まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本・寄贈本 1月

2016-01-13 17:00:45 | 文庫のページ
①『ぼくだけのこと』 森絵都・スギヤマカナヨ 偕成社2013
 笑うと右のほっぺにえくぼのできる「ようた」は、「これはちょっとうれしいぼくだけのこと」と考えます。ちょっと困ったぼくだけのことも、ちょっと得意なぼくだけのこともあり、どんどん考えていくと、これはすごいことだと気づいていく「ようた」がほほえましいです。欠点も長所もそうやって考えていくと、なんか楽しく、自分という存在の不思議さに気づき、自分がとてもいとおしくなるような絵本です。スギヤマカナヨさんの絵も楽しいです。
戦争と平和を見つめる絵本『わたしの「やめて」』 朝日新聞出版2015.9.30
 文・自由と平和のための京大有志の会声明書 
 【こども語訳】山岡信行 絵・塚本やすし
 この絵本は、7月に結成された「自由と平和のための京大有志の会」が出した「声明書」を、子どもにもわかるように「こども語訳」をし、それに塚本やすしさんが絵をつけたものです。「こども語訳」を試みた山岡信行さんは、埼玉県に住む予備校講師で、3人のお子さんのお父さんです。
 「くにとくにのけんかをせんそうといいます」――戦争とはどんなものか、子どもにもわかる言葉で語られ、一言一言が深く心に届きます。ホームページでそれを見た絵本作家の塚本やすしさんは絵本化を考えます。参院での採決前に出版しようと、3日で絵を描き、企画から発売まで40日という緊急出版を実現します。
 平和を願う多くの人の想いが結集してできあがった貴重な絵本です。たくさんの子ども達に手渡したいです。最後のページに「声明書」前文とその英語版が掲載されています。
日本全国ふしぎ案内①『菜の子ちゃんと龍の子』 富安陽子/YUJI 福音館書店2015
 トキ子は山田菜の子ちゃんのことははっきり覚えているのに、友達は誰も彼女のことを覚えていないと言います。10月の金曜日の5年1組の教室でトキ子は確かに菜の子ちゃんに会い、日曜日の龍泉寺のお祭りの時に龍の子を助ける手伝いを頼まれます。
 龍や鬼、天狗など不思議な生き物が息づく世界をトキ子は菜の子ちゃんと一緒に冒険します。舞台は奈良県、大峯山のふもとの村。「日本全国ふしぎ案内」とあるように、その村について最後に解説が載っています。シリーズものの1巻目。続きが楽しみです。
 さて、菜の子ちゃんは髪形も眼鏡も菜の子先生そっくりの女の子で、もしかしたら子どもの時の菜の子先生でしょうか。でも「菜の子通信」によると、ふたりは同時代に存在しているという情報も寄せられているとか。菜の子ちゃんの正体が気になる物語です。
④『岸辺のヤ~ビ』 梨木香歩/小沢さかえ 福音館書店 2015
 舞台は英国の湖沼地帯。マッドガイド・ウォーターの近くにあるフリースクールに勤める「わたし」はこの湖にボートを浮かべ、読書を楽しむ女性。ある日、二足歩行の小さな不思議な生き物に出会います。クーイ族の男の子ヤービです。彼女が渡したミルクキャンディーがヤービたちの世界で重要な役割を果たすことになります。
 生きることに大きな悩みを抱えたヤービのいとこセジロやその友達のトリカのこと、ヤービたち一族の抱える大きな不安など、「わたし」はヤービとの交流を通して知っていきます。「わたし」のゆったりした優しい語り口が心地よい物語です。最後に次回作の紹介があり、これがシリーズ1巻目であることがわかります。
 小沢さかえさんの描くヤービがとても魅力的です。
⑤『セロ弾きのゴーシュ』 宮沢賢治/小野かおる 古今社 2003
 町の活動写真館でセロを弾く係のゴーシュの物語です。
 いつも楽長から叱られているゴーシュは毎晩家で練習をするのですが、そんなゴーシュのところへねこやかっこう、たぬきの子、ねずみの親子がやってきます。ゴーシュと動物たちの交流が愉快です。
 今年は宮沢賢治の生誕120年です。うれしいことに、古本屋さんで小野かおるさんの挿絵の『セロ弾きのゴーシュ』を見つけました。表紙もすてきです。(2月27日10時から七郷市民センターで、チェロの演奏付きで『セロ弾きのゴーシュ』を朗読します。)
   寄贈本 ありがとうございます。
①『百まいのドレス』 エレーナ・エスティス/ルイス・スロボドキン 石井桃子訳 岩波書店 2006
 實井美知江さんからいただきました。石井桃子さんが99歳の時に、50年ぶりに全面的に改訳した本です。丁寧に子どもたちに手渡したい1冊。
②『クリスマス・イブはおおさわぎ』 エリナ・ヴァルスタ 五十嵐淳訳 
  株式会社ワールドライブラリー 2015
 一般社団法人 荒井タウンマネジメントからいただきました。フィンランドの絵本。子どもたちにプレゼントを届けるまでのサンタさんの大変な一日を描いた絵本。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あやとり検定を始めます! ... | トップ | 1月の「あそびの学校・レンゲ... »

コメントを投稿

文庫のページ」カテゴリの最新記事