満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

新潟、山形県の一人旅…その②、小野川温泉はベスト5に入る!

2018-05-27 12:28:37 | 旅行


小野川温泉の日帰り施設、尼湯。もちろん、源泉掛け流しである

2日目は村上から2つ戻って坂町駅へ。いつもなら朝食の後はゆっくりして、チェックアウトぎりぎりまで宿でのんびりするのだが、米坂線は本数が少ない。1日で5本、午前中はたった2本しか運行していない。村上発が8時49分、そして坂町発の米沢行きが9時34分。これに乗らないとすべてのスケジュールが狂ってしまう。しかし、この本数の少なさがローカル電車としての希少価値であり、ワクワクの原動力である。

電車は意外にも2両連結、そこそこ乗客もいた。荒川沿いに国道113号線と平行して走るこの米坂線、真ん中に奥羽山脈があり、山形、福島方面に行く道はここしかない。帰りは高速バスを利用して113号線を走ったが、特に難所はなく、「秋は紅葉が素晴らしい」という口コミ も納得がいく風景だった。このローカル電車に揺られて約2時間で米沢に到着。駅前でレンタサイクルし、さっそく市内観光に向かった。

米沢と言えば上杉家と米沢牛。そんな感じの街並みだった。駅前に有名らしき米坂牛の食事処が2軒、そのうちの1軒が有名な駅弁、「牛肉どまん中」を作っているらしく、大きな看板が目立っていた。しかし、ここだけではなく、町中に「米沢牛」の看板。他の食堂を見つけるのが難しいくらいあちこちで見かけた。上杉神社までは最上川の橋を渡って自転車で10分ほどの距離。平日にもかかわらず、観光客は多かった。

上杉神社は上杉謙信を祀る神社だが、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」で有名な上杉鷹山(ただし、 その言葉の元は武田信玄らしい)や、上杉景勝、直江兼続の像も堂々と鎮座していた。さらに宝物殿や博物館もあり、なかなか見どころの多い観光地である。ただ、ここのレストランでも食事のほとんどが米沢牛関連(ステーキ、ハンバーグ、シチューなど)で、当然ながら値段も安くはない。自分はつつましく、今夜の酒の肴にしようと思い、お土産販売所で米沢牛のスジ肉煮込み(1080円)と、牛肉弁当(1250円)を買った。昼ごはんとして、生ビール一杯と米沢ラーメンを食べたが、山形県はラーメン消費量が日本一と言うのを思い出した。去年訪れた酒田市や、鶴岡市も町中でラーメン店をよく見かけた。米沢ラーメンは醤油味の素朴なラーメンで、懐かしい味がした。

自転車で駅まで戻り、小野川温泉行の バスに乗った。ここから30分で旅のメインともいえる温泉地に着く。小野川温泉は世界三大美人の一人として有名な小野小町が発見し、伊達政宗公や歴代上杉の殿様もこよなく愛した名湯で、温泉マニアにとって外せない温泉と言われている。到着したのは14時半で、チェックインには30分ほどの時間があった。昔ながらの温泉街で、こじんまりした旅館、少し大きめのホテル、年季の入ったお土産店、そして源泉掛け流しの日帰り温泉施設が2軒、なかなかの賑わいである。その裏手と言うか、温泉街の右側に最上川が流れているのも好印象だった。今夜の宿は「亀屋万年閣」という旅館だが、なかなか味わいのある宿で、源泉掛け流しの温泉も素晴らしかった。

いい温泉地と言うのは、到着した時点で温泉 の匂い、香りが香ばしく、「おおっ」と声が出る。小野川温泉はまず硫黄の匂いがした。その後に何とも言えぬ甘い香りが漂ってきた。この時点で素晴らしい温泉だと確信できる。さっそく入浴すると、白い湯の花が舞い、メタケイ酸の含有量が多い美人系の温泉で、今まで入浴した温泉の中でもベスト10には入る魅力的な泉質だった。いやちょっと待て、ベスト5かも知れないな~と考えながら楽しく湯あみした。ただ、この日は夕方から強めの雨が降ってきて、雨音を聞きながらの就寝となった。雨音は状況によっては寂しく感じる。一人旅のマイナス点である。そこで持参したウィスキーをグイグイ飲み、酔いに任せて寝ることになった(笑) その③に続く。


新潟、山形県の一人旅…その①、夕日100選!

2018-05-26 21:15:13 | 旅行
この写真をじっと見ていると、光が動いているように見えませんか?

9日間の休みができたが、諸事情で旅行の計画はなかった。しかし、3日間で諸事情が緩和され、旅に出たい思いが強くなった。ただ、いつも使うJR西日本のトクトク切符はほとんどが一週間前の予約が必須。自分はケチではない。でも、日本の交通費は本当に高いと常々思っている。訪日した外国人が、「食費や宿泊費は普通だが、交通費が高すぎる」と言う感想が多いのも頷ける。今更安くはならないだろうが、方法はある。

そこで「ピーチ航空」を検索した。ピーチ航空とは関西空港拠点の激安航空機である。一番新しい航路の新潟を見ると、行きも帰りも4800円程度、なんと大阪、新潟往復で1万円を切るのだ。去年、新潟を旅したが、本当にいいところだと思った。特に気に入ったのは村上市だったが、今回はもっと範囲を広げてみようと思い、いろいろ検索すると、村上市内の坂町駅から、山形県米沢市までローカル電車があった。清流で有名な荒川沿いを走る魅力のローカル電車である。

米沢に行ってみたかった。上杉家と米沢牛、そして温泉通には垂涎の小野川温泉。そこで立てた計画が、初日村上市瀬波温泉、2日目米沢市小野川温泉、3日目南陽市赤湯温泉、3泊4日の旅である。いずれの宿もひとり旅歓迎で、食のマンネリを避けるために、2日目の小野川温泉だけ朝食のみの設定にした。

さて、初日は瀬波温泉。新潟の温泉は、石油掘削の時に出たという例が多いが、瀬波温泉もそうである(一番有名なのは月岡温泉か?)。今回は「はまなす荘」に宿泊した。新潟から特急で40分、村上市に着き、タクシーで10分(1100円)で宿に着いた。フロントのお姉さんに恒例のお土産(伊勢の名物・赤福餅)を渡すと、いつもより反応が鈍い。「あら、ありがとうこざいます」と言ったものの、「お部屋は2階です」と事務的に言われ、あまりうれしくないように見えた。まあ、でもこれは旅人の気持ちだから、それはそれで良し。

瀬波温泉と言えば最初のキーワードは「日本の夕日100選」。日本海に沈む夕日が感動的だという口コミが多数だ。去年は曇りで見られなかったが、今回は降水確率0%。6時からの食事が楽しみだった。場所は1階のレストラン、強烈な西日でカーテンが張られていたが,落日の10分前、そのカーテンがオープン。なかなか憎い演出だった。すると、水平線から太陽が三つ分くらい上に太陽が位置していた。10分以内に沈みそうな気配だ。

息をのんでその光景を見ていると隣の席のお爺さんが、「うわっ。こりゃ駄目だ。水平線のところに雲がある」と、言った。その御仁もひとり旅。後から話を聞くと新潟市から毎月1度この宿に2連泊しているという。「ええ、そうなんですか。ダメなんですか?」と聞くと、「夕日の醍醐味は水平線にかかったところで太陽が溶けるように広がるんだけど、今日は雲に邪魔されて見えないな」と、言う。確かにその通りだった。バターが溶けるような場面はなかったが、しかし、久しぶりにいい夕日を見た。

その御仁に、「この宿は温泉も景色もいいけど、僕が毎月来る理由の一番はお米の旨さ。新潟と言えば魚沼産のコシヒカリと思うだろうが、このあたりの岩船米がぴか一だよ」と教えられ、酒をやめ、ご飯を食べると、「おお!」と声が出た。もちもち、つやつや、仄かな甘みが食欲をそそる。実は糖質制限中で、ご飯は食べない予定だったが、2杯も食べた。朝食も2杯、3杯目に手が出そうになったが、そこは自制した。それほど美味しいお米だった。

ありがとう、ご隠居さん、明日は米沢に行きますと言うと、「良い旅を」と、笑顔で言ってくれた。 ②に続く