まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本の紹介 3月

2011-03-23 12:33:03 | 文庫のページ
①『あの路』 山本けんぞう/いせひでこ 平凡社
母を亡くし、おばに引き取られた孤独な少年と誰からも見向きもされない三本足の黒い犬の物語。少年は三本足と友だちになるが、ある雪の日、両足を縛られ、ぐったりしている三本足を見つける。少年の腕の中で息を吹き返す三本足。三本足は元気になっていくが、やがて少年との別れがやってくる。ちょっとせつない物語。ジャーナリストで詩人の山本さんの『きみは金色の雨になる』に出ていたこの物語を読んで、伊勢さんがぜひ絵本にしたいと山本さんに新たに絵本の文章をお願いしてできあがった絵本。キャンバスに水彩で描いた伊勢さんの絵が素晴らしいです。2009年出版。
②『水仙月の四日』 宮沢賢治/伊勢英子 偕成社
 冬の日の吹雪の凄まじさが賢治の幻想的な文章からも伊勢さんの絵からも恐いくらい伝わってくる絵本です。雪婆んご(ゆきばんご)や雪童子、雪狼(ゆきおいの)が走り回って猛吹雪を起こす日が水仙月の四日。その日、山の家に向かって歩いていた男の子を見つけた雪童子はなんとかその子を助けようとします。一面青と白で描かれた世界の中に、男の子の着ていた毛布(ケット)の赤と雪狼の舌の赤がとても印象的です。和紙にアクリルと水彩で描いた伊勢さんの絵をどうぞご覧ください。1995年出版。3月31日まで、今、世田谷文学館で「旅する絵描き いせひでこ展」が開かれています。3月8日、見てきました。すばらしい原画展でした。2月の文庫だよりで伊勢さんの『にいさん』の絵について「油絵」と書いたのですが、油絵ではなくアクリルだそうです。キャンバスに描いてあって、重厚なタッチでしたので油絵だと思ったのですが違いました。(『はくちょう』の絵も油絵ではなくアクリルです。)
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