まつお文庫からのご案内

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寄贈本・新しく買った本 5月

2019-05-22 15:16:31 | 文庫のページ
寄贈本  ありがとうございます。
内田麟太郎さんからいただきました。
『とりづくし』 内田麟太郎/石井聖岳 すずき出版 2019.4
 楽しい言葉遊びの絵本です。日本語って本当におもしろいと改めて思ってしまいます。「とり」と言ったら、まず「鳥」を連想しますが、「とり」が入っている言葉もたくさんあるのです。「ひとり」「あやとり」「ちりとり」「うっとり」「とりかえっこ」「かとりせんこう」などなど。「とり」の入った言葉で内田さんがどんなナンセンスな世界を作りだしているか、どうぞ楽しんでください。石井さんの描く鳥たちの表情も豊かで楽しめます。
 朝日新聞・土曜日版beに「作家の口福」というタイトルで、毎回いろいろな作家の方々が書いているのですが、6月8日(土)より4回連載で、内田さんの文章が載ります。どうぞお楽しみに。


新しく買った本
①『うみどりの島』 寺沢孝毅/あべ弘士 偕成社 2019
 春先にたくさんの鳥がやってくる北海道の北の海に浮かぶ島、天売島(てうりとう)の話です。特にウミガラスが卵を産み、ひなを育てる島として有名です。立った姿がペンギンそっくりのウミガラスは、鳴き声からオロロン鳥とも呼ばれています。
 その他、赤い足のケイマフリ、オレンジのくちばしをもったウトウ、ウミウやカモメ、ウミネコなどたくさんの珍しい鳥が広い海と空を飛び回る姿に感動できます。あべ弘士さんが魅力いっぱいに鳥たちを描いています。見開きいっぱいに広がる海も空も美しく心に残ります。生命力にあふれた絵本です。
②『けんぽうのえほん あなたこそたからもの』 いとうまこと/たるいしまこ 大月書店 2015
 憲法学者の伊藤真さんが、子どもに向けて、憲法がどんなものか、憲法の精神をわかりやすく語った絵本です。垂石眞子さんの絵も親しみやすく、憲法を身近に感じてもらえるすてきな絵本です。
 一人ひとりみんな違うけれど、皆、かけがえのないいのちと心を持っている存在だということ、それこそが憲法の大事な根っこだと、まず語ります。憲法は強くて力のある人たちにつけたブレーキであること、弱い側にいる人たちの味方であること。民主主義、立憲主義、戦争放棄、平和主義についてもわかりやすく語っています。大人の人にもおすすめの憲法絵本です。
③『木のなまえノート』 いわさゆうこ 文化出版局 2010
 たくさんの木に出会える、とても興味深い本です。
 最初に取りあげられているのは、春先最初に咲く黄色い花のマンサクです。名前のいわれは「春、最初に咲く」→「まんずさく」から名づけられています。同じように季節の名がついた木や、春に黄色い花をつける木を取りあげ、マンサクも含め、18本の木を写真と絵で紹介しています。36本の木のなまえのいわれを知ることができます。昔の人は木のことをよく知っていたのだと改めて思います。
 クサキのところでは匂いからついた木が紹介され、サルナシのところでは動物の名前がついた木が紹介され、というふうに本全体では450本を超える木が紹介されています。どれだけ時間をかけて作られたのか考えてしまうくらい、情報がいっぱいの本です。
④『ようこそ! 葉っぱ科学館』 多田多恵子 少年写真新聞社 2019
 植物によって葉っぱは形も大きさもさまざまです。つるで巻きついたり、夜には閉じたり、虫を食べたり、葉っぱの不思議について徹底分析したおもしろい本です。
 特に興味深かったのは、常緑樹のアセビの若葉が赤いのはなぜかということ。なんと紫外線を防ぐためだそうです。我が家のオオバベニカナメも若葉は赤く、その後、成長すると緑になっていくのはそういうことだったと知ることができました。その他にも驚くことがいっぱい出てきます。
 身近にある草花や木々の葉っぱの秘密、不思議について興味深く知ることができる本です。
⑤『数字はわたしのことば』 シェリル・バードー/バーバラ・マクリントック 福本友美子訳 ほるぷ出版 2019
 副題は「ぜったいあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン」です。ソフィー・ジェルマンは1776年にフランスで生まれた数学者です。子どもの頃から数学が大好きで、寝ても覚めても頭の中は、数学でいっぱいの女の子でした。その頃、女性が数学者になることは考えられない時代でしたが、あきらめず夢をかなえていくソフィーの物語です。1816年、彼女はやっと数学者として認められます。数字や方程式が宙を飛ぶように描かれている絵も楽しいです。
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