駅前にある土佐の3志士、左から武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎の像

今日は先輩との飲み会があった。そのうちの一人は病み上がりであり、無理もできないので7時半に散会、それから家近くに帰ったが、時計を見るとまだ8時である…。普通の8時とはちがう、酔っているときの8時である。

う~ん、どうしょう…。頭の中で小さな葛藤が始まる。『明後日からの長崎旅行を控えて、散財はできない。しかも飲みすぎたら旅行に影響する…』、という常識の声。しかし、最も頭の中を支配しているのは、『何をつまらんことを考えてるんや。二次会に行くに決まってるだろう。今夜は飲みモードなんや!』で、渡ってはいけない信号を迷いなく渡り(住まいの反対)、いつものショットバーに入った(笑)。

このショットバー、まだ5,6回目だが、来るたびに何かが起こる。普通、ショットバーと言うと、スコッチウイスキーのロックをちびちびと飲み、ジャズかサンバか、リズムだけの曲が流れている空間で妄想に浸る…と言うイメージだが、ここはカラオケがないだけで、普通のスナックである。つまり、ママさんや、ホステスさんとの会話でいつも盛り上がっている。

そして、不思議とその話の座の中心に自分がいる。いつ来ても他のお客さんと話が弾み、ある時、店の中に8人の人間がいて、男性は俺だけと言う、ハーレム状態の時もあった。ただ、皆さん、40歳以上の女性ばかりだったが…。

8時過ぎはこの店ではまだ宵の口である(午前05時までの営業)、自分が入店した時はママがまだ来ていなくて、ホステスさんがいろいろ準備をしていた。「あれ、まだ早いかな」、「いえいえ、全然オッケーですよ。Ḿさん、お久しぶりです。高知旅行どうでした?」と、聞いてくる。

「良かったよ。仁淀川、最高に美しかった」と、話していると、30過ぎくらいの女性がひとり、店に入ってきた。「あら、えらい偶然、мさん、このお客様は高知出身なんですよ」と、ホステスさんが紹介してくれる。「え~、高知のどこですか?」、「久礼です。分かるかな…」、「おお、土佐の久礼(くれ)!下車しようかどうか、迷ったところやわ」、「え、何でですか?」、「久礼と言えば青柳祐介の、土佐の一本釣り、やないですか!あの漫画、大ファンでした」、「よくご存じで」、それから高知の話で2時間、ママも来て、そしてその後来店した高知好きのサーファーも来て、大いに話は盛り上がった。

いかん、これはまずいパターンだ。このまま居心地よく、朝まで飲んだらまた飲みすぎて血圧が上がる…今夜は酔う前に理性が働き、ブレーキが作動した。11時過ぎに、「ママ、勘定!」と言うと、みんなが、「え~、もう帰るんですか、まだいいじゃないですか」と、うらめしそうにこちらを見る。しかし、高知の中村で飲みすぎ、血圧が200近くになったことを鑑みて、追いすがる誘惑を振り切った。

「長崎の夜景と、雲仙の温泉が俺を待っているんですよ。また帰ったら、話をしましょう」と、うまく抜け出した。たまにはこんなパターンもいいだろう。明後日からまたひとり旅、3泊4日である。

激安のピーチ航空で長崎に行く!

2017-06-26 23:33:29 | 旅行
特急南風は「アンパンマン列車」だった!

明日から一週間の休み。7月は半ばは繁忙期で、休みが取れても2,3日と言うことで、ピーチ航空の値段を見ていたら、行き、帰りとも3690円の場所を見つけた。行きは6月30日、帰りは7月3日である。これに指定席650円(前から3列目の通路側)、税金を入れると、長崎往復で10330円。よく使う、JRのトクトク切符は、長崎7日間3万円(交通費のみ)と言うのがあるけど、今回はピーチ航空の圧勝である。

行先は島原半島、小浜温泉の国民宿舎(源泉かけ流し温泉に、贅沢プランで一泊9000円程度)に2白し、3日目は長崎市の稲佐山のホテル(素泊まり5500円)で世界新三大夜景をじっくり眺める予定。その間、雲仙温泉に行き、島原市の観光もする。

今年は定番の那智勝浦、山口県長門市、宮城、山形、高知と一人旅をよくしている。「一人旅はさみしいでしょう」とよく言われるが、考えてみれば現在大阪でも一人住まいで、ほとんど違和感はない。むしろ、好きな時に起きて好きな時に食べ、予定は未定、未定は予定の感覚ですごく楽である。若いころは、旅には女性同伴は必須と言う感覚だったが、今は余計な気は遣いたくないし、一人の方がいい。これも老化現象のひとつなんだろうか(笑)

若いころに友人と長崎に行ったときに食べたちゃんぽんの味が忘れられないが、場所も店も覚えていない。この前テレビでやっていたが、本場長崎でもあのチェーン店の「リンガーハット」が一番うまいそうだ。リンガーハットは大阪でもよく利用しているので、わざわざ行くことはないか?

今回は食よりも温泉と観光ー長崎市内と、島原市の普賢岳の噴火などの資料や再現フィルム(悲しい話だが)、しっかり見てくるつもり。いやあ、本当に日本の旅は魅力的である。こんな狭い国に、47都道府県もあるなんて信じられない。また思い出深い旅にしたいものだ。


高知県ひとり旅…➂

2017-06-22 22:47:44 | 旅行
四万十川には数えきれない物語がある!

さあ、今回の旅のハイライトというべきシーンだ。「日本最後の清流」と言われ、いくつかの旅番組や、旅行雑誌などで話題になった四万十川である。しかし、この時点で「最後の清流」は期待していなかった。と言うのも、伊野から中村へ向かう途中の窪川駅近くで、すでに四万十川を見ていたからである。どういうことかと言うと、四万十川はこのあたりから山間に向かい、大きく楕円形を描きながら水のきれいな数多くの支流と合流し、だんだん清流らしくなって、下流の中村へ向かうのである。そう、窪川の地点ではごく普通の、生活排水の混じった川だったのだ…。

国土省の水質調査でも仁淀川の方が上で、それは見た目にも分かる。ただ、四万十川の魅力はその流れ方にある。自分の感想を言えば、仁淀川は女性であり、四万十川は男性であった。四万十川は、長い流れの中でいろいろな物語を積み重ね、下流に物語の結末があるような、そんな流れに見えるのである。川の長さ、流域面積の広さがそうさせるのかも知れないが、とにかくダイナミックだった。(四国で長さは一番、流域面積は二番)

中村から乗った帰りの特急の中で、どちらの川が良かったのかいろいろ考えたが、結論は出なかった。旅行前に求めていた「清流を探す!」と言う観点から見れば明らかに仁淀川である、しかし…。やがて電車は高知を過ぎ、四国山脈の中に入った。

「次の停車駅は大歩危(おおぼけ)です」という車内アナウンスを聞き,そういえば、来るときはこの辺りはずっと寝ていて、有名な「大歩危峡」の景色を見ていなかったのだと思い立った。電車は日本一という切り立ったV字谷の中のわずかな線路道を走っている。すぐ下に大歩危峡の流れがあり、その美しさを目の当たりにした。

「な、なんだ、大歩危峡のこの澄んだ流れは!」と、青き水の美しさに圧倒され、電車がその峡谷を越えるまで(2、3キロ)ずっと窓から川の流れを見ていた。すぐにタブレットを出し、大歩危峡を調べたら、この川は四国一の大河川である吉野川と分かった。そして…、その吉野川が3年連続で全国河川の水質ナンバーワンに輝いていることを知ったのである。

しかし、しかしである。それを知ったとしても仁淀川と四万十川の魅力は色褪せることはない。あくまでも今回の旅の主役はこのふたつの偉大な川であった!いやあ、川好きとしては、本当にいい旅をしたなあ~…。

高知県ひとり旅…その➁

2017-06-21 12:08:31 | 旅行

仁淀川の流れは清く、美しかった。

「かんぽの宿伊野」は、仁淀川の傍にあり、温泉もあるということで初日の宿に決めたが、これが大正解だった。部屋は7階の広めの和風ツインベッドで、真下の仁淀川の壮大な流れに、伊野の街がワイドに見渡せる。食事は土佐の食材を集めた「いごっそプラン」で、定番のカツオのたたきからアワビ、地元豚の鉄板焼き、牛のミスジステーキと、食べきれないほどの献立だった。

高知県は温泉不毛地帯で、もとより温泉は期待していなかったが、この宿の温泉は、まあ温泉と言えば温泉…と言う感想。全国の有名温泉を知っているだけに、どうしても辛口評価になる。それでも温泉があるというだけで気持ちが豊かになる。内風呂、露天風呂とも広く、地元の皆さんが多数日帰り入浴に来て楽しんでおられた。なかなか人気の施設のようだ。

来るときはタクシーに乗ったが、帰りは仁淀川の流れを間近で見たかったので、伊野駅まで歩くことにした(2~3キロ)。だいたい川が美しいのは中流までで、下流に行くにつれ、生活排水などで汚れてしまう。ここは中流と下流の間くらいで、感嘆符が出るほど美しくはなかったが、それでも流れは清らかで、アユ釣りをする人も3、4人いた。下流に行くと、「仁淀ブルー」と呼ばれるほどきれいな場所があるらしいが、今回はこれで満足しておこう。次に目指すのは「最後の清流」と言われる四万十川である。

伊野から特急あしずりで1時間半、四万十市の中村駅に到着した。いや、高知県は横に長い。地元の人が言っていたが、東京から最も遠いのがこのあたりだそうで、それは大阪から来ても感じた。電車でノンストップでくれば6時間以上かかる。ほとんど移動時間で一日つぶれてしまう感じである。

宿は迷いに迷った挙句、「新ロイヤルホテル四万十」にした。温泉があり、繁華街のど真ん中にある。朝食設定で8800円はまずまずの値段、夜は地元の居酒屋でうまい酒と新鮮な料理を食べたかった。2日続けて宿の会席料理は飽きてくる。その店はあらかじめ調べていて、ホテルから徒歩5分、「なかひら」という居酒屋だったが、大将が気さくで面白い人だった。

まずは生ビールに刺身の盛り合わせを注文したら、「このカツオの刺身はうまいぜ。3時間前まで泳いでいたんだから…」と、満面の笑顔で盛り付けてくれた。いろいろ話が弾んで3本目の冷酒を頼んだら、「おいおい、飲みすぎじゃない?」と、心配してくれ、「これはサービス」と、有名ブランドの「清水のサバの刺身」を出してくれた。

冷酒300ml×3で900ml、すなわちこの時点で5合の日本酒を飲んだことになる。その後、焼酎の水割りも飲んで、朝起きたら顔が真っ赤っか、相当に血圧が上がっているようでやばかった。体もどよよ~んと重く、ホテルから徒歩8分の四万十川を見に行くのもためらったが、シャワーを浴びてやや復活。ここまで来て、四万十川を見ずに帰ることはできない。仁淀川と四万十川、果たしてどちらが真の清流だったのか?結果は意外な方向へ(続く)



高知県ひとり旅…その➀

2017-06-20 22:26:19 | 旅行
街の中央、山手にそびえる高知城

今年3度目の一人旅に行ってきた。かねてより、訪れてみたかった高知県である。今回、JR西日本のトクトク切符で、「四国くるりきっぷ」というのが発売され、それを利用しての旅だった。しかし、このきっぷは制約が多く、あまり自由感がなかった。まあ、3日間、乗り放題で14800円だから、文句は言えないが…。

今回の一番の楽しみは、最後の清流と言われる「四万十川」と、奇跡の清流と言われる「仁淀川」を見比べることだった。なぜだか分からないが、子供のころから川が好きで、どこを旅しても必ずその地方の最大の川を見に行く。山の中のローカル線は、ほとんど川の流れとともに走っているので、満足この上ない。この前の山形の旅も、日本三大急流のひとつである最上川をずっと見ていた。そして、その重厚な流れにため息が出た。

14時ごろ高知駅に着いた。初日の宿は眼下に仁淀川を見下ろす、ヨーロッパの城のようにそびえる「かんぽの宿伊野」である。伊野町は高知市から電車で20分の距離で、まだ2時間余り余裕があった。それでリュックを背負い、初夏の高知の街を歩いた。


駅真正面の道をまっすぐ歩くと、あの有名な「はりまや橋」に着いた。「行って三大がっかり」の観光地である(あと2つは札幌時計台、長崎オランダ坂)。『♪土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た、よさこい、よさこい』と、歌われているからどんなところだと期待されるらしいが、ただの街の横丁である。人口の小さな川に、ミニチュアのような赤い橋が架かっている。確かにがっかりだ(笑)

次は高知城を目指した。アーケード付きの商店街は広く立派な通りで、この日は日曜で買い物客もたくさんいた。商店街が活気があれば歩いてても楽しい。その横にいわゆるネオン街らしき町並みがあり、こちらも夜はにぎわっていることが想像できる。「う~ん、いい街だな高知は…」と、思わずつぶやいた。街の真ん中に鎮座する高知城も立派で、高知の町全体が見渡せる。

晴天の中を1時間半ほど歩いて汗びっしょり。高知はやはり坂本龍馬の街だ。龍馬の名前をあちこちで見かけた。特に飲食店に多かった。駅に戻ると30分ほど待ち時間があったので、駅中の居酒屋でカツオの塩たたきを肴に生ビール大を飲んだ。カツオのたたきなんてどこでも同じだろうと思っていたが、いや、やっぱり本場は違う。なぜ藁(わら)で焼いているのかが判明した。皮の焦げ目が半端なくうまいのである。身は大振りだし、粗塩がよく合つて、想像以上に旨かった。いっぺんでファンになり、この旅行中、昼飯はカツオのたたき定食ばかり食べた。

そして、宿に着き、仁淀川を眺めたが、何の穢れもない、清楚な川だった(続く)